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べっぴんさん 視聴率20%超でも盛り上がりに欠けるワケ

NEWSポストセブン1月14日(土)7時0分
画像:視聴率20%超えでもなぜ盛り上がらない?(『べっぴんさん』公式HPより)
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視聴率20%超えでもなぜ盛り上がらない?(『べっぴんさん』公式HPより)

 放送3か月目に入った芳根京子(19才)主演のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』。直近の第14週は視聴率21.4%を記録し、第3週から14週連続で視聴率20%の大台を突破した。朝ドラは20%台を超えれば、制作側にとって“合格点”とされ、多くの視聴者が見ているはず、である。


 ところが、いまいち、『べっぴんさん』に盛り上がりを感じられないのも事実だ。『あさが来た』や『とと姉ちゃん』のように、放送後、SNS上で関連ワードのランキングが急上昇することもなければ、週刊誌などで特集を組まれることも明らかに少ない。いったいなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。


 * * *

『べっぴんさん』は、年末年始の中断をはさんだ1月4日からの放送も視聴率20%台をキープしていますが、『あさが来た』『とと姉ちゃん』の前2作と比べると、それほど話題になっていません。


 11日の放送から舞台を『キアリス』10周年の昭和34年に移し、成長した坂東さくら(井頭愛海)、村田健太郎(古川雄輝)、小澤龍一(森永悠希)に加え、初登場の河合二郎(林遣都)と山本五月(久保田紗友)らの新キャストを投入しましたが、その状況は変わりませんでした。なぜなのでしょうか?


 最大の理由は、「ネットメディアが採り上げ、視聴者がSNSに書き込みたくなるトピックスがない」こと。ヒロインの坂東すみれ(芳根京子)は、言いたいことをなかなか口に出せない控えめなキャラクターであり、『あさが来た』の白岡あさ(波瑠)や、『とと姉ちゃん』の小橋常子(高畑充希)と比べれば、その地味さは一目瞭然です。芳根さんは持ち味である感受性の豊かさを生かして、思いを絞り出すような熱演を見せていますが、現代の視聴者には伝わりにくいキャラクターの分、損をしている気がします。


 また、すみれをはじめとする主要キャラクターに「今イチ共感できない」という声が多いのも事実。みずみずしい女学生時代、ドラマティックな結婚・出産、厳しい戦時中の様子をほとんど描かず、超ハイペースで終わらせたことで、「視聴者がヒロインたちへの共感を育むタイミングがなかった」とも言えます。近年の朝ドラに比べて熱狂的なファンが少ないのはその影響があるのでしょう。


 ネットメディアが採り上げないのは、「イケメン俳優が少ない」のも理由の1つ。『あさが来た』のディーン・フジオカさんや瀬戸康史さん、『とと姉ちゃん』の坂口健太郎さんや大野拓朗さんのようなフレッシュなイケメン俳優が少なく、唯一の存在だった岩佐栄輔(松下優也)も早々に退場してしまいました。ただ、栄輔は再登場が予告されているだけに、そのタイミングでは話題を集めそうです。


 また、ドラマ全体を“穏やかで優しい”世界観で統一されているのも、トピックスが生まれにくい理由の1つ。実際、『あさが来た』の眉山惣兵衛(柄本佑)、大久保利通(柏原収史)、サトシ(長塚圭史)、『とと姉ちゃん』の青柳滝子(大地真央)、花山伊佐次(唐沢寿明)、赤羽根憲宗(古田新太)のような個性的なキャラクターがぶつかり合うシーンが少なく、“女性たちの仲良し物語”と思われがちなところがあります。


 ただ、『べっぴんさん』が「前2作よりも面白くない」ということは決してありません。脚本の渡辺千穂さんが、「毎朝見終わったあと、人に優しくしたくなるドラマにしたい」と話していたように、これまでの15週間は、人間の良心や身近な人々とのつながりを丁寧に描いてきました。


 いたずらに大事件を起こしたり、特異なキャラクターを投入したり、小ネタを盛り込むなどの仕掛けで視聴者心理を揺さぶろうとするドラマも多い中、ヒロインの人柄を体現するような誠実な制作姿勢は、もっと評価されてしかるべきと思われます。


 反面、それらの仕掛けを好むネットメディアやSNSにコメントを書く“能動的な視聴者層”に不発なのは必然。もともと朝ドラのメインである主婦や中高年などの“受動的な視聴者層”をガッチリつかんでいるからこその平均視聴率20%超であり、「前2作よりも視聴率が2〜4%低いのは“能動的な視聴者層”が見ていないから」に過ぎないでしょう。


 ヒロインもストーリーも『あさが来た』『とと姉ちゃん』のような派手さや爽快感はないものの『べっぴんさん』は、地に足のついた生き方や人間関係を描いた良作。その意味で前2作とは別品であり、毎日放送される帯ドラマにふさわしい作品とも言えます。


 地味で地道な作品だけに、分かりやすい話題を振りまくことも、飛び抜けた評価を得ることも難しいでしょうが、そこはグッと我慢。放送が終了に近づく春には、「いい朝ドラだった」と惜しむ声が続出するのではないかとみています。



【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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