星野源 モテる理由は絶妙なほどほど感と不快感のなさ

1月14日(土)16時0分 NEWSポストセブン

星野源の不思議なモテ力の秘密

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 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、一躍、時の人となった星野源の不思議なモテ力を分析。


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 なぜか星野源がキテいる。『逃げるが恥だが役に立つ』(TBS系ドラマ、以下『逃げ恥』)で大ブレークし、ドラマ主題歌で星野の楽曲である「恋」が、今春の第89回選抜高等学校野球大会」の入場行進曲にも決定した。


 エンディングで踊られた“恋ダンス”がブームとなった『逃げ恥』。脚本や演出がとてもうまく、自分に正直に明るく前向きに生きる主人公・森山みくりに新垣結衣がぴったりハマって、文句なくかわいかった。


 ガッキーのかわいさをさらに引き立てたのが、主人公・津崎平匡を演じた星野源。草食系男子で童貞キャラの平匡の誠実さや純粋さ、不器用さからくる愛おしさに星野がぴたりとハマった。


 星野源の人気は急上昇中。とはいえ、イマイチ、なぜそこまでモテるのかわからない、という声も聞こえてくる。多芸多才ではあるけれど、イケメンといえるほど美男子でもなければ、スタイルがいいわけでも、鍛え抜いた筋肉質な身体や男っぽい色気があるわけでもない。


 ということで、その理由を考えてみた。


 シンガーソングライターとしての星野は、ネアカと自分で言うほど明るく活動的。話すエピソードは面白いし、下ネタも平気で口にすれば、噂になった歌手や女優もいて、草食系男子とはほど遠い。


 しかし俳優としての星野は、決してキャラが濃い方はない。昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』での徳川秀忠役は、他の俳優たちの印象が強すぎたせいもあり影が薄かった。他のドラマでも役柄のせいもあるが、無表情、地味で目立たず、陰気な印象が強い。今回は、星野のこんな印象と平匡の恋愛に臆病で、消極的、おとなしい役柄がうまくかみ合ったのだろう。


 星野には、女子に嫌がられたり、遠ざけられたりする要素が少ない。イケメンではないけれど親近感のある顔立ちは優しく、どちらかといえばベビーフェイス。きつさや強さを感じさせる顔ではないし、大きな口で笑うと、子供っぽくて無邪気でストレートにかわいい。


 星野の声は男っぽいというより少年っぽさが残る。弾むような楽しげな声、優しいけれど、どこかワクワク感がある声だ。ジャストフィットでシンプルなファッションはセンスがよく、危険な香りこそしないが清潔感もある。


 ガッキーと並んでも同じぐらいの身長は、平匡役の星野にはプラスにこそなれ、マイナス要素にはならない。小柄だと相手に圧力を与えないし、1対1のコミュニケーションでは同じ目の高さになり、見下ろされる感がなく、フランクに話ができる。男性が思っているほど、女性は身長に対して重要性を感じていないのだ。


 小柄でかわいく少年っぽさが残る星野は、母性本能をくすぐるというか、ついお節介を焼きたくなるタイプなのかもしれない。



 平匡演じる星野は、主人公のみくりのちょっとした発言や行動にもいちいち反応し、決してスルーせずに、驚いたり戸惑った表情を見せた。そしてその後、柔らかく温かく微笑んでみせた。


 他番組での星野も、相手の話に、喜怒哀楽がはっきりした表情と、感情を隠すことなくわかりやすい仕草で、素直にストレートに反応する。その屈託のなさや明るさは、相手に嫌な感情を与えることはない。加えて、星野は最後に微笑む。微笑みで終えることで、見ている人の心に残るのは優しさや楽しさになる。


 心理学者のポール・エクマンが「さまざまな楽しい感情には笑いが含まれている」といっているが、シーンの最後に微笑むことで、平匡の誠実さや温かさがアップしただけでなく、星野への印象も各段にアップしたはずだ。


『逃げ恥』での星野は、みくりと話している時、きちんと相手の方を向いて話を聞く。嫌な顔も面倒な顔も見せず、眉間にシワを寄せることも、眉をひそめることも、口元を歪めることもなかった。いら立ち、面倒くささ、不満…、そんなマイナス感情を表す仕草がほとんどなかった。


 身体が揺れたり、動いたりする微妙な仕草もなく、いつもまっすぐ立っていた。このため迷いなく、相手にまっすぐ一途に向いていると感じさせた。照れたり困ったりした時は、無表情になる演技をすることで、かえって内面の動揺など心の動きがわかってより効果的だった。


 そのせいか、見ているこちらは嫌な感情を刺激されたり揺さぶられることもなく、ガッキーのかわいさも加わって、「ムズキュン」にハマり、イライラしたり、キモいと思うことがなかったのだろう。


 さて、このマイナス要素がない、不快感を与えない、というのは、モテるための強い武器なのだ。心理学者のスノーランスキーとカールストンが「人はネガティブな情報をより重視する傾向がある」といっているように、いったん不快感を与えれば、好かれるためにはそれ以上の努力が必要になる。だから、マイナス要素がないのは、モテるための絶対条件になる。


 劇中の仕草で興味深かったのは、平匡がずれたメガネをクイッと直す動作。女子が「メガネ男子の仕草でカッコいいと思うのは?」と聞かれると、必ずランクインする仕草だけれど、『逃げ恥』では、Hな想像や欲求が頭をかすめた時に“冷静になれ、理性を取り戻せ”と、真面目な顔に戻ろうとする仕草だったのではと思う。演じた仕草には、それなりの意味や心の動きを考えていたはずだ。


 カッコよすぎない絶妙なほどほど感に、ついお節介を焼きたくなるキャラ──星野源がモテる理由は、そんなところかもしれない。

NEWSポストセブン

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