キスショットは何百歳だろうと女であり“乙女”である——映画『傷物語〈Ⅲ冷血篇〉』神谷浩史さん&坂本真綾さんが始まりの三部作、その幕引きを語る

1月15日(日)15時30分 アニメイトタイムズ

 ついに2017年1月6日(金)に公開となった、劇場映画『傷物語』3部作の最終章『傷物語〈Ⅲ冷血篇〉』。〈物語〉シリーズの時系列上では最初の物語となる本作の完結に際し、主人公・阿良々木暦を演じる神谷浩史さんと、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを演じる坂本真綾さんにインタビューを実施! 

 『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』の予告で殺し合いになることが匂わされていた、暦とキスショット。そのバトルシーンでは一体どのような苦労があったのかに注目です! 
首が飛ぶ!? 下顎だけになる?! バトルシーンのアフレコは!!
——冷血篇のアフレコに臨むにあたって、今回はどんなことを考えましたか?

阿良々木暦役:神谷浩史さん(以下、神谷):取り立てて今までと何か変わる訳ではないんですけど、やっぱり『傷物語』の最後ですし、『傷物語〈Ⅰ鉄血篇〉』が上映された時に「ああ、声優やっててよかったな」と思えたので、完成した暁にもう一回そういう風な気持ちになれるように頑張らなきゃ、という思いがありました。

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役:坂本真綾さん(以下、坂本):〈物語〉シリーズには今までも出演してきましたが、それぞれ色んなヒロインが登場していました。なので、自分のキャラクターが活躍するかどうかはその都度違うのですが、『傷物語』に関してはこの作品のセリフでオーディションを受けているので、私にとっては出会いのお話でもあります。遂にそれが完結するんだという思いがあって、すごく感慨深かったです。

——今回はおふたりが演じるキャラクターのバトルがガッツリあると思いますが、どんなところに苦労しましたか?

坂本:ほかの作品ではあまり見たことのないような戦い方なので、声をあてる観点から見ても、どうやって解決すればいいんだろう、という(笑)。「下顎だけになる暦」と書いてあって、下顎だけになった時どんな声が出るのかなと(笑)。ほかの作品では考えたことがないような角度で、そのシーンはどんな声が出るんだろうと想像したのは面白かったです。

神谷:吸血鬼同士の戦いなので、我々の常識で考えると、ちょっとよく分からないことになると思います。けど彼らにとってはそれが当たり前で、そういう戦い方しかできないんだと思うんです。それが映像で表現されるとこうなっちゃうんだっていうのは、かなり驚く部分ではあります。

暦はわりと怒りだけで戦いに挑んでしまっているので、その辺はすごく楽ではありました。またキスショットは、そうではないところで戦いに赴かなければならないことを考えると、すごく悲しい戦いに見えますけどね。——神谷さんがオススメするキスショットの見どころと、坂本さんがオススメする暦の見どころをお願いします。

神谷:『傷物語〈Ⅰ鉄血篇〉』の時に「本気の命乞い」をする場面があって、そこから始まっているんですけど、それが今回の物語を締めるにあたり、一転して全く違うことを言い始めます。その辺りは見どころのひとつなんじゃないかなぁ……。

坂本:そこだけ!?

一同:(笑)。

神谷:いや、いっぱいあるんだけど、ひとつ決めろって言われたらそこじゃないかなって。この物語を繋げて見た時に、あそこからスタートしたのにここまで気持ちが変わって行くんだなっていう。そこを変えた暦という存在の大きさが、キスショットにどういう風に受け止められたのか気になります。

坂本:アフレコの時、実は暦とキスショットのシーンは一緒に録っているんですが、暦と羽川(翼)とのシーンに私は立ち会っていないんです。だから、その辺がどんな風に声が付いて完成していくのかまだ見ていないので、私個人としてはそこが楽しみです。

あとは、色々なTVシリーズを経てきましたけど、一番初めの物語に戻っていることです。この『傷物語』の一番ラストに暦がモノローグで締めるくだりは、台本を読んでいても熱くなるものがあったと言いますか。キスショットとしては、ここから全てが始まったんだなっていう暦のモノローグが、見ている人に一番余韻を残して終わるんだろうなと。

神谷:ラストシーンは〈物語〉シリーズっぽいよね。

坂本:繋がる感じがありますね、ほかのシリーズと。


100カット近くに及ぶ暦の叫び——今回、心情表現で一番苦労した点や、大変だったところを教えてください。

神谷:暦がキスショットという存在がどういうモノなのか気づかされて、安易に助けたことを後悔するシーンがあるんですが、そこはもう映像的にメチャクチャなんです。要は17歳っていう高校生のメンタルで自分が背負ったものを受け入れきれずに、当たり散らすんですよね。そこはずっと「あああああああああああ」とか「うわぁあああああ」という叫び声しか書いていないので、演じるにあたって……本番で一発OKが出てよかったなって。

一同:(笑)。

神谷:二回はやりたくないなって思いましたね。それぐらいずっと叫んでます。

坂本:キスショットはこの三部作のなかでとてもじっくり描いていただいているので、あんまり疑問に思うことはないというか、私のなかでは何故キスショットがこういうことを言っているのか分かるお話だったので、悩む必要はありませんでした。

私のなかでキスショットはすごく「女だな」という感想でした。「何百年生きたところで女って女なんだな」って。そういったことがこの歳になって分かりかけてきた私にとっては、ですが(笑)。これから100倍生きても女はやっぱり女なんだなみたいな、業というか性というか、その感じで突き抜ければいいんじゃないかなと思っていました。——坂本さんは序盤の暦と語り合うシーン。神谷さんは体育倉庫での羽川さんとのシーンを演じた感想をお聞かせください。

坂本:やっぱりここは素敵に描かれているというか、ふんわりとした……トキメキじゃないですけど、キスショット目線で見ても、暦目線で見ても心地よい会話がなされています。ちょっとキュンとすると言いますか、ここが淡く素敵に描かれるほど後々のシーンが生きてくるんです。とにかくキスショットの女の子な部分というか、どこまでも素直になりかけて語っている。「君って変なやつだね」って、私はイコール好きっていうことじゃないかなって思うんですね。

——先ほどキスショットは女だと話されていましたが、序盤はむしろ女の子というか乙女といった感じでしょうか?

坂本:色んな意味でそうですね。好意のようなモノを醸し出したいけど、すべてを自分で言ってしまいたくない。そういう部分だったり、あるいは自分の過去の話を語ることは大事な相手にしかしないと思うので。

そこで心の距離が近づいたり、あるいは描写的にも美しい彼女の笑顔だったり、踊るように歩く動き、それらが見た目からセリフ、すべてにおいて20代そこそこの女性がそうしているようにしか見えない。本当は何百歳なんですけど過去の経験は置いておいて、その瞬間だけは、私たち女性がいくつになっても持ち続けている“永遠の少女性”のようなものを、同じく持っているキスショットが前面に出てて良いんじゃないかなって思いました。


『傷物語』の暦に施されたある仕掛けとは……!?——では神谷さん、体育倉庫のシーンは尾石監督が大絶賛されていましたが、いかがですか?

神谷:まぁ要らないシーンなんですよね。

一同:(笑)。

坂本:えっ!? そうなの? 大事なんじゃない?

神谷:いやもちろん、怪異の王として君臨するであろうキスショットに対して絶望している暦が、羽川という存在に救われて、自分で物事を解決しようと決意するシーンなので、とても重要です。非常に短い期間ではありますけど、羽川と暦の関係値はもの凄く深まっているということの表れだと思うんですよね。

普通、そんなことを言われたところで「いや、無理だ」っていう風に言葉を返してしまいそうなんですが、やっぱり羽川が言ってくれるからこそ、自分で解決しようという心づもりに固まっていくわけですから。非常に素敵なシーンではあるんですけど、そのあとやっぱり「ひどいな」という。

一同:(笑)。

神谷:尾石監督自身も、このシーンをどう処理したらいいか分からないと。だから、とある仕掛けをしてあるんです。実は『傷物語』の暦と、ほかのシリーズの暦は、作画がちょっと違うんですね。TVシリーズと『傷物語』の暦にはある違いがあるんですが、この体育倉庫のシーンだけはTVシリーズの暦に戻っている。

何故かというと、TVシリーズでは変態性というか面白い部分が強調されているシーンが割と多めに入っていて、それを自然に受け入れられる態勢が出来ていると思うんです。けど『傷物語』はそういうものが受け入れられない、ここのシーンで急にそういった要素が挿入される違和感が多少あると思うんですね。だからこのシーンだけは、TVシリーズの暦の作画になっているんです。ある意味、別人のような形に置き換えないと尾石監督的には成立しないだろうということだそうです。

坂本:元々そういう発想だったんだ、細かい!

神谷:そのシーンがなければ、キャラデザはTVシリーズのままで行けたそうです。でもあのシーンがあると、どうしても一本の作品に仕上げた時に浮いてしまう。どういう気持ちでこのシーンをやればいいんだと、僕自身も思いましたが、西尾先生曰く「サービス」だと。「もうずっと緊張感が続いているシーンばかりだと、読む方もしんどいと思うので入れました」とおっしゃっていました。だから、演じるのは結構大変でしたよ(笑)。——絵コンテを見させていただきましたが、素晴らしいと思いました。

神谷:あのシーンのおかげでほかのシーンがカットされているそうですから。みんな楽しみなんですよね?

——そうですね、基本的に楽しみな方が多いみたいです。

神谷:まぁそうですよね、あれだけクオリティの高いフィルムとして『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』を作ったのに、一番最後の予告のセリフが「私のノーブラおっぱいをモミモミしてください」って、どうなのと(笑)。

一同:(笑)。

——本作の見どころと、完成した時に見るのが楽しみなところを教えてください。

坂本:アフレコの段階ではまだ絵がないので実際に見てみないと、と思います。ただここまでの完成度を見てきたからこそ、アフレコの段階でこうなるんじゃないか、と予測した何倍も上を行った仕上がりになっていて、狂気性を感じるほどですね、この追及の仕方は(笑)。尾石監督って見た目は爽やかな普通の人なんですけど、絶対変態だなって。

満を持しての完結篇が、1作目、2作目より劣るものになっているわけがないと信じているので、より変態な感じに仕上がっているんだろうな、という点をお楽しみに。……って、もちろん褒め言葉ですよ、変態って!(笑)

また、映画館でなければ表現できない作品になっているので、TVではこういうものはできなかったなって思います。『傷物語』がここまで温められていた理由を、劇場で見てもらえれば分かる。楽しいとか可愛いとか格好いいだけじゃない、人の本質をそのまま受け止められるかという話になっているので、TVシリーズのファンのみなさんが驚く部分や、過去にこういうことがあったから嬉しい、楽しい、可愛いかったんだなと、分かるようになっていると思います。

——神谷さんはいかがですか?

神谷:全部でしょうね。なんとなく見られてしまう作品ではあるんですけど、あとになってから見ると「そういう意味だったんだ」っていうセリフだったり、ニュアンスだったりが散りばめられていて、登場人物たちがひとりも嘘を吐いていないんですよね。

だから、それぞれのキャラクターに魅力を感じるんだと僕は思います。キスショットも、肝心なことは全く言わずにすべて正直に話している、人間に戻してやるよって。ただ、その方法に関しては一切喋らない、それで絶対相手がこういう気持ちになるだろうってことまで考えて喋ってくれているので。

忍野(メメ)もそうで、彼自身も嘘は言っていない。だけど、肝心なことは言わないまま物語はどんどん進んでいって、最終的に『傷物語』自体はバットエンドに繋がっていくんです。だから、とても正直な人たちが正直に生きているだけなんですけど、その結果、ボタンの掛け違えだけで暦とキスショットにとって、ここまで悲惨な物語になってしまうんだなって。そういう様は、3部通して見て頂きたいところです。——おふたりは他作品でも共演されていますが、〈物語〉シリーズで発見したお互いの一面などありますか?

坂本:暦と神谷さんは全然違うと思うんですよ。ほかの作品では、キャラクターとすごく似ていると思う部分もあるんですけど。でも一緒に演じていると、声優さんが同じスタジオでキャラクターを演じているのではなくて、もう「暦が喋ってる」という感じで一体化しているんですよね。

それは長年演じて来た所以なのか分からないですけど、誰よりも暦のことを理解してるんじゃないかと思っています。でもそこには、原作をとにかく、これまた誰よりも細かく読み直し、現場でも原作を持ってきてチェックするという努力があってこそだと思いますし、ほかの作品のとき以上に一体感を感じました。

神谷:真綾ちゃんは、ほかの現場と違うことはそんなにないと思います。ただ、ほかの現場と違って〈物語〉シリーズは“暦と誰か”みたいな形の、少ない人数での収録が主なんです。ともすれば僕と真綾ちゃんしか居ないような時間の方が長いんですね。だから、ふたりきりの空間で、同じベクトルを見て、ひとつの作品に向き合っていく。その時間がこんなにも幸せなんだな、と思える空気を作ってくれる。だから本当にありがたいなと思って、いつも感謝してます。

坂本:上手いこと言うなぁ(笑)。

神谷:いやいや、「上手いこというなぁ」じゃなくて、普段言わないだけ。

一同:(笑)。

神谷:やっぱり独特の緊張感だったり、これは天性のものだと思うんですけど、本当に品の良さを持っています。本人は知らないですよ?

一同:(笑)。

神谷:本人は知らないですけど、現場に居る佇まいや、マイクに向かう姿勢。あとは出ている音が、とにかく何をやっても絶対に品性を失わないんですよね。それは本当に持って生まれたものなので、キスショットっていう高貴な存在の声を担当するにあたっては、「この人以外考えられない」と思いながら、いつも同じモニターに向かわせてもらってます。


多くの人を惹き付ける、原作者・西尾維新先生の物語——〈物語〉シリーズをこれから触れる方へ向けて、『傷物語』がどういう作品なのか、そしてシリーズ全体の魅力をおふたりの言葉で教えてください。

坂本:お話としては『傷物語』がエピソード0なので、逆に今がチャンスです。〈物語〉シリーズをどれから見ればいいんだろうって方は、これがいいきっかけになると思います。もちろん楽しみ方としては、ほかのシリーズを見てから最後に行き着いても構いません。何にせよ、私は自分の演じている役がフィーチャーされているので、特に思い入れがありますね。ほかのストーリーを見る上でも、『傷物語』を知っていればより楽しめるので、見たことの無い人はまずここからおススメします!

「普段はアニメ見ないんだけど〈物語〉シリーズだけは見ちゃうんだよね」といった話を知り合いから聞き、年齢層も色々な人が居て、コアなものかと思いきやそうでもない。すごく色んな人に、色んなツボに入っていく作品なんだなと思いました。完成した映像を見るとすごいポップなものだったり、普通の表現じゃない概念的なものを映像化していったりと、実験的なことをされているなと思ったんです。だから、人によって何をこの作品に求めているのか、実は全然違うんじゃないかなって。それを見つけて欲しいと思います。

神谷:この作品は事実として非常に多くの人に受け入れられているのですが、何故、ここまでみんなに受け入れられているのか、理由は僕もよく分からないんですね。やっぱり西尾先生の作品を生み出すペースを考えると、こんな濃密な作品を描き続けられるのは、ちょっと普通じゃないと思います。本当に才能の塊。「文章という点においての才能を、凝縮したような人間」だと僕は思うんです。その人が生み出す作品を、一番いい形で映像化したのが〈物語〉シリーズなんです。

新房昭之監督ならびに今回は尾石監督ですが、基本的に「ある文章しか使わない」。もちろん、アニメーションならではの言い回しに変える部分はありますし、そこは僕も意識しながら演じている部分でもあります。しかし「基本的には一言一句原作ままやる」、そういうこだわりで作られているんですね。

それは、西尾先生の描く物語に魅力があるからだと思うんです。そもそも、それを忠実にやっていこうという志の下にみんな集まっているので、その結果出来上がったものがみなさんに受け入れられているということは、正しかったと思っています。だから具体的に「これが魅力です」というのは分かりませんが、売れている作品であることは間違いないです。

それで今回の『傷物語』は、そんな売れている作品群のなかでもエピソード0にあたる物語なので、ここから物語がスタートしていますよと。だから本作から見て、後は時系列順、『猫物語 (黒)』、『化物語』、『偽物語』という形で見ていけます。もし『傷物語』でこの作品のことを気に入ってくれたとしたら、この後の『暦物語』も含めて80話近い作品群が待っています。それだけの楽しい時間を提供できることは自信を持って言えます。

——色々な思惑があって対立する暦とキスショットですが、おふたりはどちらに共感されましたか?

坂本:自分が演じているので、なんとなくキスショットの気持ちに寄り添える感じがしました。客観的に見たらどうなのかは、ちょっと分からないですね、もう。

神谷:僕はキスショットの立場だったら暦のことは許せないですねぇ。

坂本:(笑)。女心はねぇ。

神谷:して欲しいことに対して正反対のことをされましたので、それは1クールの間喋らなくなるよねぇ……。

坂本:1クールで済んだんだから良かったと思う(笑)。

神谷:(笑)。それは一言も発さなくなるよなぁって。僕は暦の声を任されている立場なので、その立場を考えると暦の行動は理解はできるんです。ただ逆の立場だったら、本当に嫌だろうなって素直に思いますね。

——今回のアフレコで印象深い出来事があれば教えてください。

坂本:出演者が少ない作品なので、暦とのシーンは本当にふたりっきりで録りました。いい意味で濃密、それでいつも思うんですけど、何回も演じられないようなシーンが必ずあるんです。そこは本当に1回で、やり直しだったり途中から切り返したくない気持ちがあるので、緊張感を感じます。それが心地よく感じる二人三脚感が出ていました。

神谷:人間同士の戦いなら想像できるんですが、今回は吸血鬼同士の戦いなので「我々声優という人間が、どういう風に吸血鬼に声をあてていきましょうか?」って相談しに行ったら、そのシーンを録るにあたって尾石監督が1カットずつ説明してくれたました。でも「このカットはこういうカットになっていて〜」みたいな説明はあったんですが、どういうアプローチをしたらいいかまでは教えてくれなかったんです。

坂本:(笑)。

神谷:「なんなんだろうこの時間」とは思ったんですが、想いはすごく伝わってきたので、それに応えなきゃという気持ちにはなりました。

——今回の忍野メメの活躍について教えてください。

坂本:どうなんですかね、でもアイツが全部悪い。

一同:(笑)。

坂本:そういう話だと思いますし、あの風貌と声のせいか言葉にすごい説得力があるように聞こえるんですよね。こういう人いるなぁみたいな。本当は適当なことを言っているんじゃないかと。でも、どこまで計算なのか本当に読めないし、なんかズルいですよね。いつもの通り、そのズルさが格好いいんだか悪いんだかもよく分からないし、色っぽいんだか汚いんだかもよく分からないし、なんかズルいキャラです。

神谷:〈Ⅲ 冷血篇〉では相当珍しい登場の仕方をするんですよね。大体「こんなところで会うなんて奇遇だね」みたいな、飄々としていると思います。でも今回に関しては異なる言い回しで登場したりするので、よっぽどおかしい事態になっていることの表れだと思います。そこに至って、最終的にメメを頼らざるを得ないことに、もう「暦情けないなぁ」とは思いました。ただ、そういう風に追い詰められて最終的に何とかしちゃう忍野は、〈物語〉シリーズにおいて欠かせない存在だと思い知りました。

——羽川さんについて、今回の〈Ⅲ冷血篇〉で神谷さん的に可愛いと思ったシーンを教えてください。

神谷:羽川さんはずっと可愛いですよ!

坂本:(笑)。

神谷:羽川さんはずっと可愛いですねぇ。ただ今回の話は……。——やはり今回はキスショットがメインと。

神谷:そうなんです、残念ながら。

坂本:残念ながら!?

神谷:羽川さんの話を今されていたから、その質問には反するんですけど……という意味での「残念ながら」なんだけど、そんな冷たくする?(笑)。

坂本:だって『傷物語』のヒロインはキスショットなんだよ(笑)。既に過去2作で出張ってるから! 可愛いところを持って行き過ぎてるから! あと「キスショットの可愛いところは?」という質問は受けたことがないですね! キスショットに可愛いところは誰も求めてない(笑)。たまにはあると思うんです。

神谷:ありますよ。最終的には全部キスショットが持って行ってしまいます。羽川さんはとにかく、いつ見ても可愛いです。

坂本:(笑)。

神谷:だけど、この物語のヒロインはキスショットであり、一番最後に集約されるポイントはキスショットになります。

——最後に、これから映画をご覧になるみなさんへメッセージをお願いします。

坂本:劇場で見るために作られた、生まれたシリーズなので、ぜひ劇場でご覧になってください。

神谷:僕も同じですね、ぜひ劇場に足を運んで見ていただきたい作品です。劇場というのは、その作品を楽しむためだけに作られた贅沢な空間ですし、その贅沢な空間での鑑賞に耐えうる作品だと思っています。僕もこれを見て「声優をやっていて良かったと思いたいなぁ」と考えながら作った作品なので、それを確認するために必ず劇場に足を運ぼうと思っています。>>http://www.kizumonogatari-movie.com/ (「傷物語」公式サイト)
>>https://twitter.com/nisioisin_anime (>西尾維新アニメプロジェクト公式ツイッター(@nisioisin_anime))

アニメイトタイムズ

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