加藤浩次、監督挑戦で作り手の気持ちを理解「これからはすべての映画を全肯定」 髪型イメチェンや今後の抱負も語る

2025年1月15日(水)7時30分 マイナビニュース


●映画深掘り番組でMC「愛を持って」
大の映画好きで、2025年5月公開予定の短編オムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season7』で初監督を務めるお笑いコンビ・極楽とんぼ加藤浩次。1月19日からはBS10で映画についてトークを展開する新番組『加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ』(毎週日曜18:00〜)がスタートする。加藤にインタビューし、映画を好きになったきっかけや同番組への意気込み、監督に挑戦したことで起きた変化、今後の抱負など話を聞いた。
同番組は、加藤浩次が毎週1本の映画を紹介し、『スッキリ』(日本テレビ)で共演していた映画解説者のよしひろまさみちとともに、作品公開時の時代背景や登場人物、物語などを深掘りしていく番組。第1回は、大人気のカー・アクション・シリーズから2015年公開の『ワイルド・スピード SKY MISSION』を取り上げる。
——『加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ』のオファーを受けた時の心境をお聞かせください。
相手がよしひろさんだったので、よしひろさんだったらしゃべりたいなと。そこがすごく大きなところでした。
——映画を好きになったきっかけを教えてください。
一番最初に映画館に行ったのが小学校低学年ぐらいで、親と一緒にブルース・リーの『死亡遊戯』を見に行きました。その時に、同時上映で見た『Mr.Boo!』が子供心にめっちゃ面白いと思い、そこからちょいちょい映画館に行くようになりました。
——資料に「映画を1日1本見る」と記載があったのですが、本当ですか!?
「1日1本見るように努力しています」というのが、「1日1本絶対見る人」みたいになっていて。1日1本は見ていません(笑)。でも、見たいものは見るようにしていて、映画館にも行きますし、サブスクでも見ています。
——加藤さんが感じている映画の魅力をお聞かせください。
役者もそうですし、制作スタッフ、宣伝の人など、いろんな人が関わって2時間ぐらいの作品になっているというのがすごく好きです。僕はテレビでずっとやってきていて、テレビは日々流れ、無料で見られるもので、そこに作品性を求める人もいますが、映画の方がより作品になっているから好きなんだと思います。
——映画館で見に行くという楽しさも?
映画館も好きですね。どういう人たちが見に来ているのかというのも見ていて、最近、高齢の方が多いなと思っていたんです。でも、『スッキリ』も終わって、朝10時頃に映画館に行っているから高齢の方が多いということに後から気づきました(笑)
○監督に初挑戦「スタッフさんの気持ちがわかってよかった」
——『MIRRORLIAR FILMS Season7』で監督に初挑戦されていますが、いかがですか?
めっちゃ楽しかったけど、めっちゃ難しいなと思いました。自分が思い描いているものを形にする難しさを感じましたし、現場はすごく楽しいけど、その後の作業がこんなに膨大なんだと。
——作品を作り上げる大変さを実感されたんですね。
そうです。以前はバラエティ番組などで、スタッフの方が考えてきた企画などに対して、もっとこうした方がいいんじゃないかと思った時は言っていましたが、短編を撮ってから一切言わなくなりました。物理的な問題もあってこうしなきゃいけないということもあるとわかったので、それからはスタッフの言いなりに。「わかりました」しか言ってないです(笑)
——加藤さんの変化に皆さんびっくりされているのでは?
どうなんでしょう。でも、スタッフさんの気持ちがわかってよかったです。そういう意味で監督をやらせてもらってよかったなと思っています。
——今後、映画とどう関わっていきたいと考えていますか?
いち映画ファンとしてという部分が大きいですね。それで、自分にできることがあったり、面白い企画を思いついたり、何か出会いがあったりしたら、携わっていきたいなと思います。
——『加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ』が始まり、映画の魅力を発信していく立場になりますが、意気込みをお願いします。
映画を作る側の気持ちがわかり、いろんな事情があってこうなっているということもだいぶ理解できたので、「面白くないね」みたいなことは一切言うつもりないです。これからはすべての映画を全肯定します(笑)。愛を持って。
——映画人にとってとても心強い存在に(笑)
作品を撮るって本当に大変なんだということがわかったので。好きじゃないとできないですし、手を抜いている人なんていないので。
●出演映画&ドラマは見ない「恥ずかしくて」
——2024年は映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』などに出演されましたが、俳優業のやりがいはどのように感じていますか?
本物の俳優さんたちを邪魔しないように、自分のやるべきことをこなすことでいっぱいいっぱいです。でも本広(克行)組を見られたのはすごくうれしかったです。本広さんすごく優しくて、いろんな役者さんがアイデアを出し、(室井慎次役の)柳葉(敏郎)さんも率先して出していて、監督が絶対という現場ではないんだなとびっくりしました。こういう風通しのいい現場はいい作品が撮れるんだなと思います。
——大好きな映画に自分が出ているというのは、喜びも大きいのでは?
でも、自分が出ている映画を劇場で見たことないんです。恥ずかしいじゃないですか。
——出演しているドラマは見ますか?
見ないです。
——以前取材させていただいた時に、バラエティは見るとおっしゃっていましたが、映画やドラマは見ないんですね。
バラエティは全然大丈夫なんですけど、演じているのは恥ずかしくて。知り合いに見られるのも恥ずかしいです。
○髪型イメチェンは大不評「僕も変だと思っています(笑)」
——作り手の気持ちがわかってご自身の中で変化があったとおっしゃっていましたが、この1年で髪型もだいぶ変化されましたよね。
2024年ずっと伸ばしていたんです。髪を上げてごまかしていて、年末に下ろしたら大不評でした(笑)
——ドライヤーをかけるようになったり、楽しまれているそうですね。
そうそう。たまに耳に髪をかけてみたり。でも、誤解のないように言っておきますが、僕も変だと思っています(笑)。みんながみんな自分の髪をいいと思っていると思わないでほしいんです。自分の髪が変だと思っている人もいるんですよ!
——変だと思っているけど、もっと伸ばした自分を見てみたいから伸ばしているのでしょうか。
変だということも受け入れるというか、「変な髪!」と思って生きている人でいたいんです。変だなと自分で思っている人になりたい(笑)。もっと伸ばす予定ですが、「似合っている」という声が出てきたら切ると思います。変な髪でいたいので(笑)
——髪型が変わったからか、年齢を重ねられてきたからか、より優しい印象を受けます。
前髪を上げていると無意識に戦闘態勢に入ってファイティングポーズを取っていたのかもしれません(笑)。今はファイティングポーズも取らなくなりました。誰とも戦う気なんか一切ないです。
——今後の抱負もお聞かせください。
今思っているのは、若さが善とか美とされているものを覆したい! じじいとばばあが美なんだよということを世の中に知らしめていきたいです。老けていく、経年変化が美しいということを声を大にして言っていきたいと思います。
——日本は、年を取ることに対してネガティブな印象がありますよね。
そうなんです。それを変えていきたいと思います。
■加藤浩次
1969年4月26日生まれ、北海道出身。1989年に山本圭壱とお笑いコンビ・極楽とんぼを結成し、フジテレビ系『とぶくすり』『めちゃ×2モテたいッ!』『めちゃ×2イケてるッ!』などで活躍。2006年4月から2023年3月まで『スッキリ』(日本テレビ)でMCを務めるなど、司会者としても活躍。俳優として『オヤジぃ。』(TBS)、『人にやさしく』(フジテレビ)、『ブラックジャックによろしく』(TBS)、『ブラックペアン』(TBS)などにも出演し、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズではロケットの日本語吹き替えを9年間にわたって務めた。

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