いろいろワケありなワイドショーのドラマ番宣裏事情

1月15日(日)7時0分 NEWSポストセブン

情報番組にはドラマ番宣がつきものだが…(公式HPより)

写真を拡大

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ドラマ番宣の裏事情を公開。


 * * *

 いよいよ1月15日からスタートする主演ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)のPRに大忙しの木村拓哉。枠が日曜劇場ということでスタート前週の週末は、『白熱ライブ ビビット』や系列の毎日放送制作『サタデープラス』、女性視聴者が多い『王様のブランチ』といった生ワイドにも出演していた。


 木村がここまで精力的に番宣するというのも記憶にないうえ、『〜ビビット』ではTOKIOの国分太一やNEWSの加藤シゲアキと。『サタデー〜』では関ジャニ∞の丸山隆平と…、これまでほとんど絡みのなかった事務所の後輩と会話する様子は特に視聴者に注目された。


『ぴったんこカンカン』ではグルメロケや買い物ロケにたっぷり付き合い、『関口宏の東京フレンドパーク2017新春ドラマ大集合SP!!』 では、身体を張ってゲームに参加。木村チームが優勝し、豪華賞品をかけたダーツでも、希望商品を次々ゲットしていった。


 言うまでもなく、木村には“数字”があり、ゲストに来てもらう側の番組も当然ウェルカム。木村独特のサービス精神の表れとして、招かれた番組のタイトルやフレーズなどを必ず会話の中に挟み込み、「家で、よく見ている」というアピールをすることで、番組MCはいきなりハートを掴まれる。


『〜ビビット』では、ロケ現場に同番組のカメラが来た際、MCの真矢ミキが必ず言うエンディングの台詞を口にして真矢を喜ばせ、『〜ブランチ』では、「やっとブランチに来られた」と言い、谷原章介のトークをさらに滑らかにすることに一役買った。


 実は、ワイドショーの視聴率の毎分グラフは、ドラマの番宣タイムで必ずしも上昇するとは限らないのである。いや、たいていにおいて下がると言っても過言ではない。


 特に、ドラマ開始当日の電波ジャックには、迎える側の番組も頭を抱えてしまうことが多いのである。


 キャストは早朝番組から出ずっぱりで、その間、楽屋でコメント撮りをしたり、テレビ誌の取材を受けたりしているので、昼帯や午後の番組になると、明らかに疲れが出てくる。


 とはいえ、「なんとか他番組と差別化したい」と考えるスタッフは、事前にアンケートを出し、その答えを元に構成していくのだ。



 仕事柄、その質問を考えたり、まとめたりするというのを何十回もしてきたが、ドラマ班からは「これはやれない」「この質問はNG」などといったリターンがあり、結局、当たり障りのない質問や企画に終始した記憶だらけだ。


 ちなみに、今回『王様のブランチ』に出てきた木村拓哉、竹内結子、松山ケンイチ、木村文乃へのアンケートは、ドラマのサブタイトルに因んだ「共演者の言動で“愛しい”と思うことは?」だった。恐らく、テレビ誌や、他の番宣スポット含め、もっとも多い質問だったのではないか。


 こうした事前アンケートに時間をかけて考えるヒナ壇タレントや芸人ならまだしも、俳優や女優の場合は別に笑いをとらなくても許されるため、今回、木村ら4人の答えはすべて流れていき、唯一、松山ケンイチだけが小さな笑いをとって、彼らはスタジオを後にした。


 ドラマスタッフとて、「工夫を凝らした答えを書いてください」「笑いをとってください」などと言うハズもなし。というワケで、あとは、他のキャストから聞いた主演俳優のエピソードだとか、撮影秘話を聞いて、さして盛り上がらぬまま、おしまいとなるのだ。


 生ワイド番組スタッフとしては、「あの労力ななんだったのか」と軽く疲れるのも事実。ドラマ班のスタッフや関係者が大勢スタジオに押し掛けたり、「キムタク見たさで」全く関係ない番組のスタッフがこっそり見学に現れたりするため、慣れていない情報制作のADくんたちはもちろん、キャリアのあるフロアディレクターらも、若干慌ててしまうのだ。


「失礼がないように」とドラマ班のトップや上司たちからやんわり注意されるので、前室に用意するお茶やコーヒー、お菓子までグレードアップして出迎えるのに、先方にそうそう腰の低い人たちも居らず…。「ただただ大変だった」「やらなきゃいけないのだろうけれど、できればやりたくない」と感想を漏らす生番組のスタッフや番組MCは多いのである。


 繰り返しになるが、それで視聴率の毎分グラフが上がるのであればいいのだが、私の知る限り、それが期待できるのは、木村拓哉、小泉今日子、米倉涼子クラスのキャストが来たときのみ。


 出迎える側の“ありがたみ”ということでも、こうした大物や超人気俳優がやってきたときのみということになる。


 大物というのは、番宣であっても決して手を抜かないのだ。件の米倉涼子は、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』番宣の際、必ず、おなじみの白衣の前を開け、超ミニスカートとハイヒールの“衣装”でやってくる。



 それだけでスタジオの男性スタッフや、おじさまコメンテーターらは大喜びなのだが、彼女はそうした男性陣、一人一人と目を合わせ、笑顔で挨拶をする。


 これが、腰が低いとかペコペコしているというのではなく、『ドクターX〜』の一場面を見ているかのように、フランクな挨拶。恐らく、挨拶された側は、後者のほうがグッとくることだろう。


 彼女はスタッフにも恵まれていて、生番組出演の撮影に、「『黒革の手帖』から撮ってくれている」というカメラマンが、わざわざやってくる。それをまた、さりげなくオンエアで紹介する米倉。


 さらに、米倉同様、「失敗しない女」として同局では有名な内山聖子ゼネラルプロデューサーの番宣時の“さばき”も絶妙だ。


 ここまでのヒットメーカーとなると、局内でふんぞり返っているような人も少なくないのだが、内山氏は目配りや気配りがしっかりできており、ワイド番組スタッフに対しても、同行しているテレビ誌やスポーツ紙の記者らにも、「本当にカンジがいい」と大評判なのである。


 もう一人浮かぶ裏方というと、同ドラマの1期と2期に名を連ねていた西河喜美子プロデューサーが居る。


 宣伝部に在籍していたこともあるからだろうか。西河氏は常に「番宣させていただいている」という態度を崩さない。あの石原プロモーションの俳優やスタッフからの人望も厚く、マメ。「炊き出しのお手伝いにも行く」と聞いたことがある。


 生番組のスタジオに、主演俳優より先に入り、大きな声で「よろしくお願いします」と言って頭を下げ、宣伝が終わってスタジオを後にする際にも、いちばん最後まで残っていて、顔見知りのスタッフや出演者、カメラマンら一人一人にまで頭を下げ、また大きな声で「ありがとうございました〜〜〜」と一礼する西河氏。


 当然のことながら、「ドラマスタッフが、みんな内山さんや西河さんみたいだったらいいのに」という声をよく聞く。


 段取りを任されるプロデューサーやアシスタントプロデューサーのキャリアがないと、主演俳優らに失礼がないようにということしか頭になくて、スタジオを嫌な空気にしたまま去っていくことが無きにしも非ず…。


 ドラマ班は、「番宣に必ずしも数字があるわけではない」ということを知っていたほうがいいかもしれない。



NEWSポストセブン

この記事が気に入ったらいいね!しよう

ドラマをもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ