ジャニーズ事務所ネット解禁 広告業界も大いに影響か

1月15日(月)16時0分 NEWSポストセブン

3人はお先にネット解禁(AbemaTVの番組告知より)

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 雑誌記事を電子版で読むと、人物の形に白抜きまたは黒塗りされた表紙の画像を何度も目にする。写真ネット掲載NGのジャニーズ事務所所属芸能人が起用されているからだ。ところが、2018年になって同事務所の公式サイトが写真を掲載し始めた。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ジャニーズ事務所がネット解禁に踏み切った背景を解説する。


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 1月1日よりジャニーズ事務所が、所属芸能人の写真を公式ファンサイトに掲載開始した。これまで肖像権を悪用されることを避けるべく、同事務所所属芸能人のネット掲載はNGで、メディア各社とも掲載はしなかった。雑誌の表紙をジャニーズ所属芸能人が飾った号をネットで紹介する場合は、灰色のシルエットか白くなるのが定番だった。


 そんな状況にあったが、昨年12月に発売された『ザ・テレビジョン』のお正月特大号が異様だとネットで話題になった。嵐の5人を大きく据え、他のジャニーズの人気者が勢揃いする表紙だったが、アマゾンの販売ページでは彼らの部分はすべて白く塗られた。そして、その上ではピースサインをするジャニーズ脱退組の稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾がいる。この対比が「自由な元ジャニーズ」VS「制約のある現ジャニーズ」的文脈で取り沙汰された。


 ネットがマイナーメディアであった頃は雑誌・新聞が上位にあり、ネット露出には利がなかっただろう。だが、今や出版・新聞業界はネットにも力を入れねば会社の存続にも影響すると考えている。芸能人にしても、ネットでの発言とブログ執筆がカネに繋がる時代になっただけに、活動の幅を広げたい気持ちを各人が持っている。


 さらに、元SMAPの3人がSNSと公式ファンサイトを含め、自由にネットで情報発信を開始。昨年11月にネットテレビ局のAbemaTVに元SMAPの3人が『72時間ホンネテレビ』に出演し、元メンバーの森且行との再会を果たすなどした。いずれはテレビにも本格復帰するかもしれないが、ネットでの支持をその前段階として作っておくことは有益なことである。


『72時間…』の時、関連キーワードがツイッターのトレンド世界一になったり、放送に関連した記事が大量にネット上に流れたことから考えても、「ネットで情報発信」→「ネットで記事化」→「ネットでその件が話題となり拡散」という流れを3人はおおいに実感したことだろう。これを見ていたジャニーズの所属芸能人にしても「なぜ、オレはネットで活動できないんだ……」と忸怩たる思いを持った者もいることだろう。


 今回の件については広告業界も影響していると感じる。昨今の企業宣伝部が重視するのはネットだからである。テレビCMを作っても、その後どれだけネットで話題になるかが重要成功指標だし、ネット限定の長尺動画CMも存在する。それなのにジャニーズ芸能人を使うと無慈悲な「ネットNG」という通達が来る。


「そんなことを言うのなら、彼らを使う必要はない。高いカネを払って契約しているのに、今の時代に“ネットNG”って意味が分からない。我々はネットを重視しているのだから、協力的な人を使いたい。オレらカネ払ってるのよ」(広告代理店営業)


 こんなコメントもあるだけに、ネット重視の企画をする場合、ジャニーズは当初のキャスティング候補から外れることとなる。多額のカネを稼ぐ広告契約で「ネットNG」方針が足枷になっているのを自覚し、これからの“ネット全面解禁”への布石を打ったのであれば、それは正しい判断だ。


●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など


※週刊ポスト2018年1月26日号

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