センター入試31年の歩み 受験生の選択肢増えたメリット大

1月15日(水)16時0分 NEWSポストセブン

試験開始を待つ受験生たち(写真/共同通信社)

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 31年に及んだ大学入試センター試験の歴史が幕を閉じる。来度年から新しい「大学入学共通テスト」が始まり、最後となる1月18、19日のセンター試験は50万人以上が受験予定だ。受験生は、センター試験の結果を踏まえて、希望大学を受験することになる。


 そもそもセンター試験制度は、どんな経緯で始まったのか。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が解説する。


「センター試験の前身である共通一次試験(1979年〜)は、国公立大の受験者のみが対象でした。でも得点に応じて足切りが行なわれ、大学の序列化が進んでしまった。私立大が利用できないことへの批判もあったことから、1990年にセンター試験が生まれたのです」


 初年度にセンターを利用した私立大は16校にとどまったが、次第に増加。今年は533校の私立大が利用し、全体では過去最多の858校に膨らんだ。


「私立大が増えた理由のひとつは、大学独自で質の高い問題を作成し、公平に採点するのが困難だから。センター試験の利用によって、大学側の負担が軽減され、受験料収入を効率的に得ることができる。大学進学率が年々上がっていることも影響して、少子化は進んでいる一方で、受験者数は減っていません」


 小論文やグループディスカッションを併用する大学や、センターの結果だけで合否を判定する大学などが増え、入試制度の多様化にも貢献した。受験生にとって入試の選択肢が増えたメリットは何より大きいといえる。


 試験問題の質が高く、運営上のトラブルも少ないと言われたセンター試験だが、安倍内閣が打ち出した教育改革の一環で、来年度から新テストに生まれ変わる。だが改革の目玉だった国語・数学の記述式試験、英語の民間試験は、専門家らの批判を受けてどちらも延期が決定。「入試改革を考える会」代表で中京大学教授の大内裕和氏が言う。


「そもそも全国50万人が受ける大規模な試験。マークシート式のセンター試験と違って、記述式問題の公平な採点はかなり困難です。改革の2本柱が延期となった今、新テストの実施そのものを白紙撤回し、一から入試改革の在り方を議論して、実現可能性を検証すべきです」


 本質的に大学入試が変わるのはまだ先になりそうだ。


※週刊ポスト2020年1月17・24日号

NEWSポストセブン

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