最も遅い!?『第73回 NHK紅白歌合戦』で印象に残った楽曲5選

2023年1月16日(月)18時0分 OKMusic

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年が明けて、はや半月になりますが。昨年末の『紅白歌合戦』もしっかり楽しませていただいたので、最も遅いであろう紅白歌合戦の振り返りです(笑)。まず、一番良かったのが、2年振りのNHKホール、3年振りの有観客開催という“いつもの紅白歌合戦”が観れたこと。満員の観客や客席の通路に降りてのパフォーマンスを見て、“ようやくここまで戻ってきたんだ”と嬉しくなったし。あまりに状況の変わらない音楽現場にやきもきしていた2022年だったので、2023年はライヴやコンサートに再び人が集まり、きっと良くなるだろうと期待が持てた! 若者のテレビ離れだとか、紅白が低迷してるだとか、いろいろ言う人もおりますが。大晦日は当たり前のようにテレビに紅白が流れて、しんどくも楽しかった一年を振り返って翌年への期待を抱く。そんな当たり前のありがたさを感じさせてくれるのも、紅白歌合戦の素晴らしさです!

「ジャンケンポンGO!!」('22)/ 郷ひろみ

今年の司会は大泉洋橋本環奈、そして櫻井翔桑子真帆アナ。東京スカパラダイスオーケストラ(意外にも紅白初出演!)の「愛の讃歌」がめちゃくちゃカッコ良かったオープニングから始まり、緑黄色社会「Mela!」、Saucy Dog「シンデレラボーイ」といった、初登場のロックバンドのパフォーマンスに注目した19時台だったが。圧巻だったのが、郷ひろみの「GO!GO!50周年!! スペシャルメドレー」。50年前、1972年にリリースされたデビュー曲「男の子女の子」で始まり、樹木希林とのデュエット曲「林檎殺人事件」を橋本環奈とデュエットして。「GOLDFINGER'99」のアチチなパフォーマンスで魅せて、最新曲「ジャンケンポンGo!!」で締め括るメドレーは、本当に50周年!?と思わせるエネルギーに満ち満ちていたし、いくつになってもキラキラしている郷が、観る者の心をときめかせる“アイドル”であり続けることが本当に凄いと思った。あと、橋本環奈の「林檎殺人事件」や「きつねダンス」での可愛さは異常だったし、堂々とした司会ぶりもカッコ良くて。紅白で彼女にすっかり心奪われてしまったのは、俺だけじゃないはず。

「お祭りマンボ」('52)/美空ひばり

milet「Fly High」、鈴木雅之「違う、そうじゃない」、三浦大知「燦燦」、Aimer「残響散歌」といった圧倒的な歌唱力で聴かせるアーティストが続いたり、BE:FIRST「Shining One」、IVE「ELEVEN -Japanese ver.-」と新進気鋭のグループの勢いあるステージが続いたり。ロック界のアベンジャーズ、THE LAST ROCKSTARSのオーラにすっかりヤラれてしまったりと、感心しながら観てた20時台。日本人の血がざわざわと騒ぎ、大興奮したのが、前半戦のトリとなる、坂本冬美の「お祭りマンボ〜スカパラSP〜」だった。阿波おどりや博多どんたく、YOSAKOIソーランと日本中のお祭りが一同に介した賑やかなステージに、坂本冬美の美しい歌声とスカパラのいなせな演奏。紅白ならではの華やさに、「日本人で良かった!」と大興奮&大感動! 祭り囃子を世界に響かせて、不況も戦争も流行り病もぶっ飛ばせ!!

「白い雲のように」('22)/ 純烈♨ダチョウ

ウタの「新時代」に“今年は『ワンピース』に夢中になったな”と思い出し、King Gnuの 「Stardom」に“東京ドームライヴ、最高だったな”と思い出し、「ディズニースペシャルメドレー」に興奮する娘に“すっかり大きくなったなぁ”と目を細めてと、一年を振り返りながら楽しんでいた21時台。応援ゲストにダチョウ倶楽部、有吉弘行が出演した、純烈の「プロポーズ〜白い雲のように」を見て、上島竜兵の急死に衝撃を受けたこと、『氣志團万博』の純烈♨ダチョウの「白い雲のように」に涙したことを思い出した。俺もひどく落ち込んだ時期もあったけど、コロナ禍で心や体調を崩した人はたくさんいるはず。コロナ前の状況に戻るにはまだ時間がかかりそうだけど、ここまで踏ん張ってこれたんだから。しんどい時は好きな音楽に心救われながら、もうちょっと頑張ろうと思えた。紅白でしか見ることができなかったであろう、milet×Aimer×幾田りらにVaundyも加わった「おもかげ」は、テレビ離れしてるという若い子たちも観ていたでしょうか?

「Call me back」('22)/ 松任谷由実 with 荒井由実

Official髭男dism「Subtitle」、あいみょん「ハート〜君はロックを聴かない」、藤井風「死ぬのがいいわ」と、ここからの日本の音楽シーンを担っていく、とんでもない才能を持つアーティストたちが続いて。有終の美を飾った加山雄三「海 その愛」、小室哲哉によるピアノの伴奏で28年振りのパフォーマンスを魅せた篠原涼子「恋しさと せつなさと 心強さと2023」、名曲「夏色」に加えて関ジャニ∞とのコラボも魅せたゆずと、これまでの日本の音楽シーンを支えてきたアーティストが続いて。“視聴率の低迷とか言ってるけど、やっぱり紅白って全世代が楽しめる最強の音楽コンテンツだな!”と思っていると、松任谷由実とAI荒井由実による「Call me back」に仰天。日本の音楽シーンのこれまでとこれからを見せるだけでなく、過去と現在をつないでしまうのだから無敵。オレたちは今、あの頃描いた未来にいるのだなと思ってしまった。デビュー50周年のユーミンが歌う「卒業写真」の美しさと説得力に、“来年は必ずユーミンのライヴに行こう”と心に誓った。

「天城越え」('86)/石川さゆり

37年振りの出演となった安全地帯が、12月に逝去したメンバーの田中裕二(Dr)の想いも背負って魅せた「I Love Youからはじめよう」で始まった23時台は、いよいよ大トリへと向かうクライマックス。どこまでもロックで元気な同級生たちによるスペシャルユニット、桑田佳祐 feat.佐野元春、世良公則、Char、野口五郎が「時代遅れのRock'n'Roll」を鳴らすと、紅組のトリを務めたMISIAが「希望のうた」を鳴らし、白組のトリを務めた福山雅治が名曲「桜坂」を披露。本当に見どころ満載で素晴らしかった、今回の紅白だったが。強烈に印象に残ったのは、オーケストラと和楽器による贅沢極まりない演奏に乗せて、圧巻の歌声を聴かせてくれた石川さゆりの「天城越え」。デビュー50周年、45回目の紅白出演となり、ここ数年は「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌っているという石川。「『この歌を聴いて1年を終わりたい』という方もたくさんいらっしゃいます」という事前コメントは大御所歌手としての自信とプライドに満ちていて、めちゃくちゃカッコ良いし。本当はものすごく貴重なものだった“当たり前”を感じさせてくれる、“いつもの紅白歌合戦”には、やっぱり石川さゆりにいて欲しいと思った。

TEXT/フジジュン 

フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者など、なんでも屋として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野。現在は音楽サイトや、雑誌『昭和50年男』等で執筆。

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