【アニメレビュー】楽しく切なくオリジナルも追加!『亜人ちゃんは語りたい』第2話「デュラハンちゃんは甘えたい」

1月16日(月)18時0分 おたぽる

TVアニメ『亜人ちゃんは語りたい』公式サイトより

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 放送第1回から好評を得た『亜人ちゃんは語りたい』。第2話は原作第4、5話を元にした、デュラハンである町京子がメインの物語が展開する。

 アニメにおいて第2回は「作画の質が落ちる」第一関門だが、本作はその点も無事クリア! 前回と変わらず背景(モデルは湘南、鎌倉あたりか?)は淡く美しく、キャラクターも動く動く(主にヴァンパイアのひかり)! そして後半は原作では途中で割愛された「京子と鉄男のデート」を膨らませ、独自の展開を見せるのだ。

 生物準備室。鉄男は前回ラストで「話をしに行っていいか」と手紙で依頼してきたデュラハン・町京子と2人で会話中。首と胴体が分離し、首の断面からは青白い炎が”“ほわわーん”(としか表現しようのないSE)と常に噴き出している京子の異様な姿に困惑しつつ、鉄男は彼女の日々の暮らしについて訊ね、「クラスメイトと冗談を言い合える仲になりたい」と悩む京子に「自分から言えばいい」と助言する鉄男。

 このくだりはギャグも多く(胴と首が「東京〜岡山」まで離れたことがあるetc)、京子も表情豊かでコミカルではあるのだが、どこかヒリヒリした緊張感が漂う。それは京子の生活ぶり(「失敗しながら家族と試行錯誤ですね!」)や、「クラスメイトに自分の身体や性質の話題を避けられている」という現状が、身体障害者を想起させるからだろう。実際、放送時はこの点に思いを馳せた視聴者も少なからずいたようだ。あくまで亜人少女たちの日常コメディである本作だが、こうしたデリケートな問題を織り込んでいる点は無視できない。

 恥ずかしがりながら頭部を差し出し、「(頭を)抱きしめてもらっていいですか?」と頼む京子。快諾し抱きしめる鉄男。寂しがりな本心を吐露する彼女に、鉄男は「デュラハンちゃんは甘えたいのだ」と納得し、ここでめでたくタイトル回収。

「(頭部だけとはいえ)生徒を抱く」という己の状況にビビり出す鉄男。不安は見事に的中し、一連のやり取りはヴァンパイアのひかりにバッチリ目撃されていたのだった。凶暴な笑みを浮かべ、周囲に吹聴しようと走り出すひかり、止める鉄男。それを見た京子は、早速「先生もデュラハンの仲間入りですね、クビが飛ぶんじゃないですか?」と冗談を言うのだが、さすがに鉄男は笑えないのだった……。
 
 後半。ひかりと京子が屋上で雑談に興じている。ひかりの誘導もあり、話題は京子の「理想のデート」へと移行。あの手この手で恋の話題に持って行くひかりの狡猾ぶりが最高だ。特に「デュラハンはHなことをするとき! すごい特殊なプレイができる!」というエロ妄想逞しい発言がヤバすぎる(言ってる当人もよく分かっていない)!
 京子から理想のデートを聞き出したひかりは鉄男に連絡。かくして京子と鉄男は日曜日にデート(の予行演習という名分)することに。ここから物語は徐々に原作を逸脱し始める。
 
 デートに備えて必死で勝負服を選んだ京子。だが「デートに行くのは首だけで、胴体はひかりとお留守番」と知らされガチ凹みする。このくだりは原作にはない(制服のまま話が進む)のだが、実にナイスな改変だ。というのも本作、「4月なのに何故かブレザーを着用していない」「シャツもスカートも地味」など、制服周りが極めて不可解かつ残念なのだ。そこを改良しつつ、同時に京子の健気さが分かるエピソードにしているのがお見事。鉄男の私服が原作に輪をかけてダサいのはこの際無視しよう。
 
 鉄男に抱えられて町を歩く京子(の頭部)。一方、胴体は大人しくひかり宅で待機。ここで案の定イタズラ心を発揮したひかりは、京子の両乳首(ちなみに京子は結構な巨乳)を指で突く! 「うわー!」と絶叫する京子(の頭部)! 当然何が何だか分からず慌てる鉄男! 「思い出し笑い」と無理にごまかす京子! ひかりの邪悪な表情、京子の反応、ともにコミカルかつ躍動感があって楽しく、今回のハイライトとなっている。ちなみに怒った京子(の胴体)は炎を物凄い勢いで吹き出す、というデュラハンの性質も新たに判明します。

 さてここからは原作にない独自展開だ。町歩きに興じる鉄男と京子。絵的には「男性が少女の生首を抱えている」わけで、通報されてもおかしくない状況だが、人々は特に気にする様子ゼロ。デュラハンは世界に3人しかいない設定なのに……と突っ込みながら見ていると、京子は人酔いで気分が悪くなり、2人は喫茶店で一息。ここで京子がトイレに行きたくなってしまい、さあ大変! 震え出す京子(の胴体)、慌てるひかり。京子はどうにか筆談で「トイレ」と伝えてトラブル回避……かと思いきや、京子もひかりも立て続けに机のカドで足をぶつけて悶絶。これが本作のクライマックスである。さすが日常アニメ! 普通! 
 
 夕焼けに光る海を眺めながら語らう京子と鉄男。デートができてうれしい京子、亜人デュラハンの、そして生徒のことが少し分かって嬉しい鉄男。分かりやすく何かが起こったわけではないがグッと来る良シーンだ。
 デートが終わり帰宅する京子。同じく帰ろうとする鉄男を呼び止め、ひかりはある提案をする——。

 翌日、鉄男は校長先生に「町京子にはリュックでの通学を許可してはどうか」と進言。もちろん「常に頭を抱えていなければならないから」だ。校長は理解を示し、以降、京子はリュックで登校するようになるのだった。 このリュック通学、原作では「いつの間に許可されてる」流れになっていたのだが、これまた見事にアレンジされている。全編イタズラばかりしていたひかりが「むしろ普通にイイ子」だと分かるフォローになっているし、同時に鉄男がイイ教師だとも分かる。いや素晴らしい。アニメスタッフのイイ仕事に感服である。

 早くも原作を大胆にアレンジしている第2話。次回は「周囲の人間を欲情させる」亜人サキュバスの女教師・早紀絵が主役らしい。さてどうなることやら…。
(文/JUP-ON STUDIO)

おたぽる

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