BIGLOBEトップBIGLOBEニュース

竹田圭吾氏の死 リツイートで供養させてもらった気になれた

NEWSポストセブン1月16日(土)16時0分
画像:竹田圭吾氏は自身の死を覚悟していたはず
写真を拡大
竹田圭吾氏は自身の死を覚悟していたはず

 たとえSNSでのつながりしかない人でも、大きな喪失感を抱えるときがある。コラムニスト・オバタカズユキ氏の実感である。


 * * *

 たとえば、新聞社のサイトでおくやみ記事を拾ってみる。報道日ごとに遡っていくと、こんな並びになる(朝日新聞デジタルより)。


〈1月14日〉

・駒沢大名誉教授の田中良昭さん死去(12日死去)

・落語家の桂春団治さん死去 上方落語の「四天王」(9日死去)

・広瀬方人さん死去 「長崎の証言の会」代表委員(13日死去)


〈1月13日〉

・元ダイヤモンドリース社長の藤田勝久さん死去(昨年12月25日死去)

・作曲家のはやし・こばさん死去 「千と千尋」の河の神役(11日死去)


〈1月12日〉

・元防衛事務次官の吉野実さん死去(9日死去)

・元日産車体会長の上村聡さん死去(7日死去)

・元日本ビジネスコンピューター会長の谷口数造さん死去(4日死亡)

・ダイニック常務の君塚明さん死去(10日死去)

・ぴあ矢内広社長の母・キクさん死去(9日死去)

・中原恒雄さん死去 元住友電気工業副会長(8日死去)


 この3日間だけでも訃報が11件あった。定期購読紙の社会面の下のほうをしばしば見ているから、毎日のように著名な誰かが亡くなっていることは今さら驚くまでもないのだけれど、こうしてネットでまとめて確かめると、イメージ以上にその人数が多いものだと思う。


 上記した訃報の場合、亡くなった翌日に報じられたケースもあれば、数週間経ってからのケースもある。11名のうち、90代で亡くなったのは3名、80代が7名と高齢の方がほとんどだが、ダイニック常務の君塚明氏は享年64。早すぎる死といえるだろう。


 ただ、個人的には、上記のうちショックを受けた訃報はない。大変身勝手な話ではあるが、そもそも存じ上げなかった方や、お名前だけ知っていた方が亡くなっても、深く感じるものはない。その方の訃報が全国紙に載るような著名人であっても、つながりがなければ匿名的な存在なのである。当然のことかもしれないが、世界は自分の知見の中にしかないのだな、などと思う。


 訃報をもう少し遡りたい。1月11日と10日には、4名の著名人のおくやみ記事が流れた。


〈1月11日〉

・英歌手デビッド・ボウイさんが死去 がん闘病の末に(10日死去)

・声楽家の中沢桂さん死去 オペラ「夕鶴」つう役(10日死去)


〈1月10日〉

・ジャーナリストの竹田圭吾さん死去 がん公表しTV出演(10日死去)

・元広島スカウト部長、村上孝雄さん死去 緒方監督ら発掘(8日死去)


 バン! バン! と2発銃弾を食らったかのような衝撃だった。熱心なファンではなかったが、デビッド・ボウイは中高校時代にグラムロックという甘美な表現の存在を教えてくれたシンガーであり、大学受験浪人時代に上映された『戦場のメリークリスマス』の英陸軍少佐役では、坂本龍一とのホモセクシュアルなからみで、まだまだ理解で出来ない世界がいっぱいあることを示してくれた役者であった。思春期・青春期に影響を受けた人物の死には、自分の内臓の一部分を抜き取られたような喪失感がある。ショックだった。


 が、その先日にもっともっと衝撃的な喪失感を味わったばかりだったので、実は「えっ……」と絶句する以上のものにはならなかった。亡くなったその日にニュースとなった竹田圭吾氏の死のショックが尾を引いていたからだ。


 竹田氏の訃報は、ツイッターで知った。夜の7時頃、たまたま目にとまり、何の言葉も出なかった。タイムラインには、おくやみのツイートがどんどん流れてくる。自分も何か言いたいのだが、何か言ったら違う気がする。


「合掌」「お悔やみ申し上げます」「残念です」「まだまだ若すぎます」「闘病生活お疲れさまでした。安らかにお休みください」……みんなの言葉に違和感があるわけじゃないのだけれど、自分の気持ちではない。たぶん私は、俺と似たような仕事をしている同い年の51歳がくたばるんじゃねえよ!と、怒っていたのだろう。


 でも、重篤なすい臓がんを患っていたことは知っていたし、竹田氏とは一度会ってみたいと思いながら、面識のないままだった。客観的には、ただツイッターのアカウントをフォローさせてもらっているだけの関係だった。それで自分の感情をぶつけるのは、常に冷静で客観的で大勢に流されない言論人であろうと自身に課していたと思われる竹田氏の霊前ですることではない、と感じられたのである。


 だから、何も言わず(書かず)、ひたすら竹田氏のツイートを遡っていき、彼らしい、彼にしか言えないつぶやきだと思ったものをリツイートし続けた。それも私自身の気持ちをなだめる作業にすぎないのだが、こういうときに少しでも、こんな大したジャーナリストが同時代にいたんだよ!と、広めたかったのだ。3時間か4時間か、遡れなくなるまで竹田氏の過去のツイートを見まくり、20本だか30本だかリツイートした。それで、ほんの少しだけ供養をさせてもらったような気になれた。


 SNS歴は短いほうだが、これまでこうした「つながり」の喪失を幾度か体験している。直接面識はない相手なのに、自分の中でいつの間にか「知り合い」になっている人が増えていることを、こういうときに感じる。そして、その喪失感は、直接の知り合いを失った時と同等以上に大きなものであることもありえると、はっきり感じさせられる。


 14日の夜10時現在で、竹田圭吾氏のツイッターアカウントは、生前のときのまま見ることができる。竹田氏はご自身の死を覚悟していたはずだ。自分が亡き後、アカウントをどうすることにしていたのだろう。止まったままでいいから、ずっと残してほしい。この国際ニュースはどう考えたらいいか、自分が患った病気とどう向き合えばいいのだろう、となった時に、お参りさせてもらう永久保存版として。

NEWSポストセブン

はてなブックマークに保存

NEWSポストセブン

最新トピックス

芸能トピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

話題の投稿画像

ページ設定

関連ワード
注目ニュース
上戸彩、話題の新展開について裏側明かす「涙が止まらなくなって…」サプライズに混乱 モデルプレス9月22日(金)9時47分
【上戸彩/モデルプレス=9月22日】女優の上戸彩が22日、都内で行われた「iPhone8」「iPhone8Plus」「AppleWatch…[ 記事全文 ]
「僕たちがやりました」不道徳過ぎて視聴者あ然 まいじつ9月21日(木)17時30分
(C)Shutterstock窪田正孝や永野芽郁、新田真剣佑といった若手の人気キャストをそろえ、漫画作品をドラマ化した『僕たちがやりました…[ 記事全文 ]
ジャニーズ事務所すでに「容認」森田剛と宮沢りえの結婚 まいじつ9月22日(金)7時0分
画/彩賀ゆう(C)まいじつ『V6』の森田剛と女優の宮沢りえの“年末結婚”を一部女性週刊誌が報じた。[ 記事全文 ]
山田孝之の女装大反響「すね毛…」「胸毛…」 ナリナリドットコム9月22日(金)8時0分
俳優の山田孝之(33歳)が9月21日、自身のInstagramで女装姿を披露。大きな反響を呼んでいる。[ 記事全文 ]
マリオ新作、シリーズ初の「年齢指定」 理由は...「マリオの海パン」!?任天堂に聞く J-CASTニュース9月21日(木)7時0分
ニンテンドースイッチ用ゲーム「スーパーマリオオデッセイ」に、「CEROB」(12歳以上対象)指定がついた。[ 記事全文 ]
アクセスランキング
1 ジャニーズ事務所すでに「容認」森田剛と宮沢りえの結婚まいじつ9月22日(金)7時0分
2 「僕たちがやりました」不道徳過ぎて視聴者あ然まいじつ9月21日(木)17時30分
3 マリオ新作、シリーズ初の「年齢指定」 理由は...「マリオの海パン」!?任天堂に聞くJ-CASTニュース9月21日(木)7時0分
4 山田孝之の女装大反響「すね毛…」「胸毛…」ナリナリドットコム9月22日(金)8時0分
5 元SMAPの稲垣・草なぎ・香取、共同で“始動”ナリナリドットコム9月22日(金)5時42分
6 斉藤由貴が大河「西郷どん」辞退 不倫よりも「パンティー被り写真」が重大とのワケは...J-CASTニュース9月21日(木)18時24分
7 New 上戸彩、話題の新展開について裏側明かす「涙が止まらなくなって…」サプライズに混乱モデルプレス9月22日(金)9時47分
8 陣内智則「面白さのカケラもなくなってる」 ネットニュースが書けなかった本当の面白さとは...J-CASTニュース9月21日(木)20時5分
9 本田翼「演技力成長ゼロ」SPドラマで酷評まいじつ9月21日(木)10時35分
10 フジ「めちゃイケ」、超低迷でも局員が「打ち切りは絶対ない」と言い切る理由アサ芸プラス9月21日(木)5時59分

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア