12才で自作歌舞伎上演、市川染五郎、その成長の楽しみ方

1月16日(火)7時0分 NEWSポストセブン

新・市川染五郎は美少年と評判(十代目・松本幸四郎HPより)

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 その美少年ぶりで注目を集める歌舞伎界の新星が、新・市川染五郎だ。ネットメディアで『恋する歌舞伎』などの連載を持つ歌舞伎ライターの関亜弓さんがその魅力について解説する。


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 高麗屋三代同時襲名の目玉の1つとなったのが、弱冠12才で八代目を襲名した染五郎くんです。長いまつげにスッと通った鼻筋、憂いを秘めた表情が印象的な美少年。


 昨年8月、『スッキリ』(日本テレビ系)で、彼の特集が放送されると「一目惚れした」「少女漫画に出てきそう」「12才とは思えない色気。末恐ろしい…」と、普段歌舞伎に関心のない女性たちのハートまでもわしづかみにしました。


「プリンス」と称される染五郎くんは、お祖父さまとお父さまだけではなく、叔母さまは女優・松たか子さん(40才)という、日本を代表する芸能一家のサラブレッドに生まれ育った。そのためか普通の人が努力してもなかなか身につけることのできない「品格」と「オーラ」がすでに備わっています。


 松本金太郎時代から舞台で存在感があり、素顔も「かわいい」と評判だった染五郎くんへの周囲の期待値は高く、同世代の市川中車さん(香川照之)の愛息・團子くん(13才)とのコンビも注目されています。


 2013年に国立劇場での『春興鏡獅子』で共演してから、2人が舞台で一緒になる機会は多く、2016年から2年連続歌舞伎座で上演された『東海道中膝栗毛』では、ダブル主演の染五郎(現幸四郎)・猿之助に次ぐ準主役を2人で務めました。


 2人は同じ中学校に通い、プライベートでも仲良し。ただし團子くんが染五郎くんを本名の齋いつきから「いっくん」と呼ぶのに対して、染五郎くんはシャイなのか、「ねぇ」「あのさ」と声を掛けるそうです。


 亡くなった(中村)勘三郎さんと(坂東)三津五郎さんのように、日常からお互いのことを理解していると舞台上でも息が合うケースが多い。将来が楽しみなコンビです。



 また染五郎くんは中学生らしからぬ、独特の感性を持っています。歌舞伎が好きすぎるのか、自宅では自らミニチュアの劇場『犬丸座』を作って、ぬいぐるみを主人公に自作の歌舞伎を上演しているそうです。しかも、スモーク代わりにドライアイスを使って演出するなど、かなり本格的。昔から仏像にもハマっていて、舞台をやり遂げたご褒美に「不動明王」をリクエストしたと聞いています。


 今回、初めて染五郎くんに興味を持って、ぜひ舞台を見てみたいという人には、こんな楽しみ方をおすすめします。今の“美少年”ぶりを堪能するのはもちろんですが、これから変声期を迎え、体格も男らしくなってくる。ただ舞台を見るだけでなく、10年、20年と時間をかけて、役者の成長を見届けることも歌舞伎の醍醐味の1つだと思います。


 そしてお祖父さま、お父さまが得意とし、本人も「いちばんやってみたい」と公言している高麗屋のお家芸「弁慶」を、いつ、どのように演じるのかにも注目したい。


 大幹部たちの孫世代にあたる染五郎くん。この世代には團子くん以外にも、市川海老蔵さんの息子・勸玄くん、尾上菊之助さんの息子の和史くんなど、将来が楽しみな子ばかり。これから成長していく彼らがどんな舞台を見せてくれるのか。今からワクワクしています。


※女性セブン2018年1月18・25日号

NEWSポストセブン

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