女性天皇について賛成か反対か 柔軟派と先例派の意見

1月16日(木)7時0分 NEWSポストセブン

愛子さまの進路にも注目が集まる(時事通信フォト)

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 2020年の日本には国論を二分する論争があるが、その一つが女性天皇について「賛成」か「反対」か?──というものだ。本誌・週刊ポストの読者アンケート(※)では【賛成】77.0%、【反対】22.4%だった。ここでは見解の異なる2人の識者の意見を紹介しよう。


●高森明勅氏(神道学者・賛成派)


 現在、世論調査の結果を見ると、「女性天皇を認めるべき」という声が8割ほどになっています。皇族に若い男性が悠仁親王殿下しかおられないことも踏まえ、多くの国民が皇室の未来を案じ、そう考えているのだと思います。


 こうした調査結果を前に、“女性天皇反対派”は「皇室のことをアンケート調査で決めていいのか」といった批判の声をあげています。


 ただしこういう人たちは、上皇陛下のご成婚の時は「ミッチーブームなど軽薄で、皇室に対する敬意が失われる」と怒っていましたし、先の御代替わりに際しても、「譲位を認めれば二重権威が生まれて皇室がおかしくなる」などと反発していました。


 そういう“反対派”たちよりも、時代の変化とともにある皇室の姿を自然に支持してきた国民の声の方がよほど正しかったことは、すでに時代が証明しているのではないでしょうか。


 また“反対派”は「皇位は男性が継承していくのが基本」などと、しきりと「先例を守れ」と主張します。けれども側室制度が認められていない中で、皇室典範で男性しか天皇になれないと規定されている現状こそが、皇室にとって全く前例のないこと。その中で皇位の安定的な継承のため、柔軟な制度改正を考えることはあっていい。


 そして“反対派”の態度として非常に問題なのは、「女性皇族と旧皇族の婚姻を」などと、他人の人生をまるで将棋の駒のごとく扱う発言が多いことです。


 それよりも天皇・皇后両陛下のお気持ちをまっすぐ受け継いで育った方が皇位に就かれたほうが、国民の敬意をより集めるのではないでしょうか。


●八木秀次氏(麗澤大学教授・反対派)


 いま「女性天皇を認めるべきではないか」という世間の声が大きくなっていることは知っています。


 ただしテレビに映る街頭インタビューや、インターネットでの書き込みなどを見ると、そういう意見の支持者たちは「愛子さまが天皇になれないのはかわいそう」といった感情論ばかり語っています。


“識者”と呼ばれる女性天皇容認論者にしたところで、その主張はほとんどこうした感情論の延長線上にあるものでしょう。


 中には「愛子さまは天皇陛下のお子様として、そのお考えや思いを受け継いでいる」などといった、もっともらしい意見もありますが、天皇とは血統と伝統に基づく皇位継承のルールに従って即位する存在。「有能だから」選ばれるものではないのです。


 江戸時代以前の日本に、複数の女性天皇がおられたことは事実です。ただそれらの女性天皇は全員、独身か寡婦の女性でした。即位後に結婚した方はおらず、子供もいません。


 しかし現代で女性天皇の即位を認めたとして、その方に「一生結婚しないでください」と強制することが、果たして可能なのでしょうか。


 そうすると女性天皇の配偶者や、その子供をどう位置付けるかという問題が出てきます。歴史上、皇族外の出身である男性が皇族になった例はありません。いま女性天皇を認めると、そういう複雑な問題が発生してしまうのです。


 仮に民間出身の女性天皇の夫が野心を抱き、自分の子供を天皇にしようとしたら、国民は果たして素直にその「天皇」に敬意を抱くでしょうか。感情論ではなく、旧皇族の皇室復帰など、先例に基づいたやり方で考えるべきだと思います。


【※本誌読者アンケート「2020年日本の重要問題について意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満たない部分は無回答】


※週刊ポスト2020年1月17・24日号

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