需要高まる同窓会は「女として現役であることを試す場」

1月17日(火)16時0分 NEWSポストセブン

65才以上の同窓会が盛況(写真/アフロ)

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 近年、同窓会の需要が高まっているという。同窓会の幹事を代行している『笑屋』の取締役・八木誠さんによると、同窓会の問い合わせは毎年130%ずつ増えているとのことで、とくに65才以上の同窓会は恒例行事のように定期化しているとのこと。


 しかし、楽しそうに出かける両親の背中を見ながら、「なんでそんなに同窓会が楽しいのか、わからない」と首を傾げるのは40〜50代の子供たちだ。会社員の松野洋子さん(仮名・42才)は、同窓会の案内状を片手に、ため息をつく。


「今年5月に、地元の高校の同窓会があるんですが、正直行きたくないんです。というのも、以前に一度、高校時代の親友4人組で再会したとき、さぞや話に花が咲くと思ったら、全然違ったんですよ」


 松野さんは地元・大阪から高校卒業と同時に上京し、大学卒業後は広告業界に就職した。5年前に結婚したが子供はいない。親友のうち、高校時代から外国人と結婚したいと話していたA子は、その願いを叶えてフランス人と結婚し海外生活。職場結婚したB子は地元で子育てしながら時短で働き、C子は大学卒業後、すぐに幼なじみと結婚して専業主婦になった。


「授業中におしゃべりして先生に怒られるほど仲がよくて、トイレに行くのも一緒だった私たちに、今は何の共通点もないんです。専業主婦のC子の前で仕事の話はできないし、私は子供がいないから子育ての話はあちらが遠慮して結局盛り上がらない。なにより生活環境が違いすぎて、何を言っても自慢に取られてしまいそうだし…。東京に来てかなりの年数がたっているので関西弁も薄れてきて、何か言うと『東京弁や〜』と言われてしまうのも、言葉少なになる一因です。私から見ると子供がいる家庭はうらやましいけど、彼女たちは『かっこいい仕事だね』と言う。お互いに悪気はないけれど、なんだか居心地が悪くって…」


 一方、『おとなの始末』などの著書がある作家の落合恵子さん(71才)は、時間が合わず学校の同窓会にはなかなか顔を出せないものの、大学時代入っていたサークルの集まりには何度か参加して楽しんでいる。そんな落合さんは「若いうちは互いの違いを認め合うことが難しい」と指摘する。



「私くらいの年齢になれば、これまで重なり合わなかった個人の人生も、まるごと認め合える。だけど40代前後はどうしても自分の身長よりも1.5cmくらい背伸びしてしまうし、相手を見て自分より上か下かを比べてしまう。しかも女性の場合、シングルか既婚か、子供の有無、仕事など、若いうちは状況が全く違うから難しい」


 夫や子供がいたらいたで、その職業や年収、成績が悩みのタネになる。


「子供の中学受験に失敗した時は、同級生から『受験、どうだった?』って聞かれるのが嫌だったし、同級生の子供がいい中学に合格したという話も聞きたくなかった。子供が晴れて高校に合格するまでの3年間は、同窓会に行きませんでした」(55才・主婦)


 タレントの千秋(45才)は、情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)で、同窓会に軽自動車で夫に迎えに来ないでほしいと言い、「来るなら見えないところに来てほしい」「すごくでかい車で来てほしい。服もヨレヨレだとダメ」と発言した。このコメントはネット上で非難を浴びたが、「現実はその通り」と同調する声も多数上がった。


 見栄やマウンティングに苦しむ一方で、お互いの昔の姿を知っている人に会うことは楽しく心弾むことでもある。女優・吉沢京子(62才)は、「10年前から少しずつ顔を出すようになりました」と話す。


「40代の頃はちょっととんがってたというのかな、『いいんじゃないかな、行かなくっても』と思っていたのですが、一度仕事で地元に行った時、偶然会った同級生に『今日やってるから来ない?』って声をかけられたんです。行ってみたらいいもんだなって(笑い)。運動神経が鈍くて、かけっこがビリだったとかまで知られているから、自分のことを隠しても仕方がないですよね。それぞれ家庭を持ち、社会的に変化はしているけど、芯の部分で通じ合うものがあるんです。彼らに会うときのリラックス感は、ほかの友達とはまた別のもの。心の鎧がとれるんです」


 たとえ何十年も会っていなくても鎧を脱いで近しい関係になれるのが同窓会の良さだ。2児の母で会社員の川崎佑子さん(仮名・52才)は、大学時代のテニスサークルの同窓会に頻繁に顔を出す。



「開催は土日の夜。会場は渋谷や青山のこじゃれた居酒屋が多くて、会費は安いと5000円だけど、1万円を超えることもあります。参加前の美容院代やネイル代を考えると、結構な出費です」


 それでも参加する理由について、「みんな、夫や妻以外の異性と気軽に話す場を求めているんです」と語る。


 川崎さんに不倫の経験はないが、女友達から「実はあの後…」と同窓会の後日談を告白されたこともある。“昔を知っている”という共通項が免罪符になるからか、それほど罪悪感がないのが特徴だ。


「同窓会って、自分が女として現役であるということを試す場でもあるんです。ただ、やりすぎると女子たちから総スカンを食らってしまう。不倫目的じゃなくても色目を使う子もいて、リーダー格の女子が“あの子、やりすぎじゃない?”と言うと、次からしばらく同窓会に誘われず“出禁”なんてこともありますよ」


 実際、ドラマや漫画でも「同窓会」と「不倫」「恋愛」「マウンティング」は結びつけて語られることが多い。


 2010年に放送された『同窓会〜ラブ・アゲイン症候群』では、中学の同級生同士だった黒木瞳(56才)と高橋克典(52才)が同窓会で出会い、やがて駆け落ちする。


 柴門ふみの大ヒット漫画『同窓生〜人は、三度、恋をする〜』でも、主人公の健太は中学の同級生あけひと同窓会での出会いを経て、再び彼女に惹かれてゆく。


 ちなみにそれは日本に限ったことではない。例えばウディ・アレンの映画『セレブリティ』では、高校の同窓会に出席した男が、同級生が金髪の美女と結婚したことを知り、口惜しさから離婚して人生の再出発を誓う様子が描かれた。


※女性セブン2017年1月26日号

NEWSポストセブン

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