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「芸能人VS記者」番組急増 ワイドショーの芸能ネタ変化も影響

NEWSポストセブン1月17日(火)16時0分
画像:『バイキング』のSP版でも芸能記者がタレントとバトル(公式HPより)
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『バイキング』のSP版でも芸能記者がタレントとバトル(公式HPより)

 芸能記者とタレントがトークバトルを繰り広げる番組が増えている。


 特に昨年末は多かった。12月28日の『余談大賞2016』(TBS系)では、サンミュージック所属のお笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつが、『週刊文春』の現役エース記者と初対面。


 同じく28日には昼の番組『バイキング』(フジテレビ系)がゴールデンに初進出。芸能人が、記者たちに「疑惑があるならなんでも書いていいのか」「取材して良心が痛まないのか」などと詰め寄る場面も。こうした番組は年明けも続いた。1月8日『あるある議事堂SP』(テレビ朝日系)では、スキャンダルをすっぱ抜かれたタレントが、それをスクープした記者本人から撮影したときの裏側を明かされて驚いていた。


 もちろん今までこのような番組がなかったわけではない。2000年前後も『壮絶バトル!花の芸能界』(日本テレビ系)や『芸能界激突デスマッチ ワイドショーの主役』(テレビ朝日系)といったワイドショー系の特番が何度も放送、いずれもタレントと記者との対決が話題を呼んでいた。


 しかし、当時スクープを提供していたのは梨元勝氏(2010年死去)や井上公造氏、城下尊之氏、石川敏男氏といったワイドショーのレポーターがメイン。現在の芸能ワイドショー特番では、週刊誌やスポーツ紙の記者が多いのが特徴だ。


 その背景としてはやはり、ここ最近の『週刊文春』を始めとする雑誌メディアの報道合戦が大きいだろう。スクープを連発する記者たちがどんな人間なのか、何を思っているのか、裏方を表舞台に出して聞き出そうという狙いからオファーが絶えないのだ。


 また、プロフェッショナルと芸能人と戦わせるという形式はトークバトルとしては定石だ。例えば『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)も、もともとは2000年に放送された『絶対に訴えてやるぞ!!芸能人VS弁護士軍団・大爆笑!法律バトル』というスペシャル番組が原型となっている。またこれまでも「VS占い師軍団」、「VS美容家軍団」、「VS結婚カウンセラー軍団」など、さまざまな組み合わせがあったが、「VS芸能記者」もその延長線上にある。


 そうしたトークバトルは、パッケージさえ作っておけばシリーズ化も可能。また予算の多くは出演者のギャランティーだけで済むのでコストパフォーマンスが良い。


 さて、先に述べたとおり、最近の芸能記者とタレントのトークバトルには芸能レポーターがあまり出演していない傾向があるが、それはワイドショーの芸能コーナーの均一化と無関係ではない。


 かつてのワイドショーでは番組ごとに専属のレポーターを雇っていたが、制作費削減の今ではそれが難しくなっており、自然と、独自のネタを入手することもできない状態になっている。また個人情報保護法(2005年完全施行)によるプライバシー重視の風潮や、新たに叫ばれるようになったコンプライアンスという名のもと、過度な取材を自主規制するようになり、相対的にスポーツ紙や雑誌の情報を紹介する機会が増えている。


 熾烈なスクープ合戦を繰り広げていた当時は、芸能プロダクションに対しても強気の姿勢を見せていたが、有力芸能プロダクションがドラマからバラエティーまでテレビメディアに大きな影響力を持っている今、ワイドショーでもそうしたプロダクションとも平和的につき合うようになり、軋轢を生むような報道はほとんどなくなった。


 さらにこれまでは記者会見を通して発表されていた結婚などのニュースも、今や所属事務所からのFAX1枚で通達されるか、もしくはタレント本人のTwitterやブログなどで知らされるのみ。芸能レポーターの本来の役目はなくなり、現在、スタジオで、芸能情報をわかりやすく解説する“翻訳者”になってしまっているのだ。


 そうした流れのなかで、バラエティーを制作する側が、芸能レポーターに出演してもらうより“生”の情報に日頃から接している週刊誌やスポーツ紙の記者に出てもらったほうが面白い番組ができる、と考えるのは自然だろう。もちろん、現役記者が出るからといって、芸能人のスキャンダルを徹底追及するような形には制作サイドもしないのだが、最前線の記者から明かされるスクープの裏側や芸能人の意外な一面、それにリアクションを見せる取材対象者という構図は、独自のスクープがなくてもバラエティーの“ショー”としては十二分に視聴者を惹きつけることができる。


 ワイドショーで扱う芸能情報の“弱体化”が、結果的に新たなバラエティーを生み出すキッカケだとしたら皮肉なことだが、これだけ量産が続いているということは、テレビ局にとっては有力コンテンツのひとつであることは間違いない。「芸能人VS芸能記者」という図式の番組はこれからも増えていきそうだ。(芸能ライター・飯山みつる)

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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア