小保方氏 詐欺、業務上横領、虚偽公文書作成罪の可能性も

1月18日(日)7時0分 NEWSポストセブン

 STAP細胞論文問題で世間を騒がせた小保方晴子氏が、昨年12月21日付で理化学研究所(理研)を退職した。

 

 その5日後の同月26日に発表された外部有識者による「研究論文に関する調査委員会」(桂勲・委員長)の最終報告を見れば、STAP問題の悪質さは明らかだ。小保方氏の論文中の細胞増殖率を比較するグラフと、遺伝子の働き方の変化を表わす図の2つが新たに「捏造」と認定されたうえ、STAP細胞由来とされた細胞は、既存の万能細胞であるES細胞の混入によるものと結論づけられた。

 

 その後、理研による懲戒手続きが再開されたが、すでに退職している小保方氏に対して具体的な効力はない。年が明け、すでにこの問題は過去のものとされようとしているが、このまま捏造事件の責任の所在をうやむやにしていいはずがない。


 小保方氏の退職でこの問題に幕引きを図ろうとする理研は、小保方氏と同様、国民に対する背信を行なっている。

 

 小保方氏については、2013年3月からのユニットリーダー時代、年間800万円以上の給与に加え、国の交付金からユニットに対して研究費・人件費が各1000万円、計2000万円支給されている。笹井研究室の年間約6億円の研究費も使用していたのではないかと指摘する報道もあった。


 加えて疑惑発覚後、理研は検証実験に約1500万円、外部委員会の調査に約1400万円、計約2900万円を投じている。いずれの金も原資は税金である。当然、理研側は国民の財産を取り戻すため刑事・民事で小保方氏を訴えるべきだ。

 

 小保方氏と同じ早稲田大学理工学部出身で、研究不正にも詳しいみずほ中央法律事務所代表弁護士の三平聡史氏が指摘する。

 

「監督責任がある理研には、不正を見逃して小保方氏に交付金の一部を差配した社会的責任がある。そのため、刑事告発をするとなれば、理研以外の研究者や市民団体などでなく、理研がその立場にある。


 外部委員会の任意調査には限界があったが、強制力のある捜査・司法の場に移れば『誰がES細胞を混入させたのか』『混入は故意だったのか』という大きな謎が解明される可能性がある。血税が使われたのだから、そうすべき道義的責任は当然ある」


 刑事責任を問われるとすれば、どのような罪状になる可能性があるのか。

 

「ユニットリーダーになる前からSTAP現象の発現があり得ないと知りつつ虚偽の実験結果を記載・説明して研究費・人件費などの申請を行なったとすれば、刑法246条の詐欺罪に、ユニットリーダーになった後でSTAP現象発現はあり得ないと知ったとすれば、刑法253条の業務上横領罪に問われる可能性がある。

 

 また、独立行政法人の職員である理研の研究者は『みなし公務員』として、公務員同様の刑法の罰則が適用される。そのため、『虚偽公文書作成罪』に問われる可能性もある。

 

 ただしこれらはすべて故意の立証が必要です。研究者の不正において故意か過失かを立証することは非常に難しいが、成立すれば法定刑は懲役10年以下の懲役となります」

 

 小保方氏は、一貫して「混入はない」と否定している。であれば堂々と取り調べでも法廷の場でもその主張を展開すればいい。現段階で「小保方氏はクロだ」と断じる証拠があるわけではない。しかし、国民を欺いたというだけでなく、国民の財産を浪費したことを考えれば、理研、小保方氏双方が問題解決のために真摯な対応をすべきことは論をまたない。“体調不良だから”“もう反省してるんだから”では済まされない。


※週刊ポスト2015年1月30日号

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