『満月の夕』で歌の力を再確認。阪神大震災20年の特番に「突き上げてくるものがある」

1月18日(日)21時55分 Techinsight

様々な思いが込められた『満月の夕』(画像はYouTubeのサムネイル)

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阪神・淡路大震災から20年。NHK総合で放送された『「満月の夕」〜震災が紡いだ歌の20年〜』が大きな反響を呼んでいる。阪神大震災をきっかけに作られた楽曲『満月の夕』は多くの人々から歌われ、東日本大震災でも心の救いとなった。番組では楽曲が生まれたいきさつや歌詞に込められた思いなどを探った。ライブ演奏も放送され、ツイッターでは視聴者から「聞いていても泣けるけど、歌おうとするともっと泣けてきて困る」、「音楽に限らないが、表現者が現場に立つ意味を再認識できた」などの感想がつぶやかれている。

1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生、甚大な被害となった。そこから復興するため厳しい現実に向き合おうとする被災地の人々の姿を歌った『満月の夕』(まんげつのゆうべ)は、関西を拠点に活動するロックバンド、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬と、福岡で結成されたヒートウェイヴの山口洋が共作した楽曲だ。

2015年1月17日に放送された『「満月の夕」〜震災が紡いだ歌の20年〜 』(NHK総合)では、中川敬、山口洋が楽曲誕生を振り返った。山口は、阪神大震災後には「現地に行って援助する人」と「遠くから見て心配する人」の二通りいたが、自分は後者だったと語る。そんな彼にとってできるのが歌うことだった。

1995年6月に発行された『HEATWAVE EXPRESS』の中で、中川敬は震災のあった1月17日に満月が出ていたことを思い出し、「今でも、満月の夜が来るとひどい揺れが来るかと心配でたまらなくなる」と語っている。また、山口洋は2人が書いた歌詞はそれぞれ視点が違うと説明する。被災地では寒空の下で焚き火を囲む人々がいたが、「そこへ無理なく近づこうとする中川がいるし、僕だったら少し客観的に見ているのかもしれない」と言う。この歌は1995年10月1日にソウル・フラワー・ユニオン版とヒートウェイヴ版としてシングル化されたが、それぞれで歌詞が違うのはそのためだ。

番組では中川敬、山口洋がそれぞれアーティストと歌ったり、東北の被災地で現地の人々と歌う姿が放送された。どのシチュエーションで聴いても『満月の夕』から感じるものは深い。

ツイッターでは「『満月の夕』は聞いていても泣けるけど、歌おうとするともっと泣けてきて困る…歌詞をきちんと口にしようとすると、なんか突き上げてくるものがあるんだよね」、「阪神・淡路大震災とは少ししかつながりはないが、それだけでもボロボロ涙するような名曲。音楽に限らないが、表現者が現場に立つ意味を再認識できた」、「このような歌詞どんなミュージシャンが逆立ちしても書けないよ…」などの感想が見受けられた。

『満月の夕』はメンバー全員が神戸出身のロックバンド・ガガガSPが斬新なアレンジでカバーしたのをはじめ、女性ジャズ・ボーカリストの酒井俊、元チャンプルーズの平安隆、沢知恵など数々のアーティストが歌っている。CD収録以外にも、ライブではリクオ、うつみようこ、大竹しのぶなどもカバーしており、昨年はリアリティオーディション番組『X FACTOR OKINAWA JAPAN』で宜保和也が歌っている。

東日本大震災で被災した高校生はこの歌を聴いた時に、「最初は悲しい曲だと思ったが、聴くうちに力が沸いてくるようだ」と語っていた。これからも辛い局面に立った人々の心を支えてくれることだろう。

酒井俊が1998年に歌った『満月の夕』は、シンプルなアコースティックギターとマンドリンに乗せてハスキーに歌い上げたものだ。寒空に浮かぶ満月と焚き火のぬくもりが感じられて「解き放て、いのちで笑え…」の歌詞が胸に迫る。



※画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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