藤井聡太竜王・名人が2回戦敗退 初手合いの服部慎一郎六段は年度勝率驚異の“.892”に上昇/将棋・朝日杯

2025年1月19日(日)16時3分 ABEMA TIMES

 将棋の第18回朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント2回戦が1月19日、名古屋市の「ポートメッセなごや」で行われ、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が初手合いの服部慎一郎六段(25)に119手で敗れた。2期ぶり5度目の優勝を目指していた藤井竜王・名人だったが、今期はベスト8での敗退となった。

【映像】服部六段が藤井七冠に勝利した瞬間

 初手合いの両者による注目の一戦は、気鋭の服部六段が白星を飾った。振り駒で服部六段の先手となると、矢倉の出だしになった。ABEMAで解説を務めた伊藤匠叡王(22)は、「前年の決勝戦の永瀬九段—藤井竜王・名人戦と同じ進行となった」とコメント。服部六段は用意の作戦だったか、伊藤叡王からも「服部六段のペース」の声が上がっていた。

 矢倉党の服部六段とあり、きびきびと指し進めて持ち時間は極力“節約”。一方、藤井竜王・名人は中盤に持ち時間を投入する展開となり、あっという間に秒読みが始まった。時間に追われながらも抜群のバランス感覚を見せた藤井竜王・名人だったが、混沌とする局面から抜け出したのは服部六段。藤井竜王・名人は上部脱出を図りつつ猛追したが、先手はしっかりと受け回って冷静な対応を見せた。2期ぶり5度目の優勝を目指していた藤井竜王・名人だったが、服部六段に押し切られる形で2025年初めての投了を告げた。

 藤井竜王・名人は、「序盤はこちらが認識不足で固まってしまった。全体として厳しい展開だったが、途中はバランスを取れれば戦いが続きそうかなと思っていたが、最後崩れてしまったところは残念だった」とコメントし、一局を総括していた。この結果、藤井竜王・名人はベスト8で敗退。前回覇者の永瀬拓矢九段(32)とともに、昨年の決勝を戦った両雄が姿を消すこととなった。

 服部六段は、初の準決勝進出。2024年度の新人王戦のほか若手棋戦で3回の優勝経験があるが、全棋士参加の一般棋戦で初優勝を目指し、勢いそのままに“有楽町”へと乗り込む。強敵を破った服部六段は、「連勝できると思っていなかったので自分でも驚いている。粘り強く指すことができたと思う」と晴れやかな表情を見せていた。また、今年の公式戦成績を33勝4敗とし勝率は驚異の.892に。中原誠十六世名人(77)が1967年度にマークした歴代最高勝率.8545(47勝8敗)の58年ぶりの記録更新となるか、大きな注目が集まることになりそうだ。

◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。前年の第17回優勝者は永瀬拓矢九段。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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