マフィアに誘拐され暴行…人工肛門に「みんなここには来るな。人生を失う」メキシコ国境の街の移民たちのリアル
2025年1月20日(月)17時0分 ABEMA TIMES
アメリカとの国境に面するメキシコの街、シウダ・フアレス。ここではマフィアが国境を管理し、違法入国を商売にしている実態があるという。大金を払えない移民たちは、マフィアの目を盗んで国境を越えるしかないが、見つかった場合に待ち受けるのは、残酷な報復。危険を冒してでもアメリカ行きを目指す、違法移民たちのリアルに迫った。
【映像】閲覧注意!ナイフで刺され人工肛門を装着した男性のお腹
1月18日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める番組『国境デスロード』#7が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。
最重要政策のひとつに不法移民対策を掲げる、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領。大統領就任式が1月20日に迫り、移民を取り巻く状況が大きく変わろうとしている。そんななか、今回プジョルジョD が歩んだのは、“トランプの壁 突破デスロード”。番組後半では、違法入国という選択をした移民たちにスポットを当てた。違法入国が多発しているメキシコ側の国境の街、シウダ・フアレスをプジョルジョD が訪れたのは、トランプ氏の大統領就任まで30日に迫ったある日のこと。移民に無料で食事・寝室を提供する移民ハウスで話を聞くと、コロンビア移民の男性は「マフィアにとって移民は金を稼ぐ道具。マフィアが国境を管理していて、彼らに大金を払うことで国境を渡ることができるんだ」と実態を明かした。この街に違法移民が多いのは、古くからマフィアが違法入国を商売にしてきたからなのだ。
しかし、マフィアに大金を払える移民はごく一部。経済的に余裕のない移民たちは、マフィアの目を盗んで国境を越えなければならない。移民ハウスでプジョルジョDが出会ったベネズエラ移民のマルディンさん(35歳)は、人工肛門を装着していた。「お腹はどうされたんですか?」と聞いたプジョルジョDに、マルディンさんは「マフィアにバレて誘拐された。身代金が払えなくて負った傷だ。ナイフでやられた。大腸を損傷していて便を排出できない」と説明。続けて「今はもうアメリカを諦めた。子どものいるベネズエラに帰りたい。みんなここには来るな。人生を失うぞ」と忠告した。
家族へ仕送りをするためにアメリカを目指したものの、マフィアに暴行を受け、大怪我を負ったマルディンさん。さらに話を聞いていくと、誘拐時にパスポートを盗まれていたことも判明。マルディンさんは「全てを失いました。もう何も持っていない。怪我しているから歩いても帰れない」と絶望的な状況を明かしていた。