昭和に大ブームだった「なめ猫」のパクり商品

1月20日(土)16時0分 まいじつ

毎年、成人の日になると珍奇なド派手ファッションをした若者の姿が報道されるのが恒例となっていますが、私がアレを見ると思い出してしまうのが『なめ猫』です。


なめ猫は1980年代初頭、1970年代後半から台頭してきた“ツッパリ”が世間にすっかり浸透したころに大ブームになった猫のキャラクターですが、根強い人気があり、最近でもグッズが売られているのでご存じの方も多いはず。子猫に無理やりガクランを着せ、ツッパリポーズをさせて写真を撮り、それをカードや文具などにして売ったところ爆発的ブームに。ポスターは600万枚、運転免許証風のブロマイドは1200万枚を売り上げたそうです。



こちらが本家の写真集『又吉のかっとびアルバム なめんなよ』(1981年/新興楽譜出版社)



総理府がなめ猫を新聞広告のモデルとして採用したり、動物愛護団体が「猫にギプスをはめて虐待している疑いがある」などとクレームをつけ、グッズの不買運動を起こすなど、にゃんともスゴイ狂騒ぶりでした。


それほどのブームとなれば当然出てくるのが、アイデアを無断借用した低品質のものを安価で素早く量産し、駄菓子屋ルートでバラ巻く“パチもん”です。


なめ猫のパチもん…いわば『パチ猫』のすごいところは、本家のように猫に服を着せて写真を撮影…なんて面倒なことは一切していないところです。ガクランなどの衣服やラジカセやバイクなどの小道具、背景などの写真と、猫の顔や手足の写真をコラージュしているだけなのです。これなら動物愛護団体からクレームが来ることもありません(笑)。



出来上がったものは一見カワイイのですが、よく見るとやはりヘン。



今、あらためてパチ猫をじっくり観察すると、このビミョーな不自然さに何とも言えない魅力があることに気付きます。



例えばこれは、家族の団欒という本家にはない新たな世界観を描いた作品。父親の家庭内での存在感のなさがそこはかとなく描かれており、社会風刺になっています。


なめ猫の魅力は、猫が人間の格好をしているちぐはぐな面白さにありました。あらゆる素材を自由にコラージュすることによって、そのアンバランスさをさらに面白おかしく強調したパチ猫こそが、真になめ猫の魅力を理解していたと言えるでしょう。


(写真・文/おおこしたかのぶ)



まいじつ

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