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リアルに"鬱フラグブレイカー"だった!『コブラ』に救われた職なし時代

おたぽる1月20日(火)1時0分
画像:(イラスト/村田らむ)
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(イラスト/村田らむ)

「Kindleでも読める30年前の名作プレイバック 第25回」

——今から30年前以上前、そう僕らが子どもだったあの頃に読みふけったマンガたちを、みなさんは覚えていますか? ここでは、電子書籍で蘇るあの名作を、振り返っていきましょう!

「週刊少年ジャンプ」で『コブラ』の連載が始まったのは、1978年である。僕はまだ、当時小学校1年生だった。何度も書いて申し訳ないが、小学校低学年の頃は、我が家には『マンガ読んだらアカン令』が出ていたため、当然、『コブラ』も読めないマンガのひとつだっただ。なので、この作品もまた、単行本でまとめて読んだクチだ。

 ただ、小学校高学年の頃、「ジャンプ」誌上で『コブラ』を見た覚えがある。たぶん連載終了間際だったと思う。

「めっちゃくちゃ絵の上手い人がいる。すげえええ」と、とても驚いたのを覚えている。

 今読み返してみると、『コブラ』は連載当初からすでに絵は上手いのだが、回を重ねるごとにどんどんレベルが上がっていたのである。すごい成長速度だ。30年経っても、まったく古く感じない。

「めっちゃくちゃ絵の上手い人がいる。すげえええ」と、30年経った今でも、小学校時代と同じ感想を抱いてしまった。

『コブラ』は、当時の「ジャンプ」マンガの中では異色の存在だったと思う。多くのマンガ作品の場合、たいてい、その源流がわかりやすいものだった。「ああ、この人は、あの人のアシスタントなんだな〜」と、絵を見ただけでわかる人もいるし、「この作者はこの作品の大ファンなんだな」とわかる人もいる。わかりやすい例を挙げるなら、石ノ森章太郎の作品には、手塚治虫のタッチが色濃く出ている、といった具合だ。

 しかし、『コブラ』にはそれがない。作者である寺沢武一は手塚治虫の手塚プロダクションでマンガを描いていたのだが、絵的には手塚治虫に影響を受けているとは思えない。

 劇画と言えば、劇画なのだが、当時ほかに連載されていた劇画ともだいぶ違う。

 ちなみに『コブラ』が連載していた時に、「ジャンプ」に載っていた劇画マンガといえば、平松伸二(画)・武論尊(原作)の『ドーベルマン刑事』、本宮ひろ志の『さわやか万太郎』、池沢さとしの『サーキットの狼』といったラインナップだ。

『コブラ』は、アメコミの影響は強く受けていると思うのだが、しかし独自で開発していった部分がとても大きいのではないかと思う。個人的には、コブラの相棒、アーマロイドのレディは、イラストレーターの空山基の影響を受けているんじゃないかな〜とも思っている。なんてたって、空山氏が描いたエアロスミスの『ジャスト・プッシュ・プレイ』のアルバムジャケットは、かなり"レディ"っぽい。知らない人はぜひ、ググッてみてほしい。

 とにかく『コブラ』は、とても個性的なマンガだった。あの作品の世界観を実現するにはとても高い絵画力を必要とするため、誰かに真似されることもなかった。

 ただ、個性的なマンガ、オリジナリティーの強いマンガというのは、得てして面白くない場合も多いが、『コブラ』は一枚一枚の絵が芸術の域まで達している上、なおかつ、あくまで面白い少年マンガとして読ませてくれる。

 宇宙船タートル号を操る宇宙海賊コブラ。左腕には、精神エネルギーを放出するサイコガンを仕込んでいる。相棒はメタリックボディのレディ。

 ......と、とてもカッコいい主人公コブラだが、「ジャンプ」作品の主人公としてはそこそこのオッサンである。

 第1巻の第1話では、コブラは平凡なサラリーマンとして暮らすジョンソンとして登場する。海賊ギルドとの戦いに疲れきって、自らの記憶を封じ込んでしまったのだ。そして顔も、元のストレートな二枚目から、団子っ鼻の三枚目に整形してしまった。

 ブサイク男子から言わせてもらえれば「もったいないお化けが出るぞ!!」って話なのだが、キャラクター的には"三枚目"というのが、とても効いている。

 イメージするなら、『ルパン三世』のルパン三世や、『シティハンター』の冴羽りょうだろうか。ぱっと見は三枚目で、軽口ばかりたたく中年男だけど、心身ともにとても優れている。その落差に惹かれるのだ。

 そして言葉の言い回しがとてもハイセンス。これはもう男も女も濡れ濡れである。

 一時期、『鬱フラグブレイカー・コブラ』というのがネットではやったことがあった。鬱な展開になるマンガの落ちに、コブラが登場して、主人公を欝から救うというパロディーなのだが、これが本当に面白かった。単にマンガとマンガをつなげているだけなのに、本当にスッキリするのだ。これは、もともとコブラが、とても気持ちのよいキャラクターとして作られているからこそなせた、離れ業であろう。
 
 ちなみに、僕が『コブラ』で一番思い出す話は、「カゲロウ山登り」だ。黄金を積んだ飛行機が、雪原の山に墜落する。そこに金目的の連中が集まり、登山をする。ただその"山"は見える人間と、見えない人間がいて、山の存在を信じられない人間には、山は存在しないのだ。そしてひとり、またひとりと、脱落していってしまう。

 僕が東京でフリーランスの仕事をはじめた時、大学は九州だっため、足がかりになるような知り合いもおらず、とにかく手当たり次第に出版社に持ち込みをしていた。当然、なかなかデビューできなかった。編集者からは、罵倒されたり、嘲笑されたりすることも少なくはなく、22歳の僕は普通に傷ついた。

 そんな時、なぜかいつも「カゲロウ山登り」の話を思い出していた。デビューすらままならないのに、定期的に仕事をもらい、それで生活していく想像なんてとてもできなかった。でも、そんな未来を無理にでも信じないと、未来はなくなって、どこまでも落ちてしまう。

 その時のシチュエーションと「カゲロウ山登り」を、どこかで重ね合わせていたのだと思う。

 もしもあの時、思い出していたのが鬱展開なマンガだったら......そのまま引きずられて奈落に落ちていたかもしれない。しかし、僕が思い出したのは、宇宙海賊コブラだったのだ!! 

 コブラは「山の上に登り着くこと」、それだけを目的にカゲロウ山を踏破した。しかもコブラの目的は金ではなく、ラブだった!!

 上京してから10ヶ月後、僕もやっとこさデビューできて、その後今日まで20年なんとか食べてこられた。「それも、コブラのおかげだな」なんて、半ば本気で思っている。鬱ブレイカーコブラは、僕の心の闇も綺麗に消し飛ばしてくれたのだ。

●村田らむ(むらた・らむ)
1972年、愛知県生まれ。ルポライター、イラストレーター。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマに、潜入取材や体験取材によるルポルタージュを数多く発表する。近著に、『裏仕事師 儲けのからくり』(12年、三才ブックス)『ホームレス大博覧会』(13年、鹿砦社)など。近著に、マンガ家の北上諭志との共著『デビルズ・ダンディ・ドッグス』(太田出版)、『ゴミ屋敷奮闘記』(鹿砦社)。
●公式ブログ<http://ameblo.jp/rumrumrumrum/>

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