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大ヒット『九十歳。何がめでたい』 80才年下小学生も共感

NEWSポストセブン1月20日(金)7時0分
画像:佐藤愛子氏の著書に小学5年生の竹下詠乃ちゃんも納得
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佐藤愛子氏の著書に小学5年生の竹下詠乃ちゃんも納得

 愛知県に住む11才の女の子が書いた作文が話題を呼んでいる。1月6日付の中日新聞「くらしの作文」欄に掲載された「私たち。とてもめでたい」と題された文章には、祖母、母親と親子3代にわたって1冊の本を読み、一緒に楽しむ家族の光景が綴られていた。


〈おばあちゃんが、ゲラゲラ笑いころげながら本を読んでいました。〉に始まり、〈私に本を貸してくれたおばあちゃんは今、七十歳です。愛子さんのように、九十歳を過ぎても、いつまでも本をゲラゲラ笑って読める元気なおばあちゃんでいてほしいと思います。〉と締められている。


 彼女が取り上げた本は、93才の佐藤愛子さんが書いた『九十歳。何がめでたい』。昨年8月の刊行以来、5か月あまりで46万部を突破したベストセラーだ。精文館書店の西田豊さんはこう語る。


「作文を読んで最初に思ったのは、11才とは思えないくらい上手に書いたなあということ。しかもこの本はご年配の読者が多い本ですから、そんな小さな子が面白いと思ったことに、とても驚きました」


 書店には、この作文を読んで本書を求める人が殺到しているという。その売れ行きは、作文掲載以前の実に5倍というから驚くばかり。書店では〈新聞に紹介された小学生の作文が大反響!! そこには身近な『本』のある暮らしがありました〉などの言葉とともに、彼女の作文を店頭に飾っている。


 そうした反響を恥ずかしながらもうれしく見つめる作文の書き手、小学5年生の竹下詠乃(うたの)ちゃんは、両親と祖母の家族4人で住んでいた。


 詠乃ちゃんが本書を手にしたきっかけは、祖母・長谷川喜代子さん(70才)の、いつになく大きな笑い声だった。


「夕ご飯の支度を手伝っている時に、おばあちゃんが2階から、本を手にワハハハハハって笑いながら下りて来たんです。それで『何、読んでるの? そんなに面白い本なら私も読みたい』って。私は普段は小説や漫画を読んでいて、それまでエッセイを読んだことはなかったのですが、読んでみるとやっぱり面白くて、ゲラゲラ笑い転げてしまいました」


 そんな2人の姿に母・育子さん(44才)も興味を持って、すぐに本を読んだという。


「本を読んで、声を上げて笑うって、そんなにないと思うんです。でも、腹筋を使ってこんなに笑うの? みたいな状況を家庭の中で2人も見たら、私にも早く回してって言いたくなりますよね(笑い)」


 本書には、90を超えた佐藤さんが感じる体の故障や進歩する時代への戸惑い、ニュースや新聞を見てこみ上げた怒りがユーモラスに綴られている。それを約80才も年下の詠乃ちゃんが読んで共感した部分はどこなのか。


「誕生日が2つある話や、犬のグチャグチャ飯の話も面白かったし、三越のトイレの話も笑いながら読みました。友達にも貸してあげたらやっぱり面白いって。佐藤さんと、うちのおばあちゃんが似ているなって思うところもありました(笑い)」


 と祖母の顔を見て、詠乃ちゃんは照れ臭そうに話す。それに応えるように喜代子さんはこう語る。


「この年になると、ついつい言わなくていいことまで、口から出ちゃうんです(笑い)。きっといつも私の姿を見ているから、佐藤さんの書いていることがわかる部分も多いのでしょうね。詠ちゃんは、私を大事にしてくれるし、長生きしてねって日常茶飯事のように言ってくれるので、ありがたいと思います。子供ってすぐに大きくなりますし、この先、私もどれぐらいかかわれるかなって思いますが、この本を読んでも、年寄りには年寄りなりの役割があるんじゃないかなと思いますね」


 その言葉に母・育子さん(44才)も大きくうなずいた。詠乃ちゃんが小さな頃から、「私が母にそうしてもらったように、本をたくさん読んでくれる子になってもらいたい」と思って、自分が小さな頃に読んだ本や、自分が面白いと思った本を詠乃ちゃんに薦めてきたという。


「それは漫画でもいいし、小説でも何でもいい。一生の出会いになればいいなあと思っています。この先、中学生になったら読ませようとか、いろいろ準備している本もあるんです(笑い)。それでもこの本のように、母も娘も私も一緒になって楽しんだ本はありません。母が佐藤先生の本を昔から好きなのは知っていましたけど、娘にもこういう佐藤さんの感覚がわかるんだって、ビックリしました。娘がここから、また新しい本の世界に飛び込んでくれたらいいなと思います」


 この本に、詠乃ちゃんは今後、作文を書く上で参考になった点もあったとか。


「文章の勢いとか、熱量とか。です・ます調でないところも衝撃的でした。半年先になるか数年先になるかわからないけど、また読みたくなる本だと思います」


 限られたスペースの中、『九十歳。何がめでたい』は竹下家の本棚にいつまでも残しておく本に決定している。本のある暮らしは、とてもめでたい。


※女性セブン2017年2月2日号

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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア