過去の元号 「彗星」を理由に6回改元された

1月20日(金)7時0分 NEWSポストセブン

一世一元になったのは明治以降

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 天皇陛下の譲位のご意向を受けて、平成31(2019)年1月1日に皇太子さまへの譲位を行う方向で、政府は検討に入った。また、国民生活への影響を最小限にするため元日から新たな元号を使用、さらに事前に元号を発表する案も浮上している。


◆元号で使える漢字に決まりはある?


 元号の歴史は古く、飛鳥時代の「大化」(645年〜)が最初。奈良時代に5回だけ漢字4文字だった以外は「漢字2文字」で、今回もそれが踏襲される可能性が高い。


「過去の例では、中国の古典の『書経』や『漢書』などの名文の中から2文字を選ぶことがほとんどです。平成は『史記』の「内平外成(内平らかに外成る)」、『書経』の「地平天成(地平らかに天成る)」から。平和への願いが込められています」


 と歴史社会学者で東京大学特任助教の鈴木洋仁さん。縁起のよくない字はNGで、読みやすくて、わかりやすいことも条件の1つ。そのため使える漢字は限られている。


◆これまでにいちばん多く使われた漢字は?


 数多ある漢字の中で、これまでに使われたのはわずか72個。「永」が最も多く29回、「元」と「天」が27回で続く。


「『永』には良い世の中が長く続いてほしい、『元』は悪いことがあっても一から出直して初めに戻りましょう、そして『天』には天変地異が多いので天が収まってほしいといった願いがこめられています」(鈴木さん)


◆皇位継承がないと改元できない?


 放送大学教授・原武史さんによれば、


「現在のように一世一元、つまり1人の天皇に1つの元号となったのは、明治以降のことです。それ以前はさまざまな理由で改元が行われてきました」


 平成までの元号の数は247。南北朝時代の後醍醐天皇と戦国時代の後花園天皇は、それぞれ8回も改元している。



「瑞兆といっていい兆しがあった時や、逆に天変地異や災害が多い時にも、機運を改めるために改元されました。また、60年に1回くる干支で『辛酉』(かのととり)の年には大きな変革が起こりやすいとされていたので、辛酉の年にはほとんど改元されました。しかし辛酉にあたる1921(大正10)年は、天皇在位のまま皇太子を摂政にしたため、改元ができませんでした」(原さん)


『日本年号史大事典』の編著者で京都産業大学名誉教授の所功さんが例として挙げるのは今から1300年前の「養老」(717年〜)だ。


「元正女帝は“若返りの水が出る”と聞いて岐阜西部の滝へ行き、湧き出る水を飲んで、実際に若返ったので、年号を『養老』に改元し、地名も養老になったのです」(所さん)


 他にはこんなケースも。


「白い亀が献上された時に“縁起がいい“ということで改元されたことが6回あり、『神亀』(じんき)、『宝亀』(ほうき)などの元号がつけられました。“彗星”による改元も6回あります。彗星が来ると大変なことが起きるというので、改元したのです」(前出・鈴木さん)


 白いキジや白い鹿が献上されたのを理由に、改元された例もあるという。


撮影/雑誌協会代表取材


※女性セブン2017年2月2日号

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