【映画コラム】昔のB級SF映画のにおいがして楽しい『ジオストーム』

1月20日(土)14時7分 エンタメOVO

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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 世界中が度重なる自然災害に悩まされる中、科学技術者のジェイク(ジェラルド・バトラー)は、地球の天候を制御する気象コントロール衛星“ダッチボーイ”を開発して地球を救った。ところが3年後、衛星が暴走を始め、地球に再び危機が訪れる…というSF映画『ジオストーム』が公開された。



 この映画、題材の大きさや深刻さの割には、「おいおい本当に大丈夫か」「そんなことでいいのか」と思わず突っ込みを入れたくなるような、あまりにも能天気な展開を見せるのだが、何だか昔のB級SF映画やパニック映画のようなにおいがしてきて楽しくなる。

 キャストも、主演のバトラーは全く科学技術者には見えないし、弟役のジム・スタージェスは国務省のエリート職員にしては間抜けに見えるし、エド・ハリスはお決まりの○○役で、太り過ぎのアンディ・ガルシアが大統領とは…。女性シークレットサービス役のアビー・コーニッシュの“男前”ぶりが余計に目立つなど、類型的な役柄を楽しそうに?演じている彼らを見ていると思わず失笑させられる。

 とはいえ、この映画は、もともと何かを訴えるとか、告発するといった意図で作られてはいないのだから、娯楽作として割り切って見れば十分に楽しめる。ディーン・デブリン監督の強引な力業に注目だ。

 ところで、この“ダッチボーイ”という衛星の名は「堤防の穴を見つけたオランダの少年が、一晩中穴に腕を差し込んで、村を洪水から救ったという話から取った」と、発明者のジェイクが語っていた。

 この話は、確か「実話を基にした」という注釈付きで、小学校の教科書に載っていたもの。懐かしくなって調べてみたら、何とメアリー・ドッジなる米人作家が創作したものだという。長い間だまされてきたことを、まさかこの映画で知らされるとは…。

 加えて、「ダッチ」はオランダを差す言葉だが、英国から見ると「安上がり」や「粗悪」という意味にもなるらしい。すると、この映画の衛星の名前にはダブルミーニングがあったということなのか。はてさて真相は…。(田中雄二)

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