「旭日旗」が日韓の火種に 竹田恒泰氏「ヘイトスピーチをする時に掲げるのは止めさせなければならない」

1月21日(火)21時0分 AbemaTIMES

 東京オリンピック・パラリンピックが迫る中、「旭日旗」をめぐる議論が再燃している。

 旭日は大漁旗や錦絵にも描かれるなど、古くから生活にも根付いている意匠で、旭日旗も日本の国旗(日の丸=日章旗)ではないものの、陸上自衛隊の連隊旗や海上自衛隊の自衛艦旗として使用されている。
 しかし韓国では「軍国主義の象徴」「辛い記憶がよみがえる」といった意見が根強く、韓国政府は一昨年10月、海上自衛隊の護衛艦派遣に際し、自衛艦旗を掲げたままの入港を拒否した。

 さらに昨年9月には韓国政府がIOC(国際オリンピック委員会)に対して競技会場への旭日旗の持ち込み禁止を求める書簡を提出、菅官房長官が「組織委員会では旭日旗が国内で広く使用されており、提示そのものが政治的宣伝とはならず、持ち込み禁止品とすることは想定していないと示している」と反論、意見は割れている。
 

竹田恒泰氏「なし崩し的に全ての言うことを聞かなければいけなくなる」

 20日のAbemaTVAbemaPrime』に出演した高千穂大学の五野井郁夫教授(政治学)は「“ハレ”の意味で使われてきた、めでたいものだった。今も自衛艦旗として国際法上認められているものだが、1870年に陸軍が明治天皇の閲兵で初めて使用し、1889年には海軍も使うようになり、その後の台湾、韓国の併合時には日本国旗と並べて旭日旗を使っていた。1999年に国旗国歌法で日の丸が正式に国旗となったので、さすがにこれは認めざるを得ないが、今も韓国を含め16カ国の国民が侵略を受けた時の旗を掲げるのはやめてほしいと思っているということだ」と説明する。

 そうした歴史を踏まえた上で、旭日旗を振ることは問題がなく、堂々と掲げるべきだと主張するのが、作家の竹田恒泰氏だ。

 竹田氏は「確かに日本軍の旗だったが、自衛隊の旗であることも確かだ。私たちが普段の生活で目にする旭日旗といえば朝日新聞の社旗くらいだが、自衛隊に関わる人からすれば、とても大切な旗だ。日本と戦った欧米諸国は何も言ってきていないし、16万人もの兵士を日本軍に殺されたアメリカに至ってはエンブレムに旭日旗を使っている在日米軍基地がいくつもある。このことについて公式に色々と言ってくるのは韓国と北朝鮮だけだ。特に韓国はかつての軍国主義と結び付け、日本に無理難題を突き付けているように聞こえる。例えば先日も髭を生やした駐韓アメリカ大使に対して、“かつての日本の朝鮮総督のようだ、軍国主義の象徴のようだからやめろ”という声が起こった。紙幣の肖像になることが決まった渋沢栄一についても、大韓帝国時代に使われた紙幣の肖像が渋沢栄一だったことから“やめろ”と言ってくる。こういう声を一つ聞いてしまうと、なし崩し的に全て聞かなければいけなくなる」と主張。

 「サッカーの試合などで振られたことに対し、韓国でものすごい反応があった。そこから、“これを振ると嫌がるんだな”と面白がって振っている人はいると思う。ヘイトスピーチも絶対にあってはいけないし、そういうのは最低の使い方だ。だからといって日本人が公式の場や平和の祭典で一切使ってはいけないかというと、それは別だ。振りたい人が振る分にはいいのではないかと思う。そもそも国旗と軍隊旗が一緒の国は結構ある。例えばアメリカの旗は振ってオッケーなのかという話になる」。

 横浜で居酒屋を営む花島信之氏は、かつて旭日旗をサッカー大会で振る「旗振り隊」を結成した経験を持つ。当初は深く考えずに旭日旗を使用していたといい、応援団同士で揉めたり、使用禁止を打ち出す会場が出てきたりしたため、旭日旗を振るのをやめた。「私たちはサッカーの応援に行っているのであって、政治には関わりたくない。ただ、国旗に準ずるものだと思うし、サッカー場で皆が“日本コール”をするのと同じだと思う。振ること自体は何も問題ないと思う」。

 慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授は「そういう意味では、最もこういう問題に敏感であるはずの朝日新聞社の社旗が旭日旗だということは、これが軍国主義と結びつかないと思っている人が多いということでもあると思う。自衛艦旗としても使われている中、そこも含めて変えるかどうか判断するか、ということだが、ともかく日本人としては“日の丸があるのにわざわざスポーツの応援に旭日旗を持ってくるなんて変な奴だな”、と思うということと、韓国側も自衛艦旗までダメだと言うなよ、という大人の対応ができないものか」とコメントした。
 

■梁英聖氏「ヘイトクライムへのリスクにつながる」

こうした議論をよそに、「旭日旗」という言葉とデザインが結びつかない若者は非常に多いようで、話を聞いたうち8割ほどが「知らない」と回答。「ヤンキーがヘルメットとかに描いてない?」といった声が聞かれたほか、「そんなに使っていないし、相手が嫌がるのに平和の祭典オリンピックで無理して振らなくても良くない?」といった意見も多かった。

 ギャルユニット「blackdiamond from2000」リーダーのあおちゃんぺは「いろんな国が戦争をしていたわけで、その時に使っていた旗を使っている国もあるはずだ。それらも全てダメになるではないのか」としながらも、「日の丸の方を使えば平和なのに、わざわざ旭日旗を使う必要があるのか」とコメントした。

 他方、旭日旗掲揚は断固反対の立場を取る在日コリアン3世の梁英聖・反レイシズム情報センター代表は、竹田氏に対して「人から言われて止めるというのは情けないし、日本人として日本が旭日旗をどうするのかという話をしなければまずい。足元で差別がある。なんだったら一緒に見に行こう。一緒にヘイトスピーチ街宣を見に行って、旭日旗がいかに差別のシンボルとして使われているのかを見てほしい」と訴えかける。

 「オリンピック憲章では差別禁止と平和を謳っている。だから軍隊を想起させるものは基本的にNGだ。しかも旭日旗はヘイトスピーチのシンボルとして使われてしまっている。特にオリンピックではヘイトクライムの標的になる。会場で旭日旗を振ることで、“ほらみろ、ハーケンクロイツだっていいではないか”となってしまう。そこで乱闘が起きれば、“死ね、朝鮮人”と言って殴ることもあり得る。その意味で、旭日旗は絶対だめだ」。

 さらに梁氏は「日本では相模原障害者殺傷事件が起きたように、ヘイトクライムのリスクが高まっている。すでにKKK(クー・クラックス・クラン)やネオナチと同じような集団が日本でも出てきているし、彼らを放っておけば、大事件に発展するということだ。偏見が行動になり、それが差別、そして暴力になってジェノサイドにつながる。日本は欧米には存在する“差別禁止法”を作らないままオリンピックをやろうとしているし、ここで歯止めをかけていかなければいけない」と警鐘を鳴らした。 

 竹田氏は改めて「私は右翼が日の丸を掲げるのも嫌だし、使い方には気をつけてほしいと思っている。だから一部のおかしな人が差別をするときに使ったなら、それは批判して止めさせるべきだ。だからといって、全ての日本人が旭日旗を使わないようにしましょうというのは議論の飛躍だ」と話した。

 五野井氏は「竹田さんの主張には若干の詭弁もある。日本と韓国が戦ったか戦っていないかではなく、支配・被支配、植民地化の問題は、植民地にした側として認識しなければならないからだ。ただ、竹田さんのお父さんはそれこそJOCの前会長。そういう方が変な方向に旭日旗を使うのはダメだと発言したことには意義があると思う。まさに我々は一致してそういう使い方を禁止していかなければいけない」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

▶動画:日韓の火種”旭日旗”日の丸との違いは?

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