『べらぼう』別ドラマへと繋がる<ある演出>に視聴者歓喜!「『光る君へ』が作家の物語なら、今作は…」「『らんまん』で職人から印刷技術を学んだ万ちゃんの姿と…」
2025年1月21日(火)14時50分 婦人公論.jp
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第3回「千客万来『一目千本』」が1月19日に放送され、話題になっています。
*以下「千客万来『一目千本』」の放送内容のネタバレを含みます。
●「千客万来『一目千本』」あらすじ
蔦重(横浜流星さん)は吉原細見の改を行った後も、女郎たちから資金を集め、新たな本作りに駆け回る。
駿河屋(高橋克実さん)は、そんな蔦重が許せず激怒し、家から追い出してしまう。
それでも本作りをあきらめない蔦重は、絵師・北尾重政(橋本淳さん)を訪ねて…。
その頃、江戸城内では、田沼意次(渡辺謙さん)が一度白紙となった白河松平家への養子に、再び田安賢丸(寺田心さん)を送り込もうと、将軍・家治(眞島秀和さん)に相談を持ちかけるが…。
駿河屋から勘当された蔦重
平賀源内に”序”を書いてもらったことで、『細見嗚呼御江戸』は大いに話題に。
しかし本そのものは売れるも、吉原の客足は思ったより伸びず、悩む蔦重。
そこで一計を案じ、あらたに<入銀本>の企画をでっちあげることに。
長谷川平蔵から50両を巻き上げたのちも、女郎から多くの入銀が集まったために、タダで本ができることとなり、喜ぶ女郎屋の主人たち。
しかし蔦重の育ての親・駿河屋の主人・市右衛門だけは激怒。ついに蔦重を勘当してしまいます。
草花に<見立て>る案を思い立ち…
その後、河岸見世に転がり込んだ蔦重と唐丸は、さらに一計を案じ、吉原のなじみ客にならないと手に入らない本を刊行することを考えつきます。
実際に本を刊行すべく「女郎120名の描き分け」ができる絵師を求めて、北尾重政のもとを訪れた蔦重。
当初「描き分けは難しい」と渋る重政でしたが、やりとりのなかで蔦重が女郎を草花に<見立て>る案を思い立ったことで、本づくりは無事にスタート。
重政が描いた絵をもとに彫師や刷師の手で刷り上げたものを、女郎たちの力を借りながら、順調に製本していきました。
「何かもう、夢ん中にいるみてえだ!」
そして遂に完成した『一目千本(ひとめせんぼん)』を手にした蔦重。
「いやあ…。なんかすげえ楽しかったなあ…。いや、やることは山ほどあって寝る間もねえくらいだったけど、てえへんなのに楽しいだけって…。んな楽しいこと世の中にあって、俺の人生にあったんだって…。何かもう、夢ん中にいるみてえだ!」と本づくりの楽しさに気づくと、歓喜の声をあげるのでした。
アイデアマンである蔦重は、その後女郎屋はもちろん、湯屋や髪結い床、居酒屋などへ『一目千本』の見本を無料で配布することで、「ほしかったら吉原に行け」というサンプルプロモーションを実施。
その内容の面白さとプロモーションが見事にハマったことで、吉原は客であふれかえります。
そして駿河屋市右衛門から理解を得、勘当を解かれた蔦重は、義兄・次郎兵衛を手伝うべく、手引茶屋「蔦屋」にむけて唐丸とともに駆けだすのでした。
「本」が重要な役割を
当初、吉原へ客を戻すための施策としてかかわった「本」でしたが、結果として、自ら本づくりに携わることになった蔦重。そしてその過程で、本を生み出す楽しさに目覚めていく……ということが今回のドラマの中で示唆されました。
一方、大河ドラマとして前作にあたる『光る君へ』では、主人公のまひろこと紫式部が作者として『源氏物語』を書き上げると、それが宮中を席巻。ついには歴史を動かしていく様が描かれるなど、近年のNHKでは「本」が重要な役割を演出するドラマが多いことから、ネットでもそうした感想を呟く人が続出。
たとえば「主人公が手掛けた本が大ヒットする様子を2年続けて見ることになるとは」「『光る君へ』に続いて、手作り同人誌制作?」「『光る君へ』が作家の物語なら、今作のべらぼうは編集者の物語」「『光る君へ』では写本に時間がかかってたのが、『べらぼう』では木版画でスピーディに。技術革新に目を見張る」「木版画の作業に立ち会い、クライアントとして職人にその場で細かい注文を入れる蔦重の姿が、印刷所に通って技術を学んだ『らんまん』万ちゃんの姿と重なる」「『らんまん』の石版印刷にも心躍ったが『光る君へ』『べらぼう』にも本づくりの工程が描かれて盛り上がる!」といった声が見られていました。
ーーー
大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。
関連記事(外部サイト)
- 次回『べらぼう』あらすじ。『一目千本』の成功で次なる一手を打つ蔦重だったが、自身の知名度の低さで苦戦を。一方、賢丸は養子の件を撤回するため…<ネタバレあり>
- 『べらぼう』<これは子どもに見せられない>と思った瞬間、画面に映ったのは…視聴者「私の心が汚れていました」「家族で見ていて焦った」「帯を引っ張って回してますよね?」
- 『べらぼう』蔦屋重三郎、初の自主制作本『一目千本』が大ヒット!客の興味を掻き立て、吉原の遊女からも評価を高めた<画期的すぎる方法>とは
- 本郷和人『べらぼう』蔦重が活躍する江戸時代に人口が激増。平和な日々で庶民が励んだのは<子育て>と…当時の日本が「識字率世界一位」になれたワケ
- 本郷和人『べらぼう』蔦重が生きた江戸時代の人口は<関ヶ原の戦い>の頃に比べて、なんと…「たった100年」でかつての日本が人口を倍増できたワケ