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なぜその展開でペッティングOKになるのか……JK心理の謎が謎のままだった『クズの本懐』第2話レビュー!

おたぽる1月20日(金)23時59分
画像:なぜその展開でペッティングOKになるのか……JK心理の謎が謎のままだった『クズの本懐』第2話レビュー!
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 泣き出してしまった花火(CV:安済知佳)に覆いかぶさると、麦(CV:島崎信長)は「舌、出して」と、なかば命令口調で告げていた。

 言われるままに、花火のくちびるの間からは小さく濡れた舌が、まるで意志を持った別の生き物のように、そっと這い出してくる。その艶めかしい物体に、おもむろに吸い付く麦。カラオケボックスにそぐわない静寂の中、くちゅくちゅという唾液の絡まる音だけが響き渡る。

 行為を次の段階へ進めようとした麦の脳裏に、彼の名を呼ぶ女性の声が響く。

「粟屋、粟屋、触ってよ……」

 それは、粟屋麦、中学生のときの記憶。初体験の相手だった先輩の面影。

「麦……?」と花火。

「違うでしょ、お兄ちゃん」

 そう、2人はこうして肌を重ねるとき、約束事をしていたのだった。花火は麦を“お兄ちゃん/鐘井鳴海”だと、麦は花火を“先生/皆川茜”だと思って、すること。

 麦の頭の中は、次第に茜の身体で満たされていく。見たことのない、茜の裸体に。

「あなたでこんなこと考えるなんて、それで安心するなんて、いっそ、叱ってくれればいいのに……」

 と、以上が今期「ノイタミナ」枠で放送されている『クズの本懐』第2話におけるエロシーンのすべてでございました。

 前回のレビュー(http://otapol.jp/2017/01/post-9337.html)で、なんだかリア充ならではの悩みみたいなことがつらつらと語られていて、どういうふうに見たらいいのかよくわからないけど、とりあえずエロいから見続けよう! と書いた本作。第2話にして、いよいよ印象が鮮明だったのがこのエロシーンだけという絶望的な展開に陥っています。

 いや、決してつまらないわけじゃないんです。何事かがシリアスに語られているのは雰囲気的に理解できるし、わたしも大人なので「たぶんこういうことなんだろうな」と察しをつけることはできます。だけど、自信がないんですよね。こういう高校時代を、まったく、ビタイチ、微塵たりとも経験していないので、「たぶん」に自信が持てない。自信が持てないまま、お話を振り返ってみましょう。

 花火と麦は、お互いが好きじゃないことを除いては、ごく普通の美男美女カップルです。一緒に帰るし、ひとつのペットボトルを分け合って平気で間接キスするし、その流れで直接キスしようとしたりします。

 今回、そのキスに「ダメー!」と絶叫しながら割って入ったのが「最も可愛い」と書いて「モカ」を自称する鴎端のり子(CV:井澤詩織)でした。麦の幼なじみで、小さいころに大人たちから「のり子ちゃんと麦くんは、一緒にいると、お姫様と王子様みたい」と言われたことをキッカケに呪いにかかり、以来、お姫様として王子様・麦を付け狙っています。付け狙っているというか、本気で好きみたいです。

 麦は、花火を「彼女です」とモカに紹介します。実は、花火とモカも小学校時代の同級生。モカは麦に対し、「こんな女に騙されてかわいそう」と告げます。

 しかし麦は「それも込みで花火だから」。性悪な部分も認めて、花火と付き合っていることを明かし、花火も「ありがと、あたしも麦の全部が好き」と答えると、「だから人のモノに、あんまり無許可で引っ付かないでね」と、おっかない顔でモカの胸倉を掴み上げました。

 このとき、麦から「それも込みで花火だから」と言われたときにですね、花火はちょっと感動したというか、胸キュンしたような表情を見せたんですね。わりとわかりやすく、お互いが好きな人の“身替り”として付き合うことになった2人が、結局、気持ちもつながっていくのかな、と察するわけです。

 でも、そんな一筋縄ではないんですよねー。花火、ホント複雑なんです。

 モカに対する中途半端な態度に対して「優越感に浸ってるだけ」と断罪してみたり、それを「独占欲でも湧いたの? 嫉妬?」と聞かれれば「所有欲の間違い、どうかな──」と視線を遠くへ投げてみたり。

 恋愛相談してきたクラスメートが、2股状態で「どっちを選べばいいか」と悩んでいれば、「もし本当に、どっちの人も好きで苦しいなら苦しみきった方がいいよ」とか、謎の上から目線を発揮したり。

 大好きな鳴海先生と2人きりになったチャンスを、茜のピアノの音によってジャマされて、麦とカラオケに行って憂さ晴らしをするところまではわかるけど、そこで麦に「あきらめようとは思わないの? もっと若くてカッコイイ奴いるだろ」と問われると、「お兄ちゃんはカッコイイよ」と急に泣き出したり、その流れで冒頭の「舌、出して」からのベロチューに突入したり。

 うーん、なんなんすかね。JKって、みんなこうなの? モテる人って、こういう人生を生きてるの? 察せない。まるで察せない。なぜそこから、その流れでペッティングOKなのか……。

 そんな花火にも親友がいます。「えっちゃん」こと絵鳩早苗(CV:戸松遥)は、花火にとって唯一といっていい女友達(ということは、やっぱり同性にもあんまり理解されてないんでしょうな)。クールで切れ長な瞳を持つ美少女です。

 ある日、えっちゃんを「泊まりに来ない?」と誘った花火。親友なので、えっちゃんも当然OKです。「同じ布団で寝たりしちゃうのかな」とか考えながら、お泊まり会の準備をする、えっちゃん。花火は「夜通しガールズトークがしたい」と言っていました。同性だから気軽に泊まりに来られるし、いつもより近くにいられるし、それだけでラッキーだと思って、ひた隠しに隠し続けてきた親友・花火への「恋愛感情」を抑え込んできたのに……えっちゃん、花火にキスしてしまいましたとさ。

「あーあ、バカ。もう死んじゃえ、私」

 というところまでで第2話はおしまい。

 普通、登場人物に共感できない物語って見ていて不快になりそうなものなんですが、『クズの本懐』はそうでもないんですね。なんだかんだ、「ちゃんと見なきゃ」という気分にさせてくれるだけの要素は表現されているように感じるんです。

 それってたぶん、彼女たちの「どうしようもなさ」なんだろうな、と思うんです。花火がお兄ちゃんに寄せる思いは真剣で、だけど麦と付き合うことにしてセックス以外だいたいヤラせてる。えっちゃんは本気で花火が好きだけど、今の関係を壊したくないと思っている。それでも思いがあふれてキスしてしまう。でもそれって「どうしようもねえんだろうな」と思わせる、演出なのか作画なのか、あるいは脚本の行間なのか、それなりに“魅せる力”を持った作品だと思います。

 あと、戸松のえっちゃんが百合展開でどんなふうに鳴くのかも、興味ありますしね。

 ちなみに18日深夜からは同じフジテレビ系でドラマ版の『クズの本懐』も始まりました。FODで先行配信されていたものですが、こちらではオスカー期待の新星・吉本実憂ちゃんが制服姿でくちゅくちゅしております。これはこれで。これはこれで!
(文=新越谷ノリヲ)

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