腐女子の存在がリアルゲイを自由にする──業界初の実録BL『たとえばこんな恋のはなし』は、こうして誕生した!

1月21日(土)22時0分 おたぽる

『たとえばこんな恋のはなし』(作:波真田かもめ/リブレ)

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 なんと! 看板に偽りなどないホンモノの実録である。

 リブレの人気BL雑誌「月刊マガジンビーボーイ」2月号から連載が始まった、波真田かもめさんの作品『たとえばこんな恋のはなし』。

 この作品、業界でも初めての、実在するゲイカップルの取材をもとに描かれる「実録BL」なのである。

 BLを愛好する(主に)女性をターゲットにした「実録」とは、どんなものなのか。さっそく読んでみて、驚いた。

 物語は、高校時代の経験からゲイであることを自覚していた主人公・明良の視点で始まる。明良は、高校時代から、同級生などにも惹かれてはいたものの「ノンケに恋をしちゃいけない」と考え本気で恋愛をしていなかった。そんな彼がノンケの男性と同棲を始めてしまうのである。

 ネタバレになってしまうので詳細は省くけど、出会いは最悪。しかも、ゲイの主人公が押せ押せでノンケを口説くのかと思いきや、違う。ノンケのほうが「転勤で東京に来た」という理由で押しかけ同棲が始まるのだ。

 いやいや、これまで数々のヒロインが押しかけてくる作品は知ってるけれども、ノンケのほうが、押せ押せでやってくるなんて!

 こんな驚きの作品はどうやって出来上がったのか、好奇心を抑えきれずに編集部を訪ねた。

「月刊マガジンビーボーイ」の編集・廣瀨茉衣子さんが語る作品誕生のきっかけは、こうだ。

「友人つながりで、主人公の明良のモデル・柳賢斗さんにお会いしたのですが、そのときに、旦那さんともう10年も一緒に暮らしているというのです。それで、いろいろとお話をお伺いしていたら、周りにいた腐女子の皆さんも目の輝きが違っていて……これだ! と思ったんです」

 これは結構な驚きである。現実のゲイとBLとの間には、あくまで現実とフィクションという溝があるのだと思っていた。ところが、BLが、当たり前に存在しているものとして、世間に知られるようになったからだろうか。必ずしもそうではなくなっているようだ。

 廣瀨さんは、作品制作にあたって柳さんから「腐女子が自分たちを認めていることによって、自由に生きられるようになってきていると感じている」という言葉も聞いたという。

 なるほど、男性向け作品でも、昨今は男の娘やTSFジャンルが幅広い層の支持を受けるようになっている。BLでも同じような現象、すなわちフィクションが現実に作用することが起こっているということだろうか。

 そんな驚きばかりの実録を描く波真田先生は、よい意味でフィクションを感じさせない作風が特徴。今回も、日常系BLといえば波真田先生しかいない! ということで決まったのだという。

 連載は全5回を予定しており、次号以降も、リアルな日常が描写されていくという。

 しかし、やっぱり気になるのは同棲が10年も続いていること。廣瀨さんも、そこは気になったようで、柳さんに尋ねてみたところ……

「2人の寝床をシングルベットにしておくのがケンカを長引かせないコツ」

 なるほど。相手の心音の聞こえる距離感は、心を落ち着かせるのか! でも、普段は狭そうだな……。
(文=昼間たかし)

■月刊マガジンビーボーイ公式サイト
http://www.b-boy.jp/magazine/bboy/

■「ビーボーイ編集部」ツイッターアカウント
@bboy_editor

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