プロインスタグラマー、企業と一緒に何が映えるか考える

1月21日(日)7時0分 NEWSポストセブン

インスタで収入を得る「プロインスタグラマー」は珍しくない

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 現在大人気となっている写真共有アプリ「インスタグラム」。地方に住む専業主婦がインスタを通じてカリスマに…そんなシンデレラ・ストーリーを歩んだのが栃木県在住の主婦・まこつさん(34才)だ。


 独身時代にギャル系ファッション誌『小悪魔ageha』の読者モデルとして人気を博したまこつさんは、東京を離れた後、会社員の夫と知り合い結婚。地方で主婦生活を始めた。


「そこで待っていたのは、同じことを繰り返すばかりの毎日でした。主婦業は誰かに評価されたり褒められたりすることがなく達成感がない。東京ではわりと華やかな生活をしていたので、周りから『都落ち』と言われて、『私はもう夢を見ることはやめよう』と自信をなくしました」


 憂鬱な日々を変えたのがインスタだった。


「最初は日々の暮らしを写真に撮ってインスタに上げるだけでしたが、ある日、夫のために作ったお弁当をアップしたら『いいね!』がついて、それからお弁当メインに。毎朝5時に起きてお弁当を作って、完成した後にバシャバシャ写真を撮る時は最高にテンションが上がります(笑い)」(まこつさん)


 誰もが知っているスナック菓子のパッケージや人気キャラクターを模した「デコ弁当インスタ」が話題を呼び、フォロワー数はあっという間に11万人を超え、昨年9月にはインスタを一冊にまとめた著書まで出版している。


「容姿が求められた昔より、自分の技術や発想力が評価される現在の方がうれしい。長い文章を読むことも書くことも苦手なので、写真1枚をアップするとパッと共有できることが自分に向いています」(まこつさん)


 彼女ほどの人気はなくても、最近はインスタにハマる主婦が多い。『Facebookを「最強の営業ツール」に変える本』(技術評論社)の著者でITジャーナリストの坂本翔さんはその理由として、「承認欲求の充足」をあげる。


「主婦で多いのは、料理写真の投稿です。人間は自分の価値を認めてもらいたい“承認欲求”を持ちますが、とくに主婦は社会から孤立していて、せっかく家事をしても誰にも褒めてもらえないことが多い。でもインスタに料理をアップしたら、『おいしそうですね』『ちょうど晩ご飯に困っていたので、作ってみようと思います』などと、見ず知らずの人から肯定的なコメントが届きます。それを読んだ主婦が『もっと多くの人に見てもらうために料理を頑張ろう』と思うようになり、ますますインスタにハマるんです」(坂本さん)


 まこつさんのようにインスタで人生が変わった人は少なくない。タレントの木下優樹菜(30才)もその1人である。


 2012年にインスタを始め、夫や娘との日常生活の写真をアップして人気を博し、今や芸能人フォロワーランキングで4位を獲得。競争の激しいママタレたちの中でも頭一つ抜けた存在となっている。そんな木下にとって、インスタは「ありのままの自分を見せる場所」だと言う。



「1枚の写真を撮るのも1分でサッとやってしまうし、部屋がぐちゃぐちゃなこともある。だけど、そんなふうに素の自分をさらけ出した投稿に共感してもらえると、私自身も『このままでいいんだ』と救われます。だから、これからも絵日記のように日常を綴ってゆきたいと思っています」(木下)


◆インスタグラムで「だんご」が大ヒット


 フォロワー数が多ければ多いほど、企業はインスタに注目する。現在はインスタで収入を得る「プロインスタグラマー」も珍しくない。女性ファッション誌『CanCam』の塩谷薫編集長はこう話す。


「たとえば、カメラのメーカーとタイアップして旅をして、そのメーカーのカメラで撮った写真をインスタにアップするケースなどもあります。今やフォロワー数が多く影響力のあるインスタグラマーは、企業のマーケティングに欠かせない存在。雑誌の読者モデルも、昔は人気が出るとネイルサロンなどを起業しましたが、今はプロインスタグラマーになる人も少なくありません」(塩谷編集長)


 そんなプロインスタグラマーの小竹麻美さんが言う。


「今の若い女性はカフェや旅行へ行く時も洋服を選ぶ時も、インスタを見て決める人が多い。インスタが素敵だったら、口コミでお客さんが集まるので、どんな企業も“映える”写真をアップすることに注力しています。カメラや旅行会社とのタイアップはもちろん、企業のかたと一緒に“どんなインスタが映えるのか”を考えるのもプロインスタグラマーの仕事です」


 インスタが町おこしになるケースもある。愛知県犬山市にある国宝・犬山城の城下町で販売されている「恋小町だんご」は1枚の写真がきっかけで売り上げを大きくのばした。販売している「茶処くらや」の尾辻大志店主が言う。


「もともと鉄板焼き屋で焼きそば、お好み焼き、牛串などを出していましたが、客足が遠のく午後の時間帯に何かできないかと考案したのが『恋小町だんご』です。城下町といえばお団子なので、アレンジしてひとつひとつ違う味を楽しめるようにしました」


 販売開始直後、1日の売り上げは10本ほどだったが、ある女子高生が「きれい! かわいい!」という言葉とともに写真をアップすると瞬く間に拡散して、「いいね!」が1万2000件にはね上がり、女子高生が店舗に殺到した。


「カウンターで常連のおじさんがお酒を飲んでいる後ろに女子高生が並ぶ不思議な光景になりました(笑い)。多い日には1日1000本売れるようになり、鉄板焼きを休んでお団子一本にしました。ありがたいことではありますが、SNSのスピード感には少し怖さも感じます」(尾辻さん)


※女性セブン2018年2月1日号

NEWSポストセブン

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