前澤友作氏関連の話題も?ネット用語としての「乞食」とは

1月21日(月)16時0分 NEWSポストセブン

まさに時の人(時事通信フォト)

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 QR決済アプリ「PayPay」が12月4日から総額100億円の還元キャンペーンを始めたところ、期限は3月末までだったが、参加者殺到のためわずか10日間で終了した。そして1月、実業家の前澤友作氏が、お年玉100万円を100人にあげるとTwitterで発信すると、再びネットは大いに盛り上がった。ネット上では、カネやモノへ露骨に群がる態度は「乞食」「クレクレ」と呼ばれ馬鹿にされるが、こういった盛り上がるイベントは定期的に起きる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、彼らの行動パターンとその影響について考えた。


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 株式会社ZOZOの前澤友作社長による「このツイートをRT(リツイート=引用)した人100人に100万円あげる」というツイッター企画が大いに盛り上がったが、この時にネットに頻出した言葉が「乞食」である。元々ネットではカネに対して強欲であることについては根強い反発はある。この世紀の「祭」を引いた目で見た人々は、100万円欲しさからRTをし、その100万円で何をしたいかを前澤氏に滔々と訴える人々を「乞食」扱いしたのだ。


 この「乞食」という言葉だが、差別用語として実生活ではほぼ使われない言葉であろうが、ネットでは案外目にする。その一つが「乞食速報」である。何らかのお得なセール情報があった場合などに、5ちゃんねる(元2ちゃんねる)等で共有するのだ。この言葉を冠したツイッターのIDもあるが、「乞食」を謳いつつもお得な情報が満載なので節約家はフォローするのも手である。


 また、「○○が当たる!」などの抽選関連情報をまとめたサイトもあるため、若干躊躇するかもしれないが「乞食速報」と検索窓に入れてみると案外有益な情報にぶち当たるかもしれない。


 消費者にとっては良い面もあるものの、しかしながら企業の側は注意が必要である。価格の誤表記をしてしまった場合、こうした「乞食速報」やSNSを通じて一気に情報が拡散し、訂正や謝罪に追われることになる。購入者の中には、「売買は成立しているんですけど」などと猛烈なクレームをつけてくる者もいることだろう。その場合は、売買契約を成立させないまでもお詫びとしてポイントを付与したり、商品券などを送るなどの対応を取らざるを得なくなるかもしれない。



 2009年、某通販サイトが飲料等をケース単位で販売していたが、本来「ケース」で価格を表記すべきところを「単価」で表記してしまった。すぐにこの情報はネットを駆け巡り、本来180万円のビール6000本を6万円で実際に購入し、58万円での転売に成功した者もいる。1本5万円する工具2万本セット(10億円分)を「5万円」と表記した例もある。


 2015年にも本来18万6500円のPCが1865円で売られていたことから、「みんな急げ!」とツイッターで呼びかけられ大量拡散。その後販売会社が訂正を行う騒動になった。


 とにかく世の中にはお得な情報を血眼で探している人がいるわけなので、ネットで情報発信をするにあたっては最大限の配慮が必要だ。かつて告知手段が折り込みチラシや新聞広告等に限られていた時代は、必死に校閲し、価格の誤表記はせぬよう万全の体制を組んでいたものだが、ネットの情報発信はお手軽なだけにチェックが緩くなりがちである。


 なお、前澤氏は某番組で紹介された難病の子供を救うために自分の個人的寄付に加え、「1RT10円」の寄付をするとツイート。これに対しては「黙って寄付すればいいのに」といった批判が出たほか、前澤氏のことを「RT乞食」と呼ぶ人も出てきた。要するにRTのためならなんでもやる人、ということだ。まさか「乞食」に群がられていた同氏が「乞食」扱いされるとは。


●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など


※週刊ポスト2019年2月1日号

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