「アニメっていいよね」を広めるため——「AnimeJapan 2015」総合プロデューサーに聞いた"今年はここがスゴイ!"

1月22日(木)20時0分 おたぽる

株式会社サンライズ・池内謙一郎氏(写真左)、バンダイビジュアル株式会社・廣岡祐次氏(写真右)。「AnimeJapan」ということで、AとJのサイン。Jが逆向きなのはご愛嬌。

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 3月20日から東京ビッグサイトで開催される「AnimeJapan 2015」。昨年、東京国際アニメフェアとアニメコンテンツエキスポが合体して始まった日本最大級のアニメの見本市だ。昨年、第1回の開催を経て、今年、同実行委員会はどのような展望を抱いているのか? 今月23日に予定されている企画やステージ出演者を発表するイベント「AnimeJapan プレゼンテーション#2」(http://live.b-ch.com/ajpresentation[バンダイチャンネル]/http://live.nicovideo.jp/watch/lv206152341[ニコニコ生放送])を前に、総合プロデューサーである株式会社サンライズ・池内謙一郎氏、バンダイビジュアル株式会社・廣岡祐次氏に話を聞いた。

——いよいよ今週金曜日はAnimeJapanプレゼンテーションですね。どんな発表予定ですか?

廣岡 詳細は発表会をご覧いただければと思いますが、ステージラインナップや出演者、パワーアップしたエンタメの各種施策などなど、本当に大量の情報を出します!

——なるほど、楽しみですね。「AnimeJapan 2015」は2回目の開催となり、エンタメ以外でも規模が大幅に拡大する予定ですね。第1回の開催後、どのような意見が出たのでしょうか?

廣岡 まずは家族向けの対応です。今回、1(ひと)ホールの半分を使ってファミリーエリアを作るんですが、これは実感として昨年ファミリーの来客が想定よりとても少なかったことが理由です。また、仮に来たとして、ファミリーが安心して楽しめる空間ができていたかといえば、できていなかったと思います。そこで今回、入場料を小学生以下は無料にし、入場口も(一般と)分けることにしました。

——今年の「AnimeJapan 2015」はファミリー層の取り込みを重視している印象ですが、これは将来を見据えた意図があるのでしょうか?

廣岡 はい。「AnimeJapan」は利益だけを目的にするなら、前回やったようなオープンステージやビジネスセミナーをすべてなくして、物販だけすればいいんですよね。でも、「AnimeJapan」の意義はそうではありません。お子様や、業界を目指す人など、これからの世代に向けて「アニメっていいよね」という意識を広めていくことだと思っているんです。

——やはりアニメファンだけが来場していてはダメ、という意識を実行委員会の皆さんが共有していらっしゃる?

廣岡 ダメというわけではありません。あくまでメインのお客様は既存のアニメファンの方々です。けれども、下の世代にも興味を持っていただけるような機会を増やさなければ、将来的には先細っていくとは思っています。私たちが子供の頃は夕方にアニメの放送も数多く行われていましたが、現在は深夜がメインになってしまっています。相対的にアニメに触れる機会が減ってきているので、英才教育というわけではありませんけど、子供の頃からもっとアニメに親しんでほしいと思っています。

——ファミリー向けの宣伝は、難しいのではないですか?

廣岡 実はそこを苦労しています。子供が「ここに行きたい」と言って行くのか、親が「これ、面白そう」と子供を連れて行くのかは、ちょっとベクトルが違うとは話し合っています。その中で、まずは"子供が行きたいと思うイベント"を目指しています。その中で子供向けの雑誌への広告であったり、あとテレビCMをどうするかは悩むところです。子供向け番組はどうしてもCMの枠が深夜と違って......(料金が)高いのはもちろん、枠も埋まってますから。あとは、地道に幼稚園や小学校に告知を配布できないかとも考えています。

■異業種出展に就職...「AnimeJapan」が映し出す、ビジネスとしてのアニメ業界

廣岡 ビジネスに関しては、昨年は海外からも多くの方がいらっしゃるという前提で、日本のアニメが盛り上がっている雰囲気を感じてもらおうと思い、ビジネスデーやエリアは設定しませんでした。そこで、問題は二つありました。ひとつは、商談の場としては周囲の音が大きすぎるということ。もうひとつは、主に外国の方から「ビジネスは土日よりも平日のほうがよい」という意見が寄せられたことです。そこで、今回は金・土曜日にビジネスエリアを設けて、ビジネスがメインの人にも(日本アニメの)雰囲気を感じたい人にも対応できるようにしました。

——ビジネスエリアは、すべて商談メインで設定しているのですか?

廣岡 100%そうではありません。とはいえ、80%くらいは商談かなとは思っていますけど。もうひとつ目標にしているのが、国内ビジネスの活性化です。ビジネスエリアの中にスペースを設けるのですが、簡単にいえば新たなマッチングの活性化を狙っています。

 昨年、キャラクターを描いたケーキを販売している会社様などの出展がありましたが、通常の業務ならばアニメとは接点のない業種ですよね。そういう業種の人たちが「うちの会社もアニメと繋がれるんじゃないか」というきっかけづくりの場になれたらと意識しています。

——コラボ商品は次々と生まれていますが、定番を超えてさらなる新しいものを目指している?

廣岡 そうですね。それは、お互いにとって良いことだと思っています。

——出展企業は昨年よりも増えそうです。この背景には何があると分析されていますか?

廣岡 昨年は第一回目だったので、様子見の人(企業)も多かったと思います。今回2回目の開催で出展企業が増えそうだというのは、出展社の狙っていることを「AnimeJapan」で実施できているからではないかと思います。

——出展側に聞いたところ、昨年の「AnimeJapan 2014」では物販の伸びがイマイチだったという声も聞かれました。それでも、企業側としても参加する価値があると。

廣岡 そうですね。でも、そういう声があるのは申し訳ないです。

——コミックマーケット(以下、コミケ)の企業ブースほど、物販が伸びない理由というのは分析していますか?

廣岡 会社によって、出展の目的が違うんじゃないでしょうか。コミケの場合は、完全に物販がメイン。「AnimeJapan」の場合、新番組の宣伝、会社のアピールが主体のところも多いですから。

池内 コミケは、皆さん買うつもりで来場していますしね。

——コラボフードの実施は難しかったのですか?

池内 水回りなどのインフラの整備をしないといけないので、困難でした。やっぱりやりたい思いはあるので、事務局にはずいぶん頑張ってもらったんですが......。

——今回、昨年好評だった、アニメ業界への就職希望者との面談コーナーはなくなったということですが。

廣岡 ええ、(昨年の「AnimeJapan」で)各社の担当時間すべてがフルに埋まる状態でした。実行委員会メンバーが中心で面談を実施していたのですが、皆さん各ブースの仕事と実行委員会の仕事も兼ねていたため、とにかく負担がすごかったもので。でも、それくらい大勢の人がアニメ業界に興味を持ってくれているのは、よく理解しています。ですので、もう少し負担を減らした形で何かをやりたいなとは思っています。

——アニメ業界への就職希望者は、むしろブースで空気感に触れるという方法も?

廣岡 そうです! 今年は、昨年よりも就職活動の開始時期が遅くなりました【註:経団連では2016年卒から面接解禁を8月に後ろ倒し】ので、業界を見極めるのに3月末はいい時期かな、と思っています。

池内 アニメの仕事をするといっても、制作から広告代理店までさまざまです。私も社外の方に「サンライズ所属です」と言うと、アニメーションを作画しているイメージがあるせいか「じゃあ、絵が描けるんですね」と言われます。私の業務は営業なので、作画をすることはありません。同じ会社でも部署によって業務内容は異なります。各社はどういう仕事をしているのか、あるいは自分が何をしたいか、何ができるかを知る場所としても「AnimeJapan」を役立ててもらえると嬉しいです。

■動員目標は12万人! "お祭り"としての「AnimeJapan」

——「AnimeJapan 2015」では、実行委員会が新しくやってみたい試みがすべて投入できていますか?

廣岡 昨年から実行委員会では「3年で完成形にしたい」と言っていました。そこで今年は、先ほどお話ししたように、ファミリーとビジネスを増床しました。この結果をブラッシュアップして、来年には(「AnimeJapan」を)完成に持っていけたらと考えています。

——「AnimeJapan 2015」、今年の動員目標は?

廣岡 12万人です。第1回の来場者数は11万1252人でした。なお、前夜祭は入れないでの来場目標です。

——今回、前夜祭としてアニソンのクラブイベント「AJ Night」が企画されていますね。こちらを企画した理由は?

廣岡 昨年は(前夜祭として)ビジネス向けのレセプションパーティーを開催しました。それで、今年も予定していたら「(『AJ Night』の会場となる)Zepp Tokyoが空いている」という話があって、「じゃあ、お客さんを入れたイベントもやろうか」ということになりました。

池内 前夜祭もビッグサイトでやれないかなと思ったんですが、それはちょっと難しいので。近隣での開催になりました。

廣岡 おそらく地方から来場される人も多いと思うので、前泊されるきっかけになるかなと。どうせなら、一緒に遊んで寝てから「AnimeJapan」に来場してほしいですね。

——冒頭にもありました、23日のプレゼンテーションのお話に戻ります。これは告知の面で効果があるとの判断ですか?

廣岡 そうです。公式サイトに情報を発表するよりも、チケット販売を前にプレゼンテーションを開催することで、お祭り感を出していきたいと考えています。昨年は開催発表自体が10月という、時間のない中で準備をしていました。ですので「とにかくやらなきゃ」という思いで実施したのですが、蓋を開けてみたら来場者もネットでの視聴数もけっこうありました。サラリーマンが出ているだけなのに(笑)。あんな場でも注目度が高いことがわかったので、しっかりやっていきたいと考えています。

——せっかくなので、大勢がプレゼンテーションに来場してほしいですよね。「プレゼンテーション」に来場すると、どんな面白いことが待っていますか?

廣岡 誰よりも早く、ステージの発表を知ることができます。また、今回はほかのステージやゲストの内容など、去年よりも多くの情報を知ることができますよ!

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 一昨年の開催発表から継続している取材の中で感じるのは、「『AnimeJapan』というイベントをファンに少しでも楽しんでもらいたい」という実行委員の意志である。そのために彼ら実行委員会は会社を横断して、この祭典を少しでも盛り上げようと工夫を凝らしている。単に「会社から割り振られた業務だから」という意識など微塵もなく、労苦を惜しまない。果たして、その思いが今回はどのように結実するのか。興味のある人々は、まずは23日のプレゼンテーションに集って、一緒にお祭り感を楽しんではどうだろうか。
(取材・文/昼間 たかし)

■AnimeJapan プレゼンテーション#2
http://www.anime-japan.jp/news/
会期: 2015年1月23日(金)
会期時間: 開場18:30 開演19:00 終了20:30予定
観覧希望の方は当日アニメイト池袋本店1Fコンシェルジュカウンターへ
会場: アニメイトホール (アニメイト池袋本店9F)
 (〒170-0013東京都豊島区東池袋1-20-7)


・バンダイチャンネル 内: [http://live.b-ch.com/ajpresentation]
・ニコニコ生放送内: [http://live.nicovideo.jp/watch/lv206152341]

おたぽる

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