注目ワード小林麻耶・市川海老蔵 安室奈美恵・沖縄 お笑い芸人・アンケート結果発表 シニア世代・力と協調性 小池百合子・新党 2017秋・髪型

BIGLOBEトップBIGLOBEニュース

SF作家・平井和正氏逝去——リアル犬神明をも生み出した、これからの世代に伝えたい"あの熱狂"

おたぽる1月22日(木)3時0分
画像:『幻魔大戦』第1巻(KADOKAWA)
写真を拡大
『幻魔大戦』第1巻(KADOKAWA)

 1月17日、『ウルフガイ』シリーズ、『幻魔大戦』シリーズなど、膨大な作品を手がけてきた作家・平井和正氏が永眠された。平井氏の作品がどれだけの人々を熱狂させたかは、寄せられたその死を惜しむ声からも一目瞭然だろう。

 思い返せば、『8マン』(講談社/画:桑田次郎)の原作に始まり、『ウルフガイ』『幻魔大戦』と主要著作の合間にも、ライトノベルの元祖とも称される『超革命的中学生集団』(朝日ソノラマ)など......ジュブナイルからハードボイルドなものまで、平井氏は膨大な作品を描き続け、多くの人々を熱狂させてきた。

 平井氏の作家デビューは、1961年に第1回空想科学小説コンテスト(ハヤカワ・SFコンテストの前身)を受賞した『殺人地帯』。1963年からはマンガ『8マン』の原作を手がけて、大ヒット。1967年に石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)との共作として始まった『幻魔大戦』を、平井氏は生涯を続けて執筆し続けてきた(小説版は1979年から)。また、もう一つのライフワークである『ウルフガイ』シリーズは1995年に『犬神明』全10巻で一旦完結するが、翌年からは『月光魔術團』をスタート。その短編、中編等々のさまざまな作品を含めれば、驚くほどの作品を執筆してきた。なにしろ新書サイズの小説が二カ月に一度あまりのペースで刊行されてきたのだから。

 それらの作品の世界観、そして人物描写が呼び起こしたのは熱狂である。ともすれば仰々しいようなキャラクターたちの立ち振る舞いや言葉、それらすべてが少年期から青年期の読者を魅了するものだった。今、文章を生業とする人々の中で、平井作品のようなものを書きたいと考えたことのないほうが少数だろう。

 その熱狂の象徴的な事例が『ウルフガイ』シリーズの主人公である犬神明を自称して、平井氏にコンタクトを取る者までが現れたほど。しかも、平井氏はこの"犬神明"と対談を敢行。徳間書店が発行していた雑誌「SFアドベンチャー」1986年8月号には「平井和正VS犬神明 特別対談 スーパーヒーロー"ウルフガイ"があらわれる!」という記事まで組まれている(なお、平井氏の公式サイトでは、この模様の一部が動画で見られる/http://www.wolfguy.com/realw.htm)。

 この"犬神明"、どう見ても中二病の類いだが......それを真面目に相手にするあたり、平井氏はすでに作家を超えた"何か"になっていたに違いない。

 なにせ新興宗教にハマって作風が変わったり、評論家・中島梓に「言霊使い」と評されてからは、その肩書きを自称。この背景には『狼男だよ』改竄事件(勝手に原稿を修正後出版され、平井氏が激怒した事件)などを経て、自身の文章に絶対的な自信とこだわりを持っていたこともあるだろう。言霊使いゆえに「一度書いた原稿は直さない」とも噂される実力は、今でも多くの作家が目指すところである。一方で『めぞん一刻』(小学館)を愛好し、『女神變生』(徳間書店)などでマンガ家・高橋留美子氏とコラボしたり......。とにかく作品の幅広さは無限大だったといえよう。

 平井作品の評価、その人生については、これからさまざまに論じられていくだろう。それよりも筆者が渇望しているのは、やっぱり平井氏の作品をもっと紙で読みたい、という思いだ。草創期から電子書籍での出版に可能性を見ていたゆえか、現状、平井作品は紙よりも電子書籍のほうが数が多くなっている。それでも、多くのファンにとって、平井作品の思い出は薄くて巻数の多かった角川文庫版の『幻魔大戦』、新書版で全10巻もあった『ウルフガイ』シリーズの完結編『犬神明』などど共にあるのではないか。

 おそらく、平井氏の作品を多く刊行してきたKADOKAWAや徳間書店には、逝去の悲しみと共にそうした想いを持っている編集者もいるはず。書店での偶然の出会いを生み出す紙媒体での刊行(それも文庫とかで)が、どっと増えることを期待してやまない。
(文/昼間 たかし)

Copyright © CYZO Inc. All Right Reserved.

google+で共有する

はてなブックマークで保存する

Pocketで保存する

Evernoteで保存する

関連ワード

最新トピックス

芸能トピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

話題の投稿画像

ページ設定

「作家」「平井和正」「講談社」「ライトノベル」の関連トピックス

「作家」をもっと詳しく

注目ニュース
小林麻耶、海老蔵一家と同じマンションから出ていた NEWSポストセブン9月20日(水)16時0分
3連休の中日ながら、台風が近づいていることもあって人もまばらだった9月17日、市川海老蔵(39才)は、長女・麗禾ちゃん(6才)と長男・勸玄…[ 記事全文 ]
週刊文春「好きな芸人」「嫌いな芸人」アンケート結果発表! 文春オンライン9月20日(水)16時0分
「週刊文春」史上初のアンケート企画「好きな芸人」「嫌いな芸人」のランキングが確定した。[ 記事全文 ]
安室奈美恵が引退発表!「ショックで吐きそう」衝撃広がる 女性自身9月20日(水)19時0分
安室奈美恵(40)が2018年9月16日をもって引退すると、オフィシャルサイトで発表した。[ 記事全文 ]
シニアの就職 業種を問わずコミュ力と協調性を問われる NEWSポストセブン9月20日(水)16時0分
今や、「還暦を過ぎたら悠々自適」というのは夢のまた夢。今年度の年金受給額は0.1%引き下げられる一方、納める年金保険料は増額した。[ 記事全文 ]
「矢口真里の元ダンナ」中村昌也、目も当てられない惨状と次に選んだお相手! アサ芸プラス9月20日(水)9時58分
「中村昌也」と言われてもピンと来ないかもしれないが、「矢口真里の元ダンナ」と言われれば理解する方も多いだろう。[ 記事全文 ]
アクセスランキング
1 小林麻耶、海老蔵一家と同じマンションから出ていたNEWSポストセブン9月20日(水)16時0分
2 週刊文春「好きな芸人」「嫌いな芸人」アンケート結果発表!文春オンライン9月20日(水)16時0分
3 安室奈美恵が引退発表!「ショックで吐きそう」衝撃広がる女性自身9月20日(水)19時0分
4 シニアの就職 業種を問わずコミュ力と協調性を問われるNEWSポストセブン9月20日(水)16時0分
5 「矢口真里の元ダンナ」中村昌也、目も当てられない惨状と次に選んだお相手!アサ芸プラス9月20日(水)9時58分
6 FFの壮大な世界を飛空艇で冒険! USJに超体感コースター「ファイナルファンタジー XRライド」誕生BIGLOBEニュース編集部9月20日(水)16時28分
7 「小出恵介さんは私が17歳だと知っていた」少女の告白文春オンライン9月20日(水)16時0分
8 安室引退発表にSNSで驚き&悲しみの声続々「マジか!?」「ショック」オリコン9月20日(水)19時15分
9 B'z稲葉(52)、テレビでの「豹変」に驚き トーク中「老けた?」→歌「マイナス15歳...」J-CASTニュース9月19日(火)15時53分
10 オードリー、椅子破壊事件の「IKEA」と和解日刊スポーツ9月20日(水)15時24分

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア