安倍首相外遊で鬼の居ぬ間に岸田、野田、石破に不穏な動き

1月22日(月)7時0分 NEWSポストセブン

ポスト安倍に不穏な動きあり(時事通信フォト)

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「国会が終わって蝉の声が聞こえてきた後に考えたい」──安倍晋三首相は9月の自民党総裁選への出馬について余裕綽々の言い方をして通常国会前に東欧諸国とバルト3国を歴訪(1月12〜17日)した。


 訪問先のブルガリアでも、「閣内にあろうがなかろうが、我こそはという人は手を挙げていただければいい」と、“誰の挑戦でも受ける”と総裁3選に自信を見せた。


 そんな“鬼の居ぬ間”を待っていたかのように自民党内で不穏な動きが相次いだ。政権を支える2人の派閥領袖、岸田文雄・政調会長と麻生太郎・副総理が東京都内の料亭で会談を持ったのは安倍首相が留守中の1月15日夜だった。呼びかけたのは岸田氏で、両派の事務総長クラスの幹部も同席した。麻生派議員が語る。


「岸田さんが麻生さんに頭を下げてポスト安倍に向けた協力を要請したと聞いている。派閥合流の話題も出たようだ」


 会談は党内に波紋を広げた。それというのも、岸田氏は安倍首相からの「3年後の政権禅譲」を狙って今年の総裁選には出馬しないという見方が有力だったからだ。しかし、最近は派閥の会合で「われわれ宏池会(岸田派)は憲法に愛着がある」と憲法改正を進める安倍首相との違いを強調するようになっていた。


「岸田さんはこのまま禅譲を待っているうちに、河野太郎、小泉進次郎らが台頭して出番を失うのではないかと焦っている。しかし、総裁選で総理に挑んで惨敗すればそれこそ“次の次”の芽もなくなる。総裁選で恥ずかしくない票を取るには麻生派の数が必要だから、麻生さんの腹を探った」(岸田派参院議員)


 そんなおっかなびっくりの岸田氏とは対照的に、“出る、出る”と一番派手に飛び跳ねているのが野田聖子・総務相だ。


「推薦人を集める自信は150%ある」


 そう総裁選出馬を公言し、夫と障害を持つ長男をつれてフィリピンを公式訪問。ドゥテルテ大統領と会談したかと思うと、この春には女性の政治塾を立ちあげる。16日の講演では、総理になる日のために毎年、「野田内閣の閣僚名簿」を作っていると明かしてメディアにネタを提供するリップサービスぶりだ。


 岸田氏には「何のために首相をめざすのか。“お座り”して(順番を)待っているのは国民軽視だ」と痛烈な言い方でケンカを売る一方で、首相には「安倍内閣を倒すつもりはない」とも公言している。総裁選出馬を目指すのは、「泡沫でも出ることに意義がある」という“記念受験”のようなものだ。


 石破茂・元幹事長も負けじと安倍批判のトーンを一段と上げた。


「法人税を増税し、所得税減税で消費を喚起すべき」


 なんと、こちらは大減税をぶち上げて首相の消費税増税路線に真っ向から反対を唱えたのだ。


“減税の石破”を売りに総裁選で地方の党員票を掘り起こす作戦らしいが、それなら昨年末の税制改正で政府・自民党が正反対の「法人税減税とサラリーマン増税」を決めたときにもっと反対すべきだろう。


「石破派は20人の弱小派閥で圧倒的に不利。そこで総裁候補がいない額賀派との派閥合併話が浮上しているが、額賀派には勝ち目がない石破を担ぐメリットはない。党内で封じ込められ、見え見えの人気取りで目立つしかない」(細田派議員)


 安倍首相が外遊へ旅立つ前日の11日に、石破氏は派閥の政治資金パーティーを通常国会召集後の2月に開催する案内をブログに告知したものの、果たして何人集まるのだろうか。なんとも情けない総裁候補たちである。


※週刊ポスト2018年2月2日号

NEWSポストセブン

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