ヒュー・グラント、笑顔の裏のパニック障害激白「いつも恐怖心を感じてる」

1月23日(火)17時0分 マイナビニュース

マイケル・ボンドによるロングセラー児童文学の実写映画第2弾『パディントン2』(公開中)で、チャーミングな悪役を演じたヒュー・グラントが来日。ヒューが演じたのは、心優しい紳士のクマ・パディントンを罠にかけようとする落ちぶれた俳優ブキャナン役だ。

今回も抜群のコメディ・センスで、観る者を爆笑の渦へと巻き込むヒューに単独インタビュー。ユニークな撮影秘話を聞いていくと、仕事への向き合い方から、今抱える心の葛藤に至るまで赤裸々に明かしてくれた。

○■子供の頃から身近なパディントンへの思い

本シリーズは、ペルーのジャングルから大都会ロンドンにやってきた小さな紳士のクマ、パディントンの冒険を描くハートウォーミングなストーリー。ヒュー自身も生粋のロンドン生まれで、パディントンに対しては特別な思い入れがあった。

「『パディントン』は、イギリス人にとってはいっしょに育ってきたアイコンのような存在だ。僕も小さい頃、よく母親に読み聞かせをしてもらったよ。僕だけではなく、みんなにとっても大好きなキャラクターで、イギリス人にとっては生活の一部になっている存在なんじゃないかな。だからこそ1作目が映画化されると聞いた時、万が一、質の悪い作品になったらどうしようと思っていたけど、完成版を観たらすごく面白かった。実際に、原作者のマイケル・ボンドもすごく大好きと言っていたそうだから本当に良かったと思う」

変装の名人であるブキャナンは、騎士、尼僧、ハゲ男と、愉快な七変化をしていく。スキンヘッドのウィッグについてはヒュー自身が提案したそうだ。「あのウィッグはかぶるとすごくかゆかったよ(苦笑)。でも、我ながらイケてると思った。お気に入りの変装は尼僧かな?」

○■見せ場のアクションシーンの裏話

劇中でヒューは走る列車上で、パディントンと共にドキドキハラハラのアクションを繰り広げる。この見せ場のシーンについての裏話も興味深い。

「あのシーンはポール・キング監督から『ちょっと変更を加えたい』と言われ、すべて撮り終えた後でもう1回撮り直したんだ。しかも電車の上を歩くくだりで、1カットだけ僕ではなくアバターが演じているシーンがある。僕の身体を全身スキャンして作ったデジタル版のアバターを使ったが、彼はけっこう良い演技をしているよ。今後は、代役をお願いできるかもね(笑)」

誰に対しても思いやりをもって接するパディントンは、とても愛らしい紳士の中の紳士だ。「やはりパディントンを育てたルーシーおばさんの哲学が素晴らしいと思う。親切で心優しくあれば、世の中はより良い場所になるということだ。特に世知辛い今の時代、我々が受け取るべきメッセージなんじゃないかな」

“ラブコメの帝王”ヒュー・グラントのパブリックイメージは、ウィットに富んだ楽しいイケメン俳優だが、パディントン並みに気配りのきく英国紳士でもある。今回彼は、『ノッティングヒルの恋人』(99)以来、約20年ぶりに共演したヒュー・ボネヴィルと一緒に来日したが、プレミアでは彼との爆笑共演話を披露し、ボンドの存在もちゃんとアピールしていた。

○■パニック障害の恐怖と付き合い方

ギャラリーの前では常に笑顔を絶やさないヒューだが、ある時、パニック障害に陥ったことが報じられ、それ以降は出演作も減らしてきた。「新しい年となり、僕は頑張っているけど、全然光が見えなくて。いつも恐怖心を感じながら仕事をしているよ」と告白したヒュー表情は穏やかだったが、その内容はいつになくシリアスだった。

「ちょうど『ノッティングヒルの恋人』の撮影中、パニックになってしまった。汗をかくわ、台詞を忘れてしまうわ、演技が突然できなくなるわで、自分自身、申し訳ないやら恥ずかしいやらで本当にショックだった。それからは撮影中、1〜3回くらいは必ずパニック障害に陥ってしまう。そうなると、共演者やスタッフはもちろん、家族などみんなに心配や迷惑をかけてしまうことになる。困ったことに、そうなるんじゃないかという恐怖心がより一層拍車をかけてしまう。毎回克服できるんじゃないかと思ってはいるんだけど、なかなかそうもいかなくて」

心の葛藤を吐露したヒューは、聞き手である私の心のざわめきを察知したのか、こう続けた。「とはいえ、以前よりは随分上手く病気とつき合えるようになってきた。これをやれば大丈夫、ということを学ぶようになってきたんだ。たとえば、朝ランニングをするとすごくコンディションが良くなったりするよ」

私は続ける言葉を探しつつ「ファンからの応援は励みになったりしますか?」と尋ねると、ヒューは「もちろん。それはうれしいことだよ」と柔和な表情を見せてくれて少しほっとした。

○■作品選びのポイント

数多くの作品で映画ファンを魅了してきたヒューに、作品選びのポイントについても聞いてみた。「まずは自分ができるかどうか、及第点に少しでも近づけるだろうかと考えてみるんだ。実際にどうなるかわからないからね」とやはり慎重派だ。

特に意識して選んでいるのは、娯楽性のある作品だと言う。「僕はいつも不安でいっぱいで、苦しみながら映画を作っている。そんなに苦労して演じた作品が、誰にも観られないような作品だと悲しいでしょ。だから芸術性だけで出演を決めるということはしない。もちろん出会いあってのものだけど」

ちなみに『パディントン2』は、自身の出演作の中でも最高の1本だと公言した。「本当に自分が誇らしく思っている作品なので、心から観てほしいと思う。僕のファンのみなさんも、そうでない日本のみなさんも楽しんでもらえるとうれしい」

■プロフィール
ヒュー・グラント
1960年9月9日生まれ、イギリス・ロンドン出身。『モーリス』(87)でベネチア映画祭、主演男優賞を受賞し注目を集める。『フォー・ウェディング』(94)でアカデミーにノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞を受賞。その後『ノッティングヒルの恋人』(99)や『ラブ・アクチュアリー』(03)、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなどに出演し、“ラブコメの帝王”と呼ばれる。近作は『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(16)など。

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