国土強靭化に必要な法改正 この数か月が好機と大前研一氏

1月23日(水)7時0分 NEWSポストセブン

 日本のインフラの多くは、建設から40〜50年経ち、老朽化が進んでいる。大前研一氏は、「政権交代の今こそ、低コストでインフラを甦らせるチャンスだ」と指摘する。


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 街並みの整備などを行なう事業は従来のように税金でインフラを造るのではなく、「BOT(Build Operate & Transfer)」を導入すべきである。


 BOTはインフラ整備・運営の一手段で、民間企業が独自の資金を使って公共の認可のもとに施設を整備(Build)して運営(Operate)し、一定期間にその利用料金で投資資金を回収した後、公共にその施設を移管(Transfer)するという事業方式だ。このやり方なら経済が非常に活性化するし、ほとんどのインフラは15〜20年で投資資金を回収できる。


 財源は税金ではなく、プロジェクトごとに民間企業がファイナンスして、高速道路の通行料金、水道料金、電気料金、ガス料金などに上乗せして賄われる。街並み整備と一緒にやれば、区画ごとに大規模な居住空間が新たに生まれるので、それで投資のほとんどを回収できる。


 今は都心でも平均2.6階でしかない東京の場合は入居者を増やして投資を回収し、従来から住んでいる人は自分たちの安心・快適な居住空間を無料で手に入れることができる。税金を湯水のように使って無駄を繰り返す従来の公共事業よりずっと効率的であり、NOと言う人は多くないはずだ。こうしたことは大都市でこそ効果が生まれるので、何でもかんでも全国一律、という古い自民党の体質に戻らないことが大切である。


 これらの政策の実行に必要な法律の制定や改正は、新政権が可及的速やかにやってしまうことが大切だ。乱暴に聞こえるかもしれないが、議論する期間は短ければ短いほどよい。議論が長引くと、政治家や官僚たちがそれぞれの利権で「これが嫌だ」「あれが嫌だ」と言い始めて前に進まなくなり、またぞろバラ撒きが始まってしまう。つまりこの数か月がチャンスである。


 それができず、土地の取得しやすい過疎地を中心として旧来型の公共事業をするならば、経済効果は得られず、国債の赤字は膨れ上がって、自民党は早晩政権を手放すことになるだろう。


※SAPIO2013年2月号



NEWSポストセブン

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