中居正広の柔軟で謙虚な司会 独立騒動でも評価揺るがない

1月23日(土)7時0分 NEWSポストセブン

SMAPリーダーでもある中居には「司会は名人芸」という声も

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 SMAP独立騒動で、ジャニーズ事務所からの独立組のリーダーとして名前が挙がったのが中居正広(43才)だ。結局、独立はなくなったが、彼の司会者としての力量なら、独立して事務所の後ろ盾がなくなっても充分、活躍できたという声は今でも根強い。改めて中居の司会者としての実力に注目してみたい。『トップ・インタビュアーの聴き技84』の著書があるテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。


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「SMAPのメンバーかどうか」は関係なく、中居さんの司会スキルはすでに芸能界トップクラスであり、その評価が独立騒動で揺らぐことはないでしょう。得意のバラエティーや音楽、スポーツだけでなく、苦手なはずの結婚、終活がテーマの長時間特番も難なくこなしてしまうのは、技術が高いからに他なりません。


 中居さんの司会で目を引くのは、献身的なチームプレーの姿勢。中居さんは番組のジャンルやコーナー、出演者などによって自身の立ち位置を変えるタイプですが、決して個人プレーに走ることはありません。芸人司会者はどうしても「ゲストを立てつつ、自分も爪あとを残そう」としますが、中居さんは「メインはゲストであり、司会者はホスト」という感覚。


「自分の能力を見せたい」「評価されたい」という自己顕示欲のなさが好感度に直結しています。中居さんは日ごろ、「芸人さんにはかなわない」と言っていますが、むしろその逆。自己顕示欲が強くライバルの多い芸人司会者たちは、中居さんのように自らの存在感を薄めるようなスタイルは取れないのです。


 中居さんが献身的なチームプレーをするためのベースとなっているのは観察眼。ゲストの表情やトークが硬ければ友達口調でほぐし、真剣に話しているときは深くうなずきながらじっくり聞き、「説明が足りない」ときはあえて分からないフリをして尋ねるなど、出演者の生き生きとした姿を引き出そうとしています。


 昨年11月、野球の国際大会『プレミア12』の日本vsベネズエラ戦で、実況も解説も気づかなかった「内野5人シフト」をレポーターの中居さんだけが気づいてさりげなくコメントしていました。これも観察眼の素晴らしさと、「誰もふれないから自分が言ったほうがいい」というチームプレーの意識を象徴するエピソードの1つです。


 中居さんがこのような司会スキルを身につけられたのは、アイドルであるにも関わらずバラエティー番組への出演を重ねて、大物司会者から直接学んできたからでしょう。その結果、タモリさんの脱力感、ビートたけしさんの小ボケ、明石家さんまさんの出演者イジリ、笑福亭鶴瓶さんの人なつっこさというように、“お笑いBIG3+鶴瓶さん”の長所を併せ持つハイブリッドな司会者になりました。実際、中居さんほどさまざまな種類の笑いを生み出せる芸人司会者はいない気がします。


 中居さんの司会を語る上で、最後にもう1つふれておきたいのは、真面目で地に足のついた人柄。普段はおちゃらけていますが、もともと用意周到で地道な努力ができるタイプであり、常にスタッフの意図と視聴者の視点を考えて、司会のプランを立てています。


 つまり、「謙虚で居続けられる」「スターではなく普通の男という感覚を持てる」ことが最大の強み。その証拠に中居さんは人気が増すほど、スター性が高まるほど、自虐ネタを激しくしてバランスを取っている気がします。贅沢への興味も所有欲もない地味な休日、モテや結婚をあきらめたという姿を見ると、決して「大スター」という遠い存在には思えません。


 現代の司会者に求められるのは、話術や面白さだけではなく、黒子にもなれる柔軟性や謙虚さのある人物像。中居さんなら、いつまでも「私たちの司会者」という身近な存在でいてくれるのではないでしょうか。


【木村隆志】

コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』(TAC出版)など。

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