46万部突破の佐藤愛子さん著書 3000通もの感想はがき届く

1月23日(月)7時0分 NEWSポストセブン

佐藤愛子氏著書に3000通もの反響が

写真を拡大

 2016年下半期を代表するベストセラーとなった『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子著)。昨年8月の刊行以来、わずか5か月あまりで46万部を突破した異例のヒットの裏には、この本に笑ったり泣いたり励まされたり。本書の言葉を借りるならば、「ナニがめでてえ」と言いたくなるような困難と、それにもめげず本書の金言を座右に強く生きる読者の姿があった。


 編集部にも昨年8月の刊行以来、3000通近い読者からのはがきが寄せられている。そこには、この本を読んで笑ったり泣いたり、「そうだ、そうだ」と共感したり、びっしりと感想が書かれたものがほとんど。自らの苦しい境遇や家族の姿を重ね合わせ、元気になったと綴ったものも多い。


 関西に住む65才の宮本美子さん(仮名)は、「私の人生、どこが間違っていたのか」「自殺したい」と言い募るようになった90才の母親の気持ちが知りたくてこの本を手に取ったと綴った。宮本さんが言う。


「母と同居するようになったのは今から3年前。主人が亡くなり、子供も独立しましたので、足の具合が悪くなった母をこのままひとりにしておくのは無理だと思って、私が40年ぶりに実家に帰ってきたんです。帰って来た当時は昔と変わらず面白い母で、私が『お母さん、顔も剃らないとひげが生えてるよ』って言ったら、『人間偉くなったら、男でも女でもひげが生えるねん』って(笑い)。ところがだんだんウツの状態になって…」


 佐藤さんも本書で、小説『晩鐘』を書き上げて断筆すると、気が滅入り、ウツウツとして「老人性ウツ病」のようになったと綴っている。


「母は同じことを何回も、特に嫌なことを思い出しては私に言うんです。こんな人じゃなかったのにって、母のことが段々わからなくなりました。


 それでこの本を読んだのですが、母の気持ちはこうなのかって、なるほどと思いましたし、私がわからないはずだということもよくわかりました。同世代の友達が1人欠け、2人欠け、昔のことを話す相手もいなくなって、母は孤独になっていたんですね」



 実は今、宮本さん自身も困難のなかにいる。昨年、健康診断でがんが見つかり、抗がん剤治療を行っているのだ。


「これからいろいろ好きなことをできるぞと思っていた時でしたから、まさかこういう病気になると思わなかったので、すごくショックでした。自分の人生には楽しいことや面白いことってもうないのかなって。


 だけど、この本を読んですっきりするところがありましたし、こうして出版社のかたから連絡までいただいて、人生には意外なことが起きるんだなって(笑い)。母を見送らなきゃって気持ちがあるので、もうちょっと頑張ろうと思います」


 首都圏に住む高柳千恵子さん(79才。仮名)は〈ストレスを溜めない、生き甲斐のある人生の有り様を学び、一皮むけた自分を感じた〉と読者はがきに綴った。安部さんは昨年、長年連れ添ったご主人(享年82)を亡くし、失意の中、本書に出会ったと話す。


「主人は長いこと患っていまして、ずっと自宅で私が見ていたんですが、最後はそれが叶わず、施設にお世話になりました。主人が亡くなった後は私、もう本当にもぬけの殻のような状態だったんです。でも、あの佐藤先生のご本を書店で見つけて、題名に惹かれて読んでみたんです。そうしたら、とにかく最初から最後まで楽しくて、主人が亡くなって一周忌も経っていないのに声が出るほど自分が笑えたことに、ビックリしました。とても力をもらいましたね」


 ご主人の一周忌を今月迎える。近々、子供たちが近くに引っ越して来て、孫たちとの行き来もできるようになると、高柳さんの声は明るい。


「主人のことを考えても、長生きはおめでたいっていう言葉ひとつで片づけられないものがあると思うんです。いろんな人生があって、人それぞれではありますが、佐藤先生のご本を読むと、やっぱり穏やかに過ごせることがいちばんめでたいことだと、とても納得できます」


※女性セブン2017年2月2日号

NEWSポストセブン

この記事が気に入ったらいいね!しよう

はがきをもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ