未知なる世界を喜ぶ稲垣吾郎、ブログに紡がれる瑞々しい感性

1月23日(火)16時0分 NEWSポストセブン

読者登録数は50万を突破

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 昨年秋に“解禁”し、注目を集めている稲垣吾郎香取慎吾草なぎ剛のSNS。今回は先日読者登録数が50万を突破したばかりの稲垣のブログについて、作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析する。


 * * *

「わあ見て、このゆげ!」


 手に持っているのはモツの串刺し。もやもやっと立ち上る白い湯気。それに驚き、リアクションする人。そのシーンに、驚かされたのはこっちです。


 たかが「湯気」に大の大人が驚くとは……。温かいものから湯気がたちのぼるって、当たり前のことでしょ? と思ってから、ふと考えさせられました。


 もしかしたらこの人、熱々のお総菜を商店街の店先でかぶりつくのは初めてなのかも?だからこんなに反応している? もしそうだとすれば、みずみずしい体験には違いない。とにかく「見知らぬ世界に出会った」ような喜びが、その人の表情と全身から溢れ出ていたのです。


 その人とは……稲垣吾郎さん。新年1月4日に放送された『梅ゴローのぶらり旅』(フジテレビ)は、東京下町・蒲田の地図を片手に稲垣吾郎、梅沢富美男宮澤智アナ3人組が歩き回る、というシンプルな2時間番組。


 今やテレビで「ぶらり」ものは人気コンテンツです。あちこちの局に「街歩き」番組が溢れ返っていますが、初対面の人に妙に馴れ馴れしく接したり、「電車(あるいはバス)が来るまであと何分しかない」とあおってみたり。視聴者がイラッとさせられることも多いこのごろ。


 しかし、『梅ゴローのぶらり旅』は、どのパターンとも違っていました。


 何の変哲もない日常風景にいたく感動する姿が、イヤミでなく何とも爽やか。串刺しの湯気に驚き、揚げたてのメンチカツの熱さに動揺し、開店前の風呂屋で思わず女湯を覗き見。タイルの上で嬉しそうにデッキブラシを滑らす……と、まるで小学生。


 そう、小学生の感性。と言っても見下しているわけではありません。子供のように未知の世界に直に出会う喜び。五感でみずみずしく感じリアルに味わう姿がありました。


 大人だと、なかなかこうはいきません。頭でっかちで、「もうわかっている」と思い込んでいるから。だからちゃんと感じようとしない。感動する力が干からびている。初めて世界に触れるような喜びを抱くこと自体が、難しいのです。


 それに対して稲垣さんは、まるで遠くの星から落ちてきた王子様のよう。純なリアクションに満ちていました。世界に初めて触れるようなそのみずみずしい感性、いったいどこから来ているのでしょう? どこに秘密があるのか?と思いヒントを探すと……。


 稲垣さんが新たに始めたブログの中にこんな言葉が見つかった。「何気ない日常の景色のなかに新たな魅力を発見すると嬉しい」。


「今まで見過ごしていた隠れた美しさ。きっと自分の心の在り方次第で見えてくるものまで変わる気がします……相手の小さな変化や隠れた魅力に気がつける大人に早くなりたいものです(もう大人ですが)」(2017年12月11日)


「何気ない日常の景色のなかに新たな魅力を発見」するから、「モツの串刺しから立ち上る湯気」に驚くことができるのでしょうね。


 この日のブログのテーマは「新しい目」とあります。朝起きたら蕾だったユリが開花していたと書いて、話はちょっと意外な方向へ。


「ん? おや?? 見つけた 花びらに映る枝の影がなんとも美しいではないか」


 添えられた写真には、花びらの上に落ちる枝の影が。黒い線がまるでレースの飾り模様のよう。稲垣さんが目にとめたのは「花」だけではなくて、ささやかな、「今まで見過ごしていた隠れた美しさ」。そうか、「新しい目」とはあらためて日常と新鮮に出会う感覚のことかも。



 自分の五感のセンサーを全開にして、目の前の一瞬一瞬をまるで初めてのことのように感じとる。すると花びらの上に落ちた影の美しさに目がとまる……という少年のようなみずみずしい感性は、ブログのあちこちに散らばっていました。


「 一人取り残された稽古場の匂い・・古いラジカセ・・無機質に跳ね返してくる再生ボタンの弾力・・ああ、、なんか思い出しますね。帰り道、僕の頬に触れる冷たい風は、蘇ったあの日の熱い思い出をそっと心の奥底に戻してくれました。。」(12月27日)


 これは先輩の風間杜夫さんが落語に挑戦する姿から、23歳の時の自分を思い出した、というくだり。記憶をかきたてる匂い。指先で感じたボタンの感触。聴覚、嗅覚、味覚、視覚、触覚、五感を総動員して一瞬一瞬をかけがえのないものとして感じとっている姿。SMAPの時にはよく見えなかった、もう一人の「稲垣吾郎」が現れてくる。


 一方で、稲垣さんは最近の心境の変化にも言及していました。


「香取君のポップな絵に感動したり、長野県の色鮮やかな紅葉に心洗われたりと・・趣味や心境も少しずつ変わってきてます。そろそろ心が色彩を欲してきてるのかな。ようやく周りの人々によって色づけしてもらい始めた感覚」(12月22日)


 とはいえ、もともと白と黒が好きだったと告白。「白と黒のシンプルな物に囲まれて生きていきたいと思っていたんですよ。カラフルに満ちた世界で仕事をしてるぶんプライベートに原色はいらないというか・・」


 なるほど、SMAP時代は特に極彩色だったのかも。白と黒のイメージについて、言葉はこう続く。


「絵画でいうと、クロード・モネ『雪のアルジャントゥイユ』の雪景色。ベルナール・ビュッフェの初期作品。写真なら杉本博司さんの海景シリーズ。漆黒の海と自然の光が作り出す美しいモノトーンに惹かれます 


 うーん、造詣が深いな。文化やアートに対する素養が垣間見えた。その瞬間、「あ、失礼、イメージを語り過ぎました。笑」。熱くなったとたんにクールダウン。何ともこの人らしい、一人つっこみぶり。読んでいるこっちもフっと笑いがこぼれます。


「人生における楽しみを見つけるのが上手だなぁ、と思う」


「博学で優雅でセレブなのに嫌味がなく謙虚で穏やかで優しい」「心がきれいになるな……このすずやかさはすごい」などTwitterでもその評判は拡散中。


 みずみずしい少年のような感性。距離をもって自分を見つめるクールな大人の視線。少年と大人が不思議に同居する「稲垣吾郎」の感覚。これからどんな「新しい地図」が描き出されていくのか、ブログの文字から目が離せません。

NEWSポストセブン

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