胃がん・肺がん・子宮頸がん、推奨される検診とそうでない検診

1月23日(水)7時0分 NEWSポストセブン

国がすすめる検診・すすめない検診リスト

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 日本人の2人に1人がなるというがん。がんは、決して他人事ではないのだ。そこで、促されるようになったのはがん検診だ。しかし、医療関係者曰く、受けるべき検診とおすすめしない検診があるという。


《がん検診、推奨外を明記 厚労省が指針改定へ》──1月上旬、こんなニュースが一斉に報じられた。


 厚労省は、公費で行う自治体のがん検診について、死亡率を下げる効果が確認された乳房、大腸、胃、肺、子宮頸部の5種類の検診を「推奨」して、検査法や開始年齢などを指針で示している。


 だが一方で、これまで厚労省が「推奨しない」検査方法とはいったい何であるかを示してこなかった。


 調査の結果、約87%に及ぶ自治体で国が推奨しない検診が行われていることが発覚。そこで厚労省は指針を改定して、死亡率を減らす効果が不明確な検診を「推奨外」として明記することを決めた。ここでは、胃がん、肺がん、子宮頸がんの検診についてご紹介しよう。


◆胃がん


 胃がんは日本人に最も多いがんだが、近年は医療技術の進歩で死亡率が下がった。


 厚労省が推奨するのは、胃をレントゲンで見る「胃X線検査」と、細いカメラを口から挿入して胃の内部を見る「胃内視鏡」だ。胃X線検査は男性で61%、女性で50%の死亡率減少効果があるとされる。


 胃X線よりさらに高い精度なのが胃内視鏡だ。東京国際クリニック副院長で、消化器内科医の宮崎郁子医師はこう語る。


「胃内視鏡はX線と違って胃内部の色調まで見られるので、さらに精度が上がります。超早期のがんを発見でき、同時に食道病変も見られるメリットがありますが、全国的に内視鏡医が少ないことが難点です」


 他方で、胃の炎症を調べる血液検査である「ペプシノゲン」は推奨外となった。医療法人社団進興会理事長の森山紀之医師はこう解説する。


「ペプシノゲンでは、胃がんを発症しやすい状態か否かを調べます。まだ新しい検査法でデータが少ないため推奨外となったのだと思います。私としては血液検査のみで患者負担も少なく、お金をかけたくない、時間がない人にはおすすめです。将来的には国に推奨される検診となるのではないでしょうか」


◆肺がん


 肺がんは、すべてのがんのなかで最も死亡率が高い。


 厚労省は、X線で体の断面を撮影してがんを見つける「低線量CT」を推奨外にしているが、森山医師は「できれば3年に1度は受けてほしい」と話す。


「低線量CTは普通のCTより被ばく量が少なく、まだデータや設備が足りないため推奨外ですが、精度が高い。肺気腫の前兆まで検査することができるので、非喫煙者でも2〜3年に1度、喫煙者は毎年低線量CTを受けることをおすすめします」(森山医師)



◆子宮頸がん


 子宮頸がんは20代後半〜40代で発症することが多い。原因は90%以上が性行為によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染だ。


 だがHPV感染の有無を調べる「HPV検査」は推奨しないとされている。産婦人科医の高橋怜奈医師が解説する。


「HPVには多様な型があり、9割の人が生涯に一度は感染するものです。そのうち、がんを引き起こすハイリスク型に感染しても、多くは感染後しばらくすると消えてしまい、長期感染したごく一部の人ががんを発症すると考えられています。そのため、HPV検査と死亡率の因果関係のデータが少なく、そのことが推奨外の理由でしょう」


 一方で、子宮頸部の粘膜を採取して、がん細胞の有無や種類を診断する「細胞診」は推奨される。


「細胞診で細胞を見ると、がんはもちろん、がんの前段階で発見できます。早期発見・早期治療をすれば、多くは子宮を残せるので、性交経験のある女性は毎年受けてほしい」(高橋医師)


 がん治療のカギを握るのはもちろん早期発見だが、一度の検査で陰性だったからと安心してはならない。


「がん検診の本当の落とし穴は、一度『異常なし』の判定が出ると多くの人が安心して検診に行かなくなってしまうこと。数年後に何かのきっかけでがんが発見され、かなり進行しているケースは少なくありません。推奨されている検査は必ず定期的に受診し、場合によっては医師の助言などをもとに推奨外の検査も受診することが必要です」(森山医師)


 正しい検診を正しく受ければ、がんを早期発見できる。


※女性セブン2019年1月31日号

NEWSポストセブン

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