何もしないで月50万円稼ぐ“真・パパ活ウーマン”の生態とは——「プロ奢ラレヤー」に奢りにきた人々

1月24日(金)11時0分 文春オンライン

“他人のカネで生きていく” なぜ毎月50〜60人も「プロ奢ラレヤー」にメシを奢るのか から続く


「僕に奢りたい人はDM(ダイレクトメッセージ)ください」


 “他人のカネで生きていく”というモットーを掲げ、見ず知らずの人に奢られるという活動を行う「プロ奢ラレヤー」、22歳。


 Twitter上でつぶやく日々の気づきや、奢りに来た人の奇想天外なエピソードが反響を呼び、フォロワーは2年半で約9万人。彼に奢った人は2000人以上。


 その生き方は一見、モラルや常識に反しているように見える。しかし、なぜ人々は奢ってまでも彼に会いにいくのか? その唯一無二の活動の原点を明かす著書『 嫌なこと、全部やめても生きられる 』(扶桑社)から一部を抜粋して紹介する。


◆ ◆ ◆


僕に奢るための条件は


 さて、僕の「本業」は「奢られ」である。ツイッターで奢ってくれる人を随時募集しているが、僕に奢ることができるのは、次の条件のうちどれか1つでも当てはまった人だ。


・(ツイッターの)フォロワー5000人以上

・面白い前科あり

・博士課程卒or在籍

・レアな職業(人口5万人以下くらい)

・知り合いに話せない秘密がある

・誰にも負けない好きなものがある

・僕に2万円払う


 DMをくれた人と話をして、面白そうだなと思ったら会う。


 なぜ、こうした条件を提示するのか? そのほうが面白い話を効率よく聞けるからだ。


 奢りに来る人は、実にさまざまだ。漫画家、インフルエンサー、五輪代表、世界チャンピオンなどの超有名人から、裏社会の人、障害を持つ人、外国人まで各界各層まんべんなくいる。毎日毎日、社会の縮図を見ているようで楽しくて仕方ない。



©iStock.com


 流入経路もツイッターだけでなく、人づてに聞いたり、まったく関係ないことがきっかけだったりする。


奢られたときのエピソードをまとめた「奢ログ」が売れる


 そして僕は、奢られたときのエピソードを有料note「プロ奢ラレヤーのTwitterでは言えない話」の中で、「奢ログ」としてまとめている。奢ログとは、僕に奢りにきた“ちょっと変わった人”の“ちょっと変わった話”の面白かった部分を僕なりに抜粋・編集してまとめたものだ。



 人と話した内容をすぐに忘れてしまうので備忘録代わりにしているというのもあるし、読者にプロ奢ラレヤーを疑似体験してもらえるという機能もある。腹も満たされるし、仕入れ費用もかからない、だけどnoteにしたら売れる、究極のサブスクリプションだ。


 そんな「奢ログ」から、ウケそうなエピソードをいくつか抜粋して、ダイジェスト的に紹介してみようと思う。



借金まみれ弁護士マン


 彼は新米の弁護士で、弁護士歴は1年ちょい。弁護士になるまでの奨学金2000万円ほどの返済に追われ、毎月6万円ずつ返済しているという。


 さらに、彼の担当している業務が「破産処理」なのがウケた。破産相談しにくる人のほとんどが自分よりも借金が少ないらしい。ウケすぎる。


 基本的に、借金300万円からは自己破産するのが割に合うらしい。ちなみに、破産は「7年経つともう1回できる」というのはソシャゲの体力みたいですごい。



 彼の給料はだいたい40万円ほど。事務所に雇用されるような形ではあるものの、扱いは個人事業主になっている。


 なんとなく「弁護士は儲かる! 弁護士になれば将来安泰!」みたいな古いイメージがあるが、実際のところは「70歳の爺ちゃんが現役バリバリ」「80歳になっても辞めない」「なのに毎年1500人の新人が増える」という構造になっていて、どう考えても先細りする業界。めちゃくちゃ野蛮な国家になって、めちゃくちゃ事件が増えないかぎり、儲かる弁護士は増えない。かなしい現実。


 彼自身は奨学金地獄にハマっているものの、他の弁護士は「親に学費を払ってもらって」資格を得ているので、稼ぎは普通にいい。最低ラインでも月40万円ほどは入ってくる。これから数年ほどは食うのに困ることはないとは思うが、ある程度のラインで軸足を入れ替えないと、家庭を養ったりするのには苦労しそうだと思った。


何もしないで月50万円稼ぐウーマン


 一方、肉体関係なしで月50万円を貢がれる真・パパ活ウーマン。


 彼女は毎月50万円ほどを富豪に貢がれている。セックスはなしで、手を繋いだことすらもないとか。富豪は40代で、4桁億円の資産を保有している、上場企業の偉い人らしい。当月のクレジットカードの使用分を富豪に報告すると「●●財団」の名義で振り込まれてくる仕組みだという。パワーがある。


 月50万円は高額に聞こえるが、これほどの富豪からすれば「ネットフリックス」くらいの感じで契約しているのかもしれない。もっと安いか。



 「毎日LINE+月に1度ランチ」をするのが主な業務内容。LINEを見せてもらったが、何の中身もない、ほとんどスタンプのやり取りだった。一体どんな業務なんだ。


 富豪とは数年の付き合いらしいが、少し前にやらかしが発生したそう。富豪は複数の女の子と同じような関係を持っているようで、その女の子同士は「大奥」みたいな感じで仲良くしているそうだった。


 その大奥だけのLINEグループがあり、彼女は「大奥だけのグループ」に送ろうとしたコメントを富豪に誤送信してしまい、それから数か月は連絡が来なかったらしい。タクシー代をカモろうぜ、みたいな内容だったとか言っていた。ウケる。


 「金持ち版ネットフリックス」は、身近な女の子の日記の閲覧権を月50万円で買うというところに落ち着くのだなあ、という学びがあった。



ブラック入国審査マン


 彼は某空港でひたすらパスポートのチェックをしている。あの入国審査をする人だ。1日あたり500〜600件ほどのパスポート確認を、朝10時から翌朝10時まで、ほぼぶっ続けで行う。その間、座りっぱなしの24時間労働。想像するだけで気分が悪くなりそうだ。


 そんなヤバい仕事にもかかわらず、彼は法務省所属の「国家公務員」の枠で仕事をしている。彼も「安定志向で国家公務員になったはいいけど、入ってみたらトラックの運転手ばりのブラック労働だった」と言っていてウケた。



 労働内容はブラックなのに、形は国家公務員なので、残業代はほとんど出ない。法務省から予算があまり出ていないのが問題だそう。航空会社は営利なのでフライト本数は増え続けている一方、政府から予算は出ないので入国審査に人員増加はなく、既存の入国審査員たちの負荷だけがどんどん増すという構造に陥っている。被害者もいいところだ。「東京オリンピックが決まったときは死ねって思いましたね」と笑いながら言っていたのには、狂気を感じた。


 話はもっとディープな領域に移った。彼も4年間働いていて、一度だけ偽装パスポートを見破ったことがあるという。入国審査官は基本的にビザのある外国人のパスポートは、ビザの部分しか参照しないことが多く、その穴をついた、「ビザだけは本物で、ほかは偽装されたパスポート」が存在する。実際に、彼が見破った偽装パスポートはそのパターンで、すでに2回ほど日本への入国を成功させていた。おそらく、かなりの数が違法入国していると思われる。彼に偽装パスポートを見破られた外国人は泣いて泣いて、母国に強制送還されたという。


脊椎損傷マン


 彼は、電動の車椅子で登場した。はじめて「車椅子OK」という条件で店を探せて嬉しかった。実績解除。エクセルシオールカフェは車椅子OK。


 頚椎というのは首の骨で、「ヤっちゃうとやばい骨ランキング」ではだいぶ上位に来る。孫悟飯がリクームにやられたシーンが有名。何もできなくなる。仙豆必須。


 そんなわけで、彼は「乳首から下の感覚がない」らしい。原因は「高校2年の頃に、友達と酒を飲んだ勢いで小学校のプールに忍び込むことになり、柵からダイブしてプールに飛び込んだら水が入ってなかった」というシュールな事故。



 頚椎損傷とかは交通事故で貰ったりすると、億単位で損害賠償が取れたりするんだけど、彼の場合は自業自得なので、まったく金が降りず、親も自己破産してたりしている家庭で、今は生活保護と障害者手当で暮らしている。月16万円。


 施設に入ればほぼタダで生活できるけど、施設はメシもまずいし、外出するのにも許可が必要で、気が滅入ってしまうから賃貸を借りて生活しているらしい。家賃は6万円ほど。バリアフリーのマンションなどは家賃が高すぎて住めない、と言っていた。


 帰り際に「あれ? そういえば駅の改札までどうやっていくの?」となり、初めて「車椅子で改札口まで降りられる入り口」を探せたので嬉しかった。結局わからなかった。


 彼は指先も動かないので握力がないのだけど、腕力はあるので指がふにゃふにゃになりながらフリックする。個人的にツボだったのは、そんな彼ですら「音声入力は使わない」という事実だった。どんだけ需要ないんだ。


 ちなみに車椅子生活で不便なのは「だいたいのキャバクラに入れないこと」らしい。たしかに地下だもんね。


 あと「性的な興奮をまったくしなくなった」「どうにかしたい」と言っていたので、知り合いのセックスカウンセラーを紹介しておいた。脳イキできますように。




(プロ奢ラレヤー)

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