BIGLOBEトップBIGLOBEニュース

今夜2話「カルテット」オーバーサイズの白シャツを腕まくりして着る高橋一生にやられた

エキサイトレビュー1月24日(火)10時0分
画像:松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の主演4人による番組限定ユニット「Doughnuts Hole」(C)TBS
写真を拡大
松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の主演4人による番組限定ユニット「Doughnuts Hole」(C)TBS
いやぁ、すごかった! 坂元裕二脚本、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の共演で話題を呼んだTBS“火10”枠ドラマ『カルテット』の第1話は、噂にたがわずすごかった。今のところ今期のドラマNo.1だと断言していい。

ああ、すごかった。これは事件だ。ドラマをナメるな。今夜2話必見、以上! で原稿を終わらせたいところだが、そうもいかないので『カルテット』の何がすごいのかを解説していきたいと思う。
<>

主役たちの魅力がすごい


ものすごく小声でしゃべる第1ヴァイオリン奏者の巻真紀(松たか子)、いつもニヤニヤしているチェロ奏者の世吹すずめ(満島ひかり)、卑屈で理屈っぽいヴィオラ奏者の家森諭高(高橋一生)、生真面目だけど育ちが良さそうな第2ヴァイオリン奏者の別府司(松田龍平)。この4人を眺めているだけで楽しい! という視聴者も多かったと思う。

いずれもドラマのみならず、映画、舞台で活躍している芸達者たちだ。「唐揚げにレモン」のような軽妙な掛け合いだけでなく、相手の心をえぐるようなギスギスした会話だってお手のものだ。人が良さそうなときもあるし、裏の部分を見せるときもある。笑わせたかと思ったら、急に深刻な話になる。4人の芝居を見ていると、舞台を観ているような感覚になることがある。

控えめそうだった真紀が一番怖いような気がする。夫の話だって、本当の話なのか嘘をついているのかわからない。真面目そうな司もいきなり「これは運命だと思うんです」とか言っているところが怪しい。能天気そうなすずめが、ラストでまさか会話をすべて盗聴していたなんて!(「えーっ」ってなったでしょ?) 諭高は……今のところ一番裏表がなさそうだ。

今後4人の間に恋心が芽生えたとき、どのようなお芝居が見られるのかがまた楽しみである。『カルテット』のキャッチコピーは「全員片思い、全員嘘つき。」である。

練りに練られた脚本がすごい


まさか「唐揚げにレモン」のやりとりが後半の重い展開の伏線になっているとは思わなかった! 諭高が屁理屈を語っているとき、もっとも敏感に反応したのが真紀だったというのも納得である。このように、『カルテット』は何気ない会話やセリフ一つも見落とせない。何が伏線になっているかわからないからだ。

坂元裕二の脚本は、主役の4人の演技と同じように、軽やかだと思ったら急に重くなるから油断ならない。「バディソープ」「みかんつめつめゼリー」「コーン茶」「高級ティッシュ紫式部」なんて、やけに耳に残るフックもたくさんある。

ゲストのイッセー尾形をはじめ、八木亜希子やサンドウィッチマンの富澤たけし、吉岡里帆らの脇役たちも、わずかな出演シーンながらくっきりと印象を残す。これも脚本の技ありだ。

名ゼリフも多い。第1話は後半に畳み掛けてきた。

諭高「画鋲も刺せない人間が音楽続けていくためには、嘘ぐらいつくだろうなって」

真紀「私たち、『アリとキリギリス』のキリギリスじゃないですか。音楽で食べていきたいって言うけど、もう答え出てると思うんですよね。私たち、好きなことで生きていける人にはなれなかったんです。仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で……」

真紀「夫婦って、別れられる家族、なんだと思います」

真紀「人生には三つ坂があるんですって。上り坂、下り坂、まさか」

真紀「『愛してるよ。愛してるけど、好きじゃない』って」

有朱「『音楽っていうのはドーナツの穴のようなものだ。何かが欠けている奴が奏でるから音楽になるんだよね』って。ぜんぜん意味わかんなかったですけど!」

すずめ「でも、どうして曇っていると『天気が悪い』って言うんでしょうね。いいも悪いも曇りは曇りですよね。私は青空より曇った空のほうが好きです」

『リーガル・ハイ』などで知られる現在最強の脚本家の一人、古沢良太は第1話を観て、「脚本家がみんな夢想するけど具現できないやつが具現しちゃったんじゃないのかな もしかしてコレ」とツイッターでつぶやいていた。それだけ『カルテット』の脚本が高みに達しているということだろう。脚本の良さは、キャストと演出によって生かされる。それができているのがこのドラマだということだ。

わかりにくさがすごい


『カルテット』はわかりにくい。まず、会話が多く、それぞれが次の展開の伏線になっていたりする。登場人物たちが自分の状況や心境をいちいち説明してくれないので、画面やセリフに注意していなければいけない。一瞬の表情にも意味があるので目も離せない。まったく「ながら見」に適していないドラマなのだ。

登場人物はだいたいどんな性格かはわかるものの、わかりやすいキャラクターではない。第1話を見ただけでは、どんな人物かはっきりわからない。単に表と裏があるだけでなく多面的なのだ。それが人間らしいところであり、面白さでもある。

この20年ほど、テレビドラマの世界はわかりやすい記号的なキャラクターたちが登場する「キャラクタードラマ」(ドラマ評論家の成馬零一による造語)が主流だった。キャラクタードラマの登場人物はどんな役回りか(善人か悪人か、など)がはっきりしており、それをわかりやすいセリフと表情で視聴者に伝える。マンガ原作のドラマが多いのもキャラクタードラマの隆盛を示している。

キャラクタードラマはわかりやすい。それは善し悪しではなく、そういうものだ。マンガ原作ではなかったが、前クールの『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』も立派なキャラクタードラマだった。

一方、『カルテット』はキャラクタードラマではない。70年代の山田太一、倉本聰、向田邦子らが作り上げていた人間ドラマに通じている。そう書くといかにも重苦しいドラマを連想しそうだが、そうではない。ちょっと笑えて、ほろ苦くて、人生の機微なんかを伝えてくれるのが人間ドラマだ。

また、登場人物のセリフを追っているだけではドラマがわからないところもある。ストーリーはわかるが、視聴者はセリフの向こう側にある登場人物の思惑や、ドラマが伝えようとしていることを想像する必要がある。いや、厳密には「想像する必要」はないのだが、そうすればよりドラマが面白くなるという意味だ。高橋一生は坂元裕二の脚本について「余白の部分をとても大事にしている」と語っていた。この「余白」を感じ取ることができれば、ドラマはより面白くなる。

『カルテット』のわかりにくさは、9.8%というけっして高いとは言えない初回の視聴率に表れている。わかりやすいドラマに慣れている視聴者はちょっと戸惑うのかもしれない。筆者の先週の記事にも「(ドラマが)つまらなかった」というコメントが複数ついていた。

でも、物語を楽しむことに慣れている人にとっては、これほど面白いドラマはない。『カルテット』がどこまでドラマの奥深くまで突き進むのかが楽しみだ。

高橋一生がすごい


低音ボイスで屁理屈を言い、なぜかノーパンであることをアピールする。自分のみかんつめつめゼリーを食べるすずめを走っておいかけながら、なぜか紙に書いて説明しようとする。オーバーサイズの白シャツを腕まくりして着る。演奏するときはガバッと襟を広げて鎖骨を見せつける。

そんな高橋一生にやられてしまう視聴者が多数出現しているようだ。元からのイセクラだけでなく、『カルテット』で高橋一生沼に沈む人も多いと思う。

『A-Studio』で「今年すごいことになるで」「暴れ回る時期が来た」と笑福亭鶴瓶に言われた高橋一生の静かな大爆発が観られるのがこのドラマである。

エンディングがすごい


椎名林檎作詞・作曲、主演4人が歌うエンディングテーマ「おとなの掟」が大変ゴージャス。ドラマの雰囲気とはガラッと違うMVなのだが、これを見るだけでも「得した!」と思わせるのだからすごい。いつか4人で歌番組とかに出ることもあるんだろうか?

民放公式テレビポータル「TVer」にて第1話配信中。間に合ったらぜひ観て!

今夜スタート。注目のドラマ「カルテット」を楽しむ7つのポイント
高橋一生も低音ボイスで椎名林檎を歌う「カルテット」がそこまで「カルテット」だったとは
こんな高橋一生もいい「女心がわかっている」と指摘され卑屈になってしまう「カルテット」舞台挨拶詳細レポ
Excite Japan Co., Ltd.

はてなブックマークに保存

最新トピックス

芸能トピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

話題の投稿画像

ページ設定

関連ワード
カルテットのまとめ写真 高橋一生のまとめ写真 シャツのまとめ写真 ドラマのまとめ写真

「カルテット」をもっと詳しく

注目ニュース
ジャニーズ事務所すでに「容認」森田剛と宮沢りえの結婚 まいじつ9月22日(金)7時0分
画/彩賀ゆう(C)まいじつ『V6』の森田剛と女優の宮沢りえの“年末結婚”を一部女性週刊誌が報じた。[ 記事全文 ]
「僕たちがやりました」不道徳過ぎて視聴者あ然 まいじつ9月21日(木)17時30分
(C)Shutterstock窪田正孝や永野芽郁、新田真剣佑といった若手の人気キャストをそろえ、漫画作品をドラマ化した『僕たちがやりました…[ 記事全文 ]
マリオ新作、シリーズ初の「年齢指定」 理由は...「マリオの海パン」!?任天堂に聞く J-CASTニュース9月21日(木)7時0分
ニンテンドースイッチ用ゲーム「スーパーマリオオデッセイ」に、「CEROB」(12歳以上対象)指定がついた。[ 記事全文 ]
元SMAPの稲垣・草なぎ・香取、共同で“始動” ナリナリドットコム9月22日(金)5時42分
ジャニーズ事務所を退所した元SMAPの稲垣吾郎(43歳)、草なぎ剛(43歳)、香取慎吾(40歳)の3人が9月22日、共同で公式ファンサイト…[ 記事全文 ]
斉藤由貴が大河「西郷どん」辞退 不倫よりも「パンティー被り写真」が重大とのワケは... J-CASTニュース9月21日(木)18時24分
不倫騒動で揺れる斉藤由貴さん側が、次期NHK大河ドラマ「西郷どん」への出演を辞退する申し出を行った。NHKが2017年9月21日、発表した。[ 記事全文 ]
アクセスランキング
1 ジャニーズ事務所すでに「容認」森田剛と宮沢りえの結婚まいじつ9月22日(金)7時0分
2 「僕たちがやりました」不道徳過ぎて視聴者あ然まいじつ9月21日(木)17時30分
3 マリオ新作、シリーズ初の「年齢指定」 理由は...「マリオの海パン」!?任天堂に聞くJ-CASTニュース9月21日(木)7時0分
4 斉藤由貴が大河「西郷どん」辞退 不倫よりも「パンティー被り写真」が重大とのワケは...J-CASTニュース9月21日(木)18時24分
5 元SMAPの稲垣・草なぎ・香取、共同で“始動”ナリナリドットコム9月22日(金)5時42分
6 陣内智則「面白さのカケラもなくなってる」 ネットニュースが書けなかった本当の面白さとは...J-CASTニュース9月21日(木)20時5分
7 本田翼「演技力成長ゼロ」SPドラマで酷評まいじつ9月21日(木)10時35分
8 NEWS手越祐也によるイモトアヤコの“安室愛”への神反応が話題「ステージに立つ人だからこそわかること」モデルプレス9月21日(木)15時2分
9 フジ「めちゃイケ」、超低迷でも局員が「打ち切りは絶対ない」と言い切る理由アサ芸プラス9月21日(木)5時59分
10 菜々緒、Sキャラ妹・川栄李奈にデレデレ「お小遣いあげたい」オリコン9月22日(金)9時2分

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア