L.A.のFresh Young MindsとマイアミのHit Factory Criteriaで本作を制作していたジューンは、アーティスティックなプロセスの中で子供のような冒険心を持つ彼女と同じ傾向を持つ理想的な協力者、Splashを見つけた。「今回のアルバムでは、これまで行ってきた“同じ一つの部屋でバンドで録音”というアプローチに、現代的な要素をどうやって取り入れられるか見てみたかったの」とジューンは言う。このアルバムに命を吹き込むにあたり、2人は、フェラ・クティのアフロビートからデヴィッド・ボウイのプロデューサーであるトニー・ヴィスコンティの壮大なストリングス・アレンジに至るまでの参考点を活用し、尊敬するミュージシャンたちの多彩なラインナップが自由奔放な実験に没頭した。
「Fallin」の繊細な囁きのエピファニーから「Two Roads」のセージブッシュ・ソウルまで、そして喜びに満ちた 「Smile」と祈りに満ちた 「Home Inside」の呼びかけ、そして 「The Moon and Stars」のように変化していくテクスチャーが、このアルバムでは限りなく魅力的だ。
昨年末、ヴァレリーは 「Stay / Meditation / You and I」の3曲組曲を発表し、米国 Rolling Stone誌は「もしこのような初期のプレビューが何かの兆候であれば、ジューンの次のレコードはキャリアメイキングな声明になるはずだ」と断言。さらに、 Essenceはこの組曲を「待った価値は十分にある」と評し、 New York Times紙は「You and I」を2020年のベストソングの一つに挙げた。
本作『 The Moon and Stars: Prescriptions For Dreamers 』は、2013年に発表したデビュー・アルバム『Pushin' Against A Stone』、そしてボブ・ディランに賞賛され、その年の年間ベスト・オブ・ザ・イヤーにも多々選ばれた2017年の『The Order of Time』に続く作品で、夢を見るのに十分なほど愚かな人々のための強力な触媒となる、心を揺さぶる、深い影響力を持つ作品だ。