舛添要一氏「野田聖子議員は酒を飲めるところが強み」

1月26日(金)7時0分 NEWSポストセブン

野田聖子総務相 時事通信フォト

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 女性政治家の失言やスキャンダルが政界に嵐を呼び、女性都知事がその嵐に乗じるも、彼女もまた躓いてしまう。政治家としての資質を問われるような女性議員が増えた背景に、小選挙区制の導入があると舛添要一前東京都知事は語る。「1つの選挙区で1人しか当選しない小選挙区制の場合、女性候補が圧倒的に有利なんです。まず女性候補というだけで投票する有権者がいる」と。


 また、稲田朋美氏のように安倍晋三首相に重用される人は「右派だから」という理由で抜擢されたように見え、結果、他の女性議員も出世のために右寄りになっていく傾向があると指摘する。国際情報誌・SAPIOで昨年の衆院選を批評した「女性政治家の通信簿」を綴った古谷経衡氏とともに、女性政治家の現状を語ってもらった。

 

〔議員名のあとの括弧内の表記は、(年齢、所属、当選回数)を表す〕


古谷:小選挙区制導入と安倍政権の長期化が女性議員の体たらくの原因だとしたら、それ以前の女性議員はどうだったのでしょう。


舛添:たとえば扇千景(84・2007年政界引退)は芸能界出身でしたが、真面目に勉強して国土交通大臣の職責を果たした。土井たか子(2014年死去・元日本社会党委員長)は辞めるときに「舛添さん、福島瑞穂をお願いしますね」と挨拶に来てくれた。私とは考え方が違うけど、筋を通す人だった。彼女たちは女性政治家というよりも尊敬する先輩政治家でした。私にとって、彼女たちは宮澤喜一さんや橋本龍太郎さんと変わらなかった。


古谷:田中眞紀子(73・2012年落選)はどうでしたか?


舛添:メチャクチャな政治家でしたね(苦笑)。ただし田中角栄の娘をウリにしていたけど、女をウリにはしていなかった。


古谷:では、いま舛添さんが評価する女性議員はどなたですか?


舛添:私の場合は、能力のあるヤツは男でも女でも評価します。逆になければ、相手にしない。だから嫌われるんだけど(笑)。


 女性議員で言えば、いまの法務大臣の上川陽子(64・自民・衆6期)。私が厚労相時代、彼女が子ども(少子化対策)担当大臣だった。対等に議論できる数少ない女性議員だった。あとは野田聖子(57・自民・衆9期)ですね。


古谷:ぼくも野田は別格だと思っています。彼女は郵政民営化選挙で、小泉に造反した。小泉に媚びず、主張を曲げなかったんです。プライベートでも流産したあと、困難な不妊治療に長年向き合い出産した。ほかの女性議員と厚みが違う。


舛添:野田は酒を飲めることも強みです。残念ながら、いまだに永田町では料亭で酒を飲みながら根回しをし、物事を決めていくんです。そんななかに酒を飲めない女性がいると場の雰囲気が白けてしまう。女性議員も、そういう場に入りにくい。


 最近はメディアが不倫にうるさいから女性議員と同席したがらない人も増えてきた。その点では政界がいまだに男性優位社会で、女性蔑視が存在しているのは否定できない。


古谷:けれども女性議員が活躍できない理由を日本が男性優位社会であることだけに求めるのはおかしい。女性が男性と対等かそれ以上に活躍している業界もある。たとえば、漫画業界がそう。作者が男か女かなんて関係ない。問われるのは画力と構成力。完全に実力の世界です。


舛添:音楽や芸術の世界もそうですね。


古谷:そうです。日本にも男女平等が達成された業界はたくさんある。海外の政界では女性も実力を正当に評価されるわけでしょう。


舛添:私が出会った欧州の議員を見ても、男だから、女だから、とは誰も見てない。優秀だから選挙に出て、結果を出すから何度も当選できる。性差でなく結果や成績でしか評価されません。


 その先駆けとなったのがイギリスのサッチャーです。中曽根元総理と一緒に会ったのですが性差を超えた意志の強さ、迫力があった。サッチャーという前例があるから現首相メイは非常にやりやすいでしょうね。


【PROFILE】ふるや・つねひら/1982年北海道生まれ。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。文筆家。主な著書に『左翼も右翼もウソばかり』『草食系のための対米自立論』『「意識高い系」の研究』。最新刊に『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』。


【PROFILE】ますぞえ・よういち/1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。2001年参議院議員(自民党)に初当選し、厚生労働大臣等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。辞任後初となる著書『都知事失格』が弊社より発売中。


※SAPIO2018年1・2月号

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