脱法スカウトの闇 現役大学生が女性を食い物にするシステム

1月26日(土)16時0分 NEWSポストセブン

知人だからスカウトではないと脱法的な言い訳をする学生たち

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 暴力団対策法や条例によって暴力団によるトラブルは激減したが、代わりに半グレと呼ばれる別カテゴリのグループがのさばるようになった。繁華街で問題となっていた「スカウト」も、条例によって厳しく取り締まられるようになったが、代わりに“プロ”学生がスカウトビジネスを実行している。ライターの森鷹久氏が、暴力団員でも半グレでもなく、いわゆるプロのスカウトでもない学生による、ビジネスの実態をレポートする。


 * * *

 関西地方に住む複数の大学生が、女子大生に借金を背負わせ、風俗店などにあっせんしていたとして職業安定法違反(有害業務紹介)の疑いで逮捕された。報道によれば学生らは京都市内の大学に通う約20名のメンバーで構成され、路上で女子大生に声をかけては、関係者が経営する高級会員制バーなどに連れてゆき、高額な料金を請求。支払いが出来ない女子大生に対し、風俗店で働いて金を捻出するよう促していた。


 さらにグループは、提携していた関西地方の複数の風俗店から、女子大生の紹介リベートとして、女性の給与の15パーセント程度を受け取っていた。逮捕容疑に関わるだけでも、紹介料などで約7300万円を得ていたという。プロの反社勢力も驚く「違法スカウトシステム」の仕組みを、学生らが作り上げていたことになる。


「関西の事件はあまりにひどいというかあからさまですが、関東でも同じような事例はありますね」


 最近何かと「悪い」話題の尽きない、都内の私大イベントサークルOBは、女子大生を狙った卑劣な連中の存在を指摘する。


「日大のサークルの件でも話題になりましたが、イベントへの集客が悪いなどと言って女子大生に、借金を作らせます。ノルマ10人分、計二万円など最初は軽微な負担を強いらせるのです。二万円であれば、キャバクラで二日働けば楽に返せるから、知り合いのキャバクラを紹介する、そういってあっせんするのです」


 実際に、このようなきっかけで水商売の世界に足を踏み入れる女子学生が後を絶たない。もちろん、このような経験をした女子学生の多くは、サークルに不信感を募らせ辞めていくのだが、一部の女子学生はそのままズルズルと闇に引き込まれていく。


「キャバクラには、サークル幹部の関係者が男女問わずいて、もっとたくさん稼ごうとか、ホストにいって遊ぼうとターゲットに吹き込むわけです。関西の学生たちがやっていたのと同じで、最終的にはターゲットを風俗に落とし、風俗店からのバックを得るのが目標です。ターゲットが風俗で稼いだ金をサークルに納める一方、風俗で働いた金の一部も自動的にサークル幹部に流れるという二重にオイシイ仕組み。こうした手法を知った男子学生が、これを“ビジネス”だなんだと吹きまわり、学業そっちのけで取り組んでいます」


 まさに鬼畜の所業であるが、実はこの手法は、かつて繁華街にわんさかいた違法スカウトが行っていた手法と同一のものだ。彼らが法律により厳しく取り締まられた末に、一部風俗店関係者や反社会勢力によって生み出されたのが、学生やサークルを使うという「脱法的」なやり口なのだ。都内の風俗店関係者によれば、このようなやり口が、学生の間で蔓延しつつあるのだという。


「街角で声をかけるキャッチやスカウトは一発でパクられますが、学校やサークルで接点を持ったという関係を使って“知人だったので紹介しただけ”ということにすれば、パクられにくい。紹介先の風俗店や飲食店からバックを受け取っているなどという証拠があればアウトですが、そのあたりは割と簡単に隠せます」


 SNS上には確かに「仕事を紹介します」「簡単に稼げます」などといった大学生の、中には高校生と思われるユーザーの書き込みが多くみられる。スカウト業だけではない。情報商材の販売など「ねずみ講まがい」の“ビジネス”への参加を促す書き込みをする学生も後を絶たず、これらを具体的に取り締まる法整備もなされていないためか、事実上の野放し状態であるのだ。


 冒頭で紹介した京都の事件は、自称ビジネス系大学生達の末路ともいえる事案ともいえよう。眼前のカネに目がくらみ、モラルや遵法意識を欠いた連中の暗躍を、決して許してはならない。

NEWSポストセブン

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