全豪OP決勝進出の大坂なおみ わずか数か月でトップの貫禄

1月26日(土)7時0分 NEWSポストセブン

26日決勝でチェコのクビトバを破れるか

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 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、テニス全豪オープンで日本人初の決勝進出を果たした大坂なおみ選手を分析。


 * * *

 それにしても、人の成長とはこんなに早いものなのか。


「1才ぐらい成長したかな。4才よ。ハッピーバースデー」。全豪オープン準々決勝で、ウクライナのエリナ・スビトリナ選手に勝利したテニスの大坂なおみ選手は、インタビューで自身のメンタルを4才に成長したと笑った。開幕前には、「精神的に3才くらいのところもある」と屈託なく語ったばかりだった。


 人間として成長することを、自分にとって最大の目標と語っていた大坂選手は、自分自身が人として成長していることを実感できている。その感覚を持てることが、今の彼女の大きな強みであり、武器でもあるだろう。


 だいたい、普通に生きていると、自分のメンタルが成長しているなんて実感することはほとんどない。常に緊張にさらされる仕事や勝負の世界で生きていなければ、自分のメンタルと向き合うこともない。だから、自分のメンタルが成長していると実感できるという事が、正直すごいと思える。


 それにしても、3才のメンタルとはなんともうまい例えだ。3才のメンタルといえば、自己主張が強くなる時期。しかし、まだまだ自分自身を抑制することが十分にできない時期でもある。全米オープンの優勝では、勝利の要因を「我慢」と答えていた彼女。メンタルがまだ3才だったとしたら、感情を抑制するのがまだまだ難しい場面もあったのだろう。我慢と表現したのもわかる気がする。その時の感覚としては、感情をコントロールするというより、我慢するというイメージだったのだろう。


 ところが全豪オープン開幕前、メンタルについて話した時に、彼女が使った言葉は「我慢」ではなく「均衡」だった。場面場面で感情を抑えて我慢するのではなく、常に感情をコントロールするという意味だろう。乱れた感情に飲み込まれることなく、試合中はずっと落ち着いて冷静さを失わず、気持ちのブレや感情の揺れを極力無くそうと努めていたのだろう。




 それでも試合中は、ミスを連発するとイライラして表情が曇ってくる。表情が豊かなだけに、ネガティブな感情がすぐにその目に表れる。コートにラケットを叩きつけそうになったり、身体を折り曲げ、叫んぶ場面もあった。3回戦で思わずラケットを投げつけてしまった時には、このまま崩れてしまうのだろうか?と、見ているこちらが心配になったほどだが、彼女は立ち直った。


 他の試合でも、感情に飲み込まれそうになる手前で、彼女はくるりとコートに背を向けた。目を瞑り、自分に何かを言い聞かせると、顔を上げて再びコートに向う。コートに背を向けるまではネガティブ感情一杯の暗い目をしていたのに、コートに向き直った時は明るく強い眼差しが戻っていたのだ。


 彼女のメンタルは、その時すでに4才になっていた。


 それにしても、驚くほどの成長スピードだ。大坂選手はあっという間に成長していく。人が精神的に成長していく様を、こんな形で目にすることなど滅多にない。すごいものを、素晴らしいものを目にしているのではないかとさえ思う。


 4才のメンタルといえば自発性が出てきて、色々なことを探求し始める時期。相手の心の動きを読めるようになってきたり、様々な課題を乗り越えられるようになることで自分への信頼感も生まれてくる。そのため、以前より動揺が少なくなる時期でもあるという。


 ここまでのインタビューでも、「以前には、負けを受け入れてしまうところがあった」「負けを認める気持ちだと勝てないと思った」と答えていたように、自分から勝負を諦め崩れてしまうところがなくなった。自分の力を信じ、自分に自信が持てるようになったのだろう。準決勝ではチェコのカロリーナ・プリスコバ選手をフルセットで破り、「信じられないような試合をした。素晴らしい選手」と称えられたほどだ。


 全米オープンテニスでセリーナ・ウィリアムズの選手を破って優勝したのは昨年の9月。表彰式で観客のブーイングに涙していた初々しい選手は、わずか数か月足らずで、トップアスリートとしての雰囲気を漂わせ貫禄さえも滲ませる。それにもかかわらず、まだ成長途中だ。


「自分にとって、一番の目標はこの大会で優勝すること」と決勝に向けた意気込みを語った大坂選手。頑張れ!!

NEWSポストセブン

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