韓国で唐田えりか“未成年不倫”が注目される理由は「儒教の国」の性モラル?

1月27日(月)18時10分 文春オンライン

 夫人・杏との関係修復が一向に描けないまま、長期化の様相を呈する東出昌大の不倫スキャンダル。お相手の唐田えりかを巡っても、ネットでのバッシングは収まる気配がない。


 そんな2人の騒動は、海をはさんだ韓国でも大きく注目されている。日本で大ニュースになっていることに加え、唐田えりかがすでに韓国のCMやドラマで顔を知られていたことも一因だ。



韓国での報道が相次いだ唐田えりか ©AFLO


 だが韓国メディアがこの一件に敏感な理由は、それだけではない。“不倫” は、韓国人にとってもとりわけ関心が高いテーマの1つなのだ。


女性に貞操観念が求められてきた儒教の国


 韓国国民が不倫問題に関心を寄せるのは、歴史的な背景が大きい。


 朝鮮半島の伝統社会は儒教に基づく倫理と家族制度が徹底され、女性に対しては厳しい貞操観念が求められた。夫は複数の妾を持つことが許された半面、妻は寡婦となった後も再婚が許されなかったのはその一例だ。こうした伝統は近現代にまで受け継がれ、近代的な価値観と葛藤を繰り広げてきた。


 そんな韓国の貞操観念を象徴した制度の1つが「姦通罪」。不倫を犯罪として裁く法律だ。


 姦通罪はもともと夫が妻の不倫を罰する制度として、植民地時代に日本から移入された。日本では1947年に廃止されたが、韓国では妻にも夫を訴える権利を認める形で存続されてきた経緯がある。憲法裁判所で違憲判決が下り、廃止されたのは2015年2月のことだ。



 法律で禁止されていたくらいだから、韓国で不倫は珍しいことだったのではないか……と思いたいところだが、そんなことはない。姦通罪で夫や妻から告訴される不倫カップルは、法律が存続していた当時から後を絶たなかった。



妻の妊娠中に不倫した韓流スター


 芸能界も例外ではなく、これまで数々のスターが不倫で浮き名を流している。


 東出と唐田の一件から、多くの韓国国民が連想したスキャンダルがある。1962年、当時高い人気を誇った映画スターのチェ・ムリョンが、新人女優キム・ジミとの不倫で警察に拘束された事件だ。


 訴えたのは、チェの妻で自身も女優のカン・ヒョシル。カンは、チェの子供を出産した約10日後に2人の不倫を知ったそうだ。結局キム・ジミが不動産まで売って慰謝料を支払うことでカンとの和解が成立し、2人は1週間ほどで釈放された。


 チェとキムは1963年に結婚したが、1969年に離婚。キムは現在まで計4度の離婚を経験しており、“韓国のエリザベス・テーラー”とも称されている。


 また近年の例では、2007年に女優オク・ソリが、夫で俳優のパク・チョルから姦通罪で訴えられた事件がある。オクは2008年、懲役8カ月執行猶予2年を宣告された。オクは2011年に不倫相手のイタリア人シェフと再婚したが、やはり後に離婚が伝えられている。


イ・ビョンホンも不倫騒ぎの前歴


 唐田が契約している韓国の芸能事務所BHエンターテインメントには、イ・ビョンホンが所属している。世界的韓流スターとして知られる彼も、不倫騒ぎを起こした前歴の持ち主だ。


 2013年に結婚したイ・ビョンホンは、翌年親しくなったモデルらとの親密な動画をネタに、50億ウォン(約4億6000万円)払うよう恐喝されてしまう。恐喝したモデルら女性2人が2015年4月に有罪判決を受け、事件は一応解決。


 だが夫人のイ・ミンジョンは同年3月に第一子を出産しており、妻の妊娠中の女遊びが露見したイ・ビョンホンはスターとしての名声に汚点を残す結果となった。




“リアル不倫”映画には国際的評価も


 韓国芸能界で現在進行中の不倫カップルといえば、カンヌほか複数の国際映画祭で受賞歴のある名匠ホン・サンス監督と女優のキム・ミニが代表的だ。


 ホン監督は1960年生まれ、キム・ミニは22歳若い1982年生まれ。2人はホン監督が2015年に撮った「正しい日 間違えた日」にキム・ミニが主演した縁で不倫関係となり、2016年からスキャンダルに発展。2017年にホン監督が「互いに真面目に愛し合っている」と公言したが、いっそう顰蹙を買う結果となった。


 ホン監督は2019年6月、夫人との離婚訴訟に敗訴。夫人と別れることもできないまま、キム・ミニとの不倫関係を続けている。一方の化粧品の広告モデルもしていたキム・ミニは、数千万円単位の違約金を支払わされたとも伝えられた。


 2人は2017年を最後に、韓国国内で目立った露出を控えている。だが一方でホン監督はキム・ミニ主演の映画を撮り続けており、いずれの作品も海外での評価が高い。


 不倫のきっかけとなった「正しい日〜」は、ロカルノ国際映画祭でグランプリ(金豹賞)を受賞。2017年の「夜の浜辺でひとり」では、ベルリン国際映画祭でキム・ミニが主演女優賞を受賞した。同作品でキム・ミニは既婚の映画監督との関係に悩む女優という現実そのままのシチュエーションを演じており、韓国国内ではいっそう人々の反感を煽る形となっている。


盛況を見せる「不倫マッチングサイト」


 芸能界に限らず、一般の人々の間でも不倫は盛んだ。2015年7月に会員情報の流出事件を起こした国際的な不倫マッチングサイト「アシュレイ・マディソン」にも、多くの韓国人会員が登録していたことが伝えられている。


 同サイトは違法な不倫を助長するとしていったん韓国国内での接続が遮断されたが、2015年2月の姦通罪廃止を受けて翌月にサービスを再開。同サイトによれば、それから2週間で新たに10万人の韓国人会員を獲得したという。


 2010年には、テレビドラマ作品の約半数が不倫を描いているとして “社会問題” になったこともある。だがこれもメインの視聴者=40代主婦層の“志向”に合わせた結果だ。



 例えば、韓国の高速鉄道KTXでは、週末の夜にソウルへ戻る列車内で不倫カップルと思しき中年男女の姿が見受けられることがある。郊外でのびのびとデートを楽しんだ彼らは、帰りの車中でも仲睦まじいスキンシップを隠さない。だが列車がソウルに到着すると、人目を気にして急によそよそしく離れて歩き出すのが常だ。


 にわかに韓国メディアを賑わした、日本の不倫報道。敏感な反応を見せた隣国の不倫文化も、なかなか奥の深いスキャンダラスな世界だ。



(高月 靖/週刊文春デジタル)

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