怠惰な“黒猫吸血鬼”との共闘&同棲!? 複雑な人間関係と闘いが繰り広げられる『サーヴァンプ』レビュー

1月27日(水)11時0分 おたぽる

コミック『サーヴァンプ』公式サイトより。

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 かねてから掲載誌「月刊コミックジーン」の付録としてドラマCD が付けられたり、オフィシャルでCDドラマが発売されていたりしていた人気マンガ『サーヴァンプ』(作:田中ストライク/ともにメディアファクトリー)に、とうとうアニメ化決定という話題が届いた。これには連載の早い頃から予感めいたものを持っていた読者も少なからずいたかも知れない。いわゆる“七つの大罪”(キリスト教などの)をモチーフにしたマンガやアニメは少なくはないが、本作はそこに「吸血鬼」、「兄弟戦争」、「主従関係」などといったテーマもぶち込んだ、複雑な設定ながらもわかりやすく描いてよく練り込まれているのが魅力だ。

 主人公の城田真昼はシンプルなことが好きで、面倒なことは嫌い。平和で楽しい文化祭の出し物を決めたり、役割分担を請け負ったり、一見面倒なことを一手に引き受けるのは真昼自身。「結局誰かがやんないとなのに、もめるの面倒だろ」というのが、シンプル・イズ・ベストの彼の考えだ。ブレないこの真昼の性格は、常に物語の中枢に据えられている。

 何もしないで後悔することは一番面倒くさいこと……“だから”、猫を拾って“クロ”と名前をつけた真昼。後々、このことがさんざん面倒くさいことに巻き込まれるきっかけになるとも知らずに。

 事情があって現在は一人暮らしっぽいことになっている真昼が帰宅すると、カーテンを締め切ってカップ麺を食べながらゲームをしている男がいた。実は「飼われる専門の吸血鬼」だという。ちょうどクラスメイトがウワサしていた吸血鬼による通り魔犯罪のことを思い出した真昼。まさかとは思ったが、クロ=この猫みたいな吸血鬼はめちゃくちゃ面倒くさがりの「怠惰」のサーヴァンプだった。

 何にでも「めんどくせー、向き合えねー」が口癖のクロは、人間の血を吸うことさえ面倒くさがるため、数百年人間の血を吸っていなかったという。だが、とある別の吸血鬼に襲われた友人を救うため、真昼はクロと強制的に「契約」することになってしまう。

 その後真昼は、吸血鬼に人を襲わせている張本人である椿という男と出会う。彼は自分を「8番目」、7人兄弟のはずの吸血鬼の真祖の末っ子と名乗る。「面白いことがないなら戦争しようよ」と言い出した他の7人の誰にも知られていなかった存在の椿。“憤怒”と“暴食”のサーヴァンプや主人が見つからないまま、真昼たちは一旦謎の第3勢力である“C3”側に付くことに。しかしそこでは手荒い洗礼が待っていて……? “C3”内部でも複雑な人間関係があったり、主従関係を脅かす出来事に見舞われたり、真昼たちにとっては椿以外にも大きな難関が立ちはだかっていた。

 クロの過去やサーヴァンプたちの関係、神出鬼没の御園の兄・御国の存在に触れながらも、物語は、サブクラスと呼ばれる吸血鬼を介しての闘いに暮れていく、真昼と椿の対決を描いていく。次第に明らかにされていく椿の「遊び」の動機も興味深く、クロの心の深淵の描写も、真昼のまっすぐさも、読む者の心をつかむことだろう。キャラクターは多いながらも、皆が個性的で各々のエピソードを持っているため、比較的理解は早いと思う。筆者は真昼の親友の桜哉推しなのだが、彼を巡る早い段階でのエピソードには泣かされる。現在単行本9巻まで刊行されており、闘いも複雑になってきているが、どこまでアニメ化されるのか、今から楽しみでならない。
(文/桜木尚矢)

おたぽる

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