熱狂的な支持者を生んだ伝説の名作『三月のライオン』デジタル・リマスター版、予告解禁& 矢崎監督コメント到着!

1月27日(水)18時9分 Rooftop

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2月26日(金)公開となる『三月のライオン』デジタルリマスター版の予告編が解禁。併せて、矢崎仁司監督よりコメントが到着した。

映画評論家トニー・レインズに「ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』以来の、近親相姦を描いた秀作」と言わしめた本作品は、1991年のベルリン国際映画祭出品を皮切りに、メルボルン、バンクーバー、ロンドン、ロッテルダム、ヨーテボリ、ヘルシンキなど世界各国の映画祭で話題を呼び、92年にはベルギー王室主催ルイス・ブニュエル「黄金時代」賞を受賞。日本公開時には10代の若者たちの熱狂的な支持を受け何度も見返す観客が続出した。

「映画は理解するものではなく、感じるものだと思っている」と監督の矢崎仁司が語るように、色、光、音、極端に少ないセリフは、言葉では言い表せないイメージを繊細に映し出し、感情を揺さぶる。記憶の中に漂う原風景とでも言うべきその空気は、何度でも思い起こす程に、鮮明になって行く。

「映画館の暗闇を愛で満たすもの」矢崎仁司

すべての始まりは、パブリック・イメージ・リミテッド、PILのライブでした。
あの頃、日本映画に不満だった僕は、何かを壊したい衝動でいっぱいでした。あの夏、「This is not a love song」と歌うジョン・ライドンの声が心に刺さったまま、僕は『三月のライオン』のシナリオを書き始めました。恥ずかしいけれど第一稿のタイトルは『This is not a love story』でした。今まで観てきたラブ・ストーリーを壊そうと思いました。でもシナリオは一向に書けませんでした。

二年後の夏、僕は『風たちの午後』を持ってエジンバラ映画祭に行きました。そこでデレク・ジャーマンに出会いました。彼の映画は衝撃でした。僕の映画は、ある愛のカタチをスクリーンに閉じ込めて、灯りを消してみんなに観せるというもので、それが映画だと思っていました。デレクの映画は、彼の映画が上映される映画館の暗闇が愛でムンムンしていました。映写室からスクリーンまでの、バラバラな感情の履歴たちが、愛でむせかえる暗闇で僕は、こういう映画を作りたいと強く思いました。映画は愛のカタチを描くものじゃなくて、映画館の暗闇を愛で満たすものだ、とデレクに教えてもらった気がしました。

この二つの夏の体験がなければ『三月のライオン』は生まれなかったと思います。7年後、尊敬するルイス・ブニュエル監督の名前がついた賞を頂きました。その時一番嬉しかったことは、その賞の前年の受賞者がデレク・ジャーマンだったことでした。

あれから30年という歳月が流れ、愛や絆や言葉が感染拡散する世界の暗闇に、『三月のライオン』をもう一度映そうと、デジタルリマスター版を製作してくださったスタッフのみなさんに感謝します。僕も初心に帰り、「NOT」と問いつづけて新しい映画の可能性に挑み続けたいと思います。映画は、理解しなくていい、感じて欲しいという思いは今も変わりません。

※ ベルギー王室主催ルイス・ブニュエル「黄金時代」賞( PRIX DE L'AGE D'OR )とは
「詩的で独創的であり、大勢順応主義から意図的に逸脱している映画」を支援する目的で1955年に設立された、ベルギー王立シネマテーク、 ブリュッセル映画博物館によって授与される賞。初年度の受賞作品はアニエス・ヴァルダ監督『ラ・ポワント・クールト』。その他、ケネス・アンガー 監督 『快楽殿の創造』、マノエル・ド・オリヴェイラ 監督 『繻子の靴』、デレク・ジャーマン 監督 『エドワードⅡ』、タル・ベーラ 監督 『サタン・タンゴ』、アレクセイ・ゲルマン『フルスタリョフ、車を!』などが受賞している。

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