『べらぼう』蔦重をだまして祝杯をあげた鱗形屋と西村屋。しかしその企みに気づいていた人物が…視聴者「いつものように怒鳴らず」「北条の三つ鱗が鱗形屋とは」「仕事人が来るのを期待した」
2025年1月28日(火)16時50分 婦人公論.jp
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第4回「『雛形若菜』の甘い罠」が1月26日に放送され、話題になっています。
*以下「『雛形若菜』の甘い罠」の放送内容のネタバレを含みます。
●「『雛形若菜』の甘い罠」あらすじ
『一目千本』で成功した蔦重(横浜流星さん)は、次なる一手に、呉服屋の入金で店の着物を着た女郎の錦絵を作る計画を立てるも、自身の知名度の低さで資金集めに苦戦する。
そんな中、西村屋(西村まさ彦さん)が共同制作の話を持ちかけ、錦絵作りは順調と思われたが…。
一方、田安治察(入江甚儀さん)亡き後、賢丸(寺田心さん)は、田沼意次(渡辺謙さん)が画策した白河藩への養子の一件を撤回するため松平武元(石坂浩二さん)にある頼みを命じるが…。
錦絵の出版を模索し始めた蔦重でしたが
『一目千本』の成功に続き、吉原を盛り上げるべく、女郎の錦絵を出版することを模索し始めた蔦重。
女郎からの入銀が期待できない中、鱗形屋に相談に向かうも「『一目千本』の出版前に一言欲しかった」と言われてしまいます。
その後、平賀源内とのやりとりからヒントを得、呉服屋から広告タイアップを獲得することをひらめいた蔦重でしたが、なかなか色よい返事をもらうことができません。
店先で「原因は知名度の低さにあるのでは」と駿河屋市右衛門から指摘された蔦重。
落ち込んでいるところに、錦絵で有名な版元・西村屋与八(演:西村まさ彦さん)がやってきます。
一枚噛ませてほしいと話した西村屋
たまたま耳にしたという呉服屋タイアップの件に、「一枚噛ませてほしい」と話す西村屋は、完成した錦絵を売り捌く手伝いをする旨を蔦重へ持ち掛けます。
さらには望むならほかの本屋との取引も取り持つ、と話す西村屋。
「ぜひお願いしやす!」とこたえて西村屋との打ち合わせに向かった蔦重でしたが、なぜかその様子を駿河屋はいぶかしげに眺めます。
ここで副音声では<渋い顔で見ている市右衛門>という解説が流れ、首を振りながら市右衛門は店内に戻っていくのでした。
平謝りをする西村屋
その後、西村屋の参加によって呉服屋から入銀が集まり、無事に完成した錦絵。
蔦重が、自らの版元「耕書堂」の印を捺印した美しい錦絵を、呉服屋や女郎屋の主人に披露しているところに、西村屋と鱗形屋、そして地本問屋・鶴屋喜右衛門がやってきます。
するとなぜかその場で平謝りを始めた西村屋。
続けて鶴屋たちは、市中で販売するには地本問屋の株仲間である必要があり、その条件を満たしていない「耕書堂」の印の入った錦絵は、未来永劫、市中で売ることが出来ないと説明し始めます。
吉原のためだ!
その説明にいったんは静まり返る一堂でしたが、口を開いた女郎屋・大文字屋が「蔦重さえ手を引けば丸く収まる」と提案。
さらに、西村屋に版元を統一するという案を出すと、同席者はみなそれに賛同します。
納得がいかない蔦重でしたが、駿河屋の主人から「吉原のためだ!」と諫められると、憤慨しながらその場を立ち去るのでした。
それから場面が変わり、鱗形屋と西村屋が祝杯をあげるシーンへ。
お互いの演技のうまさを褒め合う二人でしたが、西村屋から「今後蔦重をどうするのか」と問われると、「蔦重ごと吉原を丸抱えしたいのさ」と、己の野望をむき出しにしながら鱗形屋が答えたところでドラマは幕を下ろすのでした。
視聴者の声
最後のシーンで、予め口裏を合わせて蔦重をだましていたことが明かされた鱗形屋と西村屋。西村まさ彦さん演じる西村屋は、実は後年、蔦屋重三郎と熾烈な出版競争を繰り広げた人物ということで、タイトルの「甘い罠」が回収された流れとなりました。
その一方で、鱗形屋の片岡愛之助さん、西村屋の西村まさ彦さん、そして蔦重育ての親・駿河屋市右衛門を演じる高橋克実さんら、ベテラン俳優陣のキャストの妙や演技に感嘆した、との感想を呟く人が続出。
たとえば「駿河屋の親父様は西村屋が噛んできたときに予想していたんだろうな。頭を振っていたのはそういうこと」「いつものように駿河屋が怒鳴って蔦重を黙らせないのが辛い。吉原者の諦めや悔しさを噛み締めてるの、むしろ駿河屋だろうよ…」「西村屋が『西村』まさ彦さんとはシャレがきいてる。『鎌倉殿の13人』で北条宗時を演じた愛之助さんが”三つ鱗”の鱗形屋というのもなかなか」「意知が忍び姿で現れたり、悪だくみをしながら酒をくみかわすシーンなど、かつての民放時代劇を彷彿とさせるシーンがあって良い」「鱗形屋と西村屋がニヤニヤしてるところに仕事人が来てくれるのを期待していたが来なかった。大河ドラマだから」といった声が見られていました。
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大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。
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