大河『直虎』 史実が少ないため大胆な脚色OKでドラマ向き

1月28日(土)7時0分 NEWSポストセブン

ドラマチックな展開を期待(『直虎』HPより)

写真を拡大

 NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が予想を上回る順調な滑り出しを見せている。初回の総合視聴率(リアルタイム視聴率と録画によるタイムシフト視聴率の合計)では22.1%と、『真田丸』の最終回21.3%を上回った。


 主役の柴咲コウ(35才)が演じるのは、戦国時代を生きた井伊直虎。井伊谷(現在の静岡県浜松市)を本拠地とする領主・井伊家当主の一人娘として生まれた直虎は、一時は出家して尼僧になるが、お家断絶の危機に瀕するや自ら城主となって乱世に立ち向かう。


 彼女が養子として育てた井伊直政は「徳川四天王」として活躍。井伊家は徳川幕府の重臣となり、幕末の大老・井伊直弼へとつながっていく。初回から第4回までは直虎の幼少期を描き、子役たちの演技が注目を集めている。“歴ドル”の小日向えりさんが言う。


「おとわ(後の直虎)を演じる新井美羽ちゃん(10才)は、無邪気さの中にも凜とした強さを感じさせました。おとわと亀之丞、鶴丸の3人が、これからどんな人生を送っていくのかを見届けたいですね」


 波瀾万丈の物語はまだ始まったばかり。『おんな城主 直虎』をもっと楽しむためのポイントを解説していこう。


◆独身リーダーが道を切り開く


 女性が主人公の大河ドラマは1967年の『三姉妹』に始まり、ここ10年では『篤姫』(2008年)、『江〜姫たちの戦国〜』(2011年)など4作品ある。小日向さんは、今作は過去の主人公とは「タイプが違う」と語る。


「これまでの女性主人公は、歴史的に有名な人物の妻であったり、お姫様だったりで、内助の功で夫を支えるものが多かった。でも今回は、生涯独身だった女性が自ら道を切り開いていく。女性リーダーとして領民を助け、井伊家のために跡継ぎを育てていく直虎は、今の女性リーダーの時代にピッタリの人物像と思います」


 現代になぞらえれば小池百合子都知事のようなものか。その女性リーダー役に柴咲を抜擢した理由について、チーフプロデューサーの岡本幸江さんはこう話す。



「直虎は自分の信じる道を直感で突き進むタイプで、野性的な行動力があった人だと思います。泥にまみれ、苦労してボロボロになる瞬間があっても、凜として美しいところが柴咲さんに重なりました」


◆史実が少ないのでドラマ向き!


 直虎は謎の多い人物で、放送前には「おんな城主」ではなく「男」だったという説が取り沙汰されたほど。東京大学史料編纂所教授で、NHK大河ドラマ『平清盛』では時代考証を担当した本郷和人さんが言う。


「私が勤めている史料編纂所のデータベースを用いて検索すると、徳川家康に関する古文書は3000以上ありますが、直虎についてはたった2件。しかも確実に直虎のものとされるのは1件だけです。裏を返せば、だからこそ大胆な脚色も許されるので、とてもドラマ向きの人物だといえますね。これまでの大河ドラマの枠を超えた作品になるのでは」


『直虎の城』(時事通信社)の著者で、歴史小説家・山名美和子さんもこう語る。


「史料がなく、空白の部分はフィクションで書くしかありません。『井伊家伝記』に“次郎法師は女(おなご)にこそあれ井伊家惣領に生まれ”と記されており、そうした史料を基に直虎を女性主人公として描きました。ドラマでは、直虎を心のしなやかさのある強い女性として描いてほしいですね」


 脚本を担当するのはドラマ『仁-JIN-』、『世界の中心で、愛をさけぶ』(いずれもTBS系)などを手がけてきたヒットメーカーの森下佳子さん。ドラマチックな展開が期待できそうだ。


※女性セブン2017年2月9日号

NEWSポストセブン

「ドラマ」をもっと詳しく

「ドラマ」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ