西郷、直虎、真田…大河ドラマ時期に歴史資料発見が多い理由

1月28日(日)7時0分 NEWSポストセブン

「西郷どん」スタートのタイミングで肖像画発見

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 これまで「1枚も存在しない」と言われていた西郷隆盛の肖像画が発見──この歴史スクープが明らかになったのはNHK大河ドラマ『西郷どん』の1話放送直前。なんだかタイミングが良すぎるような……。


 実は、大河ドラマとそれにまつわる「史料発見」には妙なシンクロが多い。


 2016年の大河『真田丸』の展開が大坂夏の陣にさしかかった11月、その戦いで討ち死にした武将・後藤又兵衛の最期の様子が記された書付(かきつけ)が発見されたことが、岡山県立博物館から公表されている。


 2017年の『おんな城主 直虎』の放送を控えてさまざまな紹介番組や関連本が増えてきた2016年12月には、大河のストーリーを揺るがすニュースがあった。京都にある井伊美術館の井伊達夫・館長は、彦根藩の文献を調査し、「次郎直虎」なる人物は井伊家の家系図に存在せず、井伊直盛とは関係のない男性だったと発表した。ドラマが始まる直前に、「直虎は男」という衝撃の発表が行なわれたのである。


◆研究予算が変わる


 さらに2010年に放送された『龍馬伝』ではドラマ中盤の7月に、高知県立坂本龍馬記念館で、「薩長同盟を陰で支えた男たち」展が開催。京都・土佐藩邸から出てきたという寺田屋事件の報告書など、「新発見」や「初公開」と銘打たれた史料が多数展示された。


 大河に合わせた歴史発見がやたらと多いのは、大河の主人公に世間の注目が集まることで、隠れた史料が掘り起こされるという要因に加え、時に公開する側の事情もあるようだ。日本近代史が専門で『新版南洲翁遺訓』の翻訳者でもある大阪大学名誉教授の猪飼隆明氏が語る。


「歴史研究者にとって、考古学的発見が新聞の一面に出るかどうかで文科省から出る研究予算の額がガラッと変わるので発表の時期は重要です。タイミングがよければ一般の人の注目も集まりますし。しかし私は研究者として、重要な発見であればすぐ世の中に公表されるべきだと考えます」


 毎年、大河主人公の出身地は、観光ブームで盛り上がるが、学術の世界でも同じことが起きているということである。


※週刊ポスト2018年2月2日号

NEWSポストセブン

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